日本を代表する古都・京都での転職を考えたことはありますか?1,200年の歴史をもつ観光地のイメージが強いですが、実は人口146万人以上と、政令指定都市のなかでも8番目の規模を持つ産業都市でもあるんです。
今回は、統計情報から京都の仕事についての実態を探るとともに、京都ならではの地域の特色や京都転職のお役立ち情報についてもご紹介します。
統計から見る京都の事業者数、従業員数と近年の動向
人口の多い大都市とはいえ、京都の事業者数・従業員数はピーク時から減少傾向にあります。
なかでも民営事業者数の減少率は全国でも悪い部類に入り、医療・福祉関連以外の産業は軒並み企業数を減らしています。
(引用元:Ⅰ-1 京都市の経済規模-事業所数及び従業者数等-)
一方で、2018年以降は東京に本社のあるIT企業(LINEやサイバーエージェント、マネーフォワードなど)やパナソニックの家電デザイン部門などが京都市内に新たに営業所などの拠点を進出する動きが相次いでいます。背景には世界的に激化する優秀なエンジニア・デザイナーの採用強化を目的に、外国人にも訴求力の高い「京都ブランド」を活かそうという考えや、文教都市として優秀な学生の集まる京都での採用を強化したいという思惑があります。
また、新興企業・スタートアップでは京都大学発のベンチャーの伸びが東京大学の伸びを超えるなど、積極的な動きも見られていて、関西地区における新時代のシリコンバレーが生まれるかどうかに注目が集まっています。
人口流入数&有効求人倍率
(引用元:21大都市の年齢別人口転出入超過数(2011~14年計))
(引用元:京都市統計月報)
2018年11月における京都市の有効求人倍率は1.71倍。全国平均の1.69倍とほぼ同等となっていますが、京都では過去の調査と比較してもバブル期並みともいわれるほどの過去最高クラスの数値が近年は続いています。
京都の平均年収
(引用元:平均年収ランキング 最新版(47都道府県の平均年収) 関西の平均年収)
dodaの調査によると、京都府の平均年収は384万円。全体平均:414万円と比べるとやや低めで、関西6県のなかでは兵庫・滋賀・大阪に次ぐ5番目となっていますが、女性に限定してみると平均年収は大阪に次ぐ2番目となっています。
それでは、京都を代表するのは、どんな企業でしょうか?
京都を代表する企業
・村田製作所
京都を代表する電子部品メーカーである村田製作所。
電気を蓄えたりノイズを消したりするために使われるコンデンサで世界トップのシェアを持っています。特にスマートフォン(iPhoneなど)の開発に欠かせない積層セラミックコンデンサに強みを持ち、海外売上高比率は92%、売上高は1兆円規模を誇っています。
次世代通信(5G)や車の自動運転技術などの先端技術にも惜しみなく投資をしており、車載向け部品でも世界トップのシェアを持つ同社ですが、元々は陶器などを製造する町工場でした。
・京セラ
名実業家で「経営の神様」としても知られる稲盛和夫氏の創業した京都を代表する総合メーカー。
元はファインセラミックの専門メーカーで、その技術を活かした集積回路の製造で成功。その後も様々な分野の製造・研究開発を行っていますが、特筆すべきは通信・モバイル部門。
1985年の通信自由化を受けた第二電電(現KDDI)の立ち上げに株主として携わりました。現在の主力事業は携帯電話・スマートフォンの開発で、国内のみならず海外でも成功。北米ではサムスン、アップルらに続く4位グループで健闘し、売上高は1兆円規模。
・日本電産
精密小型モーターの製造で世界トップのシェアを持つメーカー。
名社長、永守重信の陣頭指揮のもと、「技術はあるけれど売上が立たない」企業を次々と買収。長時間労働を厭わないモーレツ主義で知られ、「元旦の午前以外は仕事」と豪語する永守社長のハードワークにも引っ張られる形で、京都のみならず国内でも屈指の大企業に成長した。一方で、近年はより効率的な働き方を模索する「働き方改革」も進めている。
・任天堂
日本を代表する世界的ビデオゲームメーカー。
1889年に「任天堂骨牌」として設立、花札やトランプを生産していた。「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神に基づき、つねに時代に応じた製品を開発。22歳で社長となった山内溥を筆頭に、宮本茂、横井軍平、岩田聡など、様々な開発者、経営者を輩出した。
『ウルトラハンド』『光線銃』『ゲーム&ウォッチ』といったヒット商品を発表したのち、1983年に発売したのがゲーム機『ファミリーコンピューター』。海外の先行機と比べて圧倒的に安価かつ高スペックという他の追随を許さない優位性を武器に、国内外にファミコンブームを巻き起こした。
その後も『ゲームボーイ』『スーパーファミコン』、『ニンテンドーDS』、『Wii』などの大ヒット商品を開発。一方で『ニンテンドー64』や『ゲームキューブ』、『Wii U』ではライバル企業に遅れを取ったものの、『ポケットモンスター』の国際的成功がマイナスを補い、無借金経営を続けてきた。近年は『Nintendo Switch』の成功で再び1兆円企業に舞い戻った。
・はてな
2001年に設立。上述の企業と比べて規模は小さいが、京都発ITベンチャーの草分けかつ代表的な存在として知られる。
2001年、「人力検索サイトはてな」をローンチ。2003年、キーワードシステムやIDトラックバック機能を備えたWeb日記サービス(ブログ)、「はてなダイアリー」が大きな成功を収める。このほかにもWeb百科事典サービス「はてなキーワード」、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」、はてなダイアリーの発展型である「はてなブログ」などをリリースした。
京都企業の年収ランキング
- 1位
- ジーエス・ユアサ コーポレーション 1129万円
- 2位
- SCREENホールディングス 913万円
- 3位
- 任天堂 903万円
- 4位
- 島津製作所 811万円
- 5位
- オムロン 804万円
任天堂を除き、電気機器・精密機器メーカーが並び、京都がものづくりに強いことが裏付けられているといえます。
(引用元:京都府の平均年収ランキング1位~64位の企業一覧【2019年最新版】)
京都で求められている職種・求人数の少ない職種
(引用元:京都労働局 求人・求職バランスシート&グラフ)
京都府全体で年間8,500万人以上の観光客が訪れる世界的な観光地であることから、宿泊・販売や飲食といった販売の職業・サービスの職業など観光産業に携わることのできる職種は求人倍率が高くなっています。
また世界的な大企業から中小企業まで、ものづくり企業が多いことや古来より続く西陣織や京友禅に代表される工芸品などの伝統産業も盛んであることから、製造業に関連する職種(専門的・技術的職業や生産工程の職業)でも求人倍率が高く、人材が求められています。
なお全国的な傾向ですが一般事務職が求人数の割に人気が高いため、京都においても事務職は求人倍率が低い=転職難易度が高い職種となっていて転職ハードルは高くなっています。
京都で大手企業や上場企業に転職できる?
京都には上述した村田製作所や京セラなど、多くの大手製造メーカーが拠点をおいています。こういった企業ではエンジニアや生産工程に携わる技術系職種から、人事や経理などバックオフィス系の職種も募集しているタイミングがあり、また下着メーカーとして有名なワコールなどBtoC企業でも総合職から販売職まで転職のチャンスがあります。
また普段はあまり耳にしたことがない企業でも、実は上場していたり従業員が多く売上規模の大きかったりする大企業もあります。
京都はITベンチャー・スタートアップが増加中!
京都大学を筆頭に大学が多く、学究都市として知られる京都には大学発のスタートアップやITベンチャー企業が多く所在していますが、京セラや日本電産が生まれた「ベンチャーの都」を復活させるため京都府や京都市がスタートアップ拠点都市に名乗りを上げ、産学官を問わずバックアップする動きもこの傾向を後押ししています。
今は有名になった京都のITベンチャーの草分けでもあるはてなや京都大学発の電気自動車(EV)を手掛けるベンチャー企業GLMをはじめ、人気ゲームアプリ「にゃんこ大戦争」などを手掛けるPONOSなど幅広い分野で活躍する企業が出てきており、これらベンチャー・スタートアップ企業に飛び込んでで自ら道を切り開いていくような志向を持った方にとっては、京都はチャンスが多くうってつけの環境といえます。
京都で転職を有利にするためには
転職で求められるスキルセットとは
スキルセットとは、職種やポジションによって必要とされる知識や能力のことを指します。
転職などの中途採用では、前職で得た知識・スキル・経験が、求められるスキルセットに合致しているかどうかが評価されます。
求められるスキルセットの中でも、京都での転職に有利に働くスキルセットをご紹介します。
営業スキル
営業スキルは、どの業界でも最も需要が高く、評価されやすいスキルの一つです。
営業はどの職種でも求められる基礎力を身につけやすく、営業力さえあれば、会社の利益を上げる総合力があると評価されやすい傾向にあります。
中でも、特にアピールすべき営業スキルは以下の通りです。
- 相手のニーズや課題を引き出す問題発見力
- 自社の製品やサービスが、相手の課題にどのように役立つかを説明するプレゼンテーションスキル
- 相手の意図を汲み取り、疑問を的確に払拭するコミュニケーションスキル
- 社内外の関係部署と円滑に連携し、目標を達成するためのプロジェクトマネジメント力
これらは、どんな職種でも必要とされる仕事の”基本スキル”といっても過言ではありません。
基礎がしっかりしていれば、業界や職種が変わっても応用が効くので、転職の際にも有利に働きます。
エンジニアスキル
エンジニアは人材不足に悩む業界であり、転職時にアピールしやすいスキルセットが多い職種なため、転職しやすい傾向にあります。
エンジニアとして、システム開発やインフラ構築といった分野の経験があれば、もちろん転職でも有利になりますし、職種によっては、未経験の分野でも専門分野のスキルさえ持っていれば、周辺技術や関連分野の知識だけで認められるケースもあります。
また、技術分野での経験が少ない場合には、コミュニケーションやマネジメントなどのスキルをアピールすることで有利になる可能性もあります。
さらに、技術動向や環境の変化に対応できるような人材が求められやすいので、常に最新の情報を収集しているようなマインドセットも評価されます。
安定を求めるなら地元の優良企業を狙う
営業スキルが活かせる優良企業
カンケンテクノ株式会社
カンケンテクノ株式会社は、京都府長岡京市に本社を置く企業です。
業界で唯一、大気圧プラズマ方式を採用した排ガス処理装置「VOC」の開発・設計・製造・販売・メンテナンスを行っています。
同社は、2022年に「京都中小企業優秀企業賞」製造業部門を受賞し、京都の産業振興に貢献する中小企業として評価されています。
中途採用も行っており、国内トップシェア40%を誇る排ガス処理装置の営業職とサービスエンジニアを募集しています。
営業職は技術営業であるため、経験が重視される傾向にあります。そのため、装置メーカー等での営業経験をお持ちであればおすすめの企業です。
株式会社GSユアサ
京都府京都市に本社を置く株式会社GSユアサは、「オートバイ用鉛蓄電池世界No.1」「自動車用鉛蓄電池アジアNo.1」のシェアを誇る電池の専業メーカーです。
世界初、電気自動車用リチウムイオン電池の量産開始をするなど、日本を代表する電池のリーディングカンパニーとして、グローバルに事業展開を行っています。
キャリア採用では、自動車メーカー向けのHEV用リチウムイオン電池の量産営業、拡販営業を募集しています。
応募資格もハードルが低く、福利厚生も豊富で安定しているため、京都への転職におすすめの企業です。
エンジニアスキルが活かせる優良企業
オムロン株式会社
オムロン株式会社、京都市に本社を置く創業1933年の歴史あるヘルスケア機器などの製造・販売メーカーです。
世界初・日本初の製品やサービスを多数生み出している企業で、電車に乗る際の券売機、自動改札機、無人駅務システムや、交通安全を守る信号機なども開発しています。
キャリア採用として、制御機器事業部の設計担当の募集などを行っており、エンジニアが活躍できる機会が多い職場となっています。
職務内容も自らの工夫と発想によって、商品の持つコストパフォーマンスを作り出す面白さがあるので、やりがいのある職種だと言えます。
さまざまな部門での募集があるため、自分の経験に合わせた職種への応募が可能となっています。
株式会社島津製作所
株式会社島津製作所は、京都市に本社を置く、計測機器や医用機器、また産業機器や航空機器などを開発・製造している企業です。
業界では大変有名な企業で、数多くの国内シェア1位の製品を作っており、海外売上比率49%と海外でも売り上げを伸ばしています。
キャリア採用枠では技術職として、質量分析計向けソフトウェアの開発などの職種を募集しており、4年制大学学部卒以上の学歴があり、Windows OSでのC++またはC#に関連するソフトウェアの開発経験を3年以上有していることなどが求められています。
京都への転職はこのエージェントがおすすめ!
京都のお仕事情報、地域情報を中心にお伝えしてきました。京都では、製造業から観光産業、ITベンチャーまで幅広い業種が盛んで求人数も多くなっています。
求人倍率も高く、転職活動もスムーズにいくと思いがちですが…。
情報を制するものは転職活動を制する!
プロの力を借りるために転職エージェントを使うことを考えてみても良いのでは?
転職エージェントって?
転職エージェントは、仕事を探している方と、働きたい人を探している企業の橋渡しをする サービスです。一度登録すると、キャリアカウンセリング、求人紹介、履歴書の添削、面接 サポートなど、転職に必要なサポートをすべて無料で受けられます。
京都で相談できる転職エージェントは?
多くの転職エージェントは、東京に大きな拠点を設けていますが、国内有数の都市である京都にも拠点を設けているエージェントは多数あります。ただ都合が合わない場合は、電話面談なども検討してもらえるので、まずは気軽に面談を申し込んでみると良いでしょう。
本当に無料なの?どうして無料なの?
転職エージェントサービスは、人材を紹介し、内定した時点で「仲介手数料」を企業側か受け取ることで、売上を上げています。そのため、転職希望者側には一切費用がかからず、 手厚いサポートを受けて転職することができちゃうんです!
京都での転職希望者が転職エージェントを活用するメリット
京都での転職を目指す方が、転職エージェントを活用するメリットは、2つあります。
① 「転職エージェントは、大手企業&優良企業の案件を握っている」 転職エージェントは、大手企業や良い条件の企業を多く握っており、求職者の経歴に合わせて、おすすめの求人をピックアップしてくれます。そのため、自力で探す場合と比べて、効率が良いのです。名古屋では良い求人は奪い合いになるので、優良求人を持っているエージェントとのお付き合いが欠かせません。
② 「希望を丁寧にヒアリングしてくれる」 これまでお伝えしてきたように、どんな仕事でもある東京と比べて、京都の転職案件には特徴があります(事務系の仕事が少ない、サービス業が盛ん、ITベンチャーの求人に期待できる 等)
あなたの希望条件と、地域の傾向を上手にマッチングさせて、転職活動を進めるのはやや骨の折れる作業です。 しかし転職エージェントは、転職に成功した人も失敗した人も多く見てきているので、あなたの希望を丁寧にヒアリングして、より希望に合った求人を提案してくれ ます。そのため、自力で頑張る場合と比べて、攻略しやすくなるのが特徴でしょう。
転職エージェントの裏側
繰り返しになりますが、転職エージェントは、仲介手数料をもらうことでビジネスが成立し ています。なので、担当コンサルタントは、売上を上げるために、「自社の紹介案件から、 転職をしてもらう」のが一番の目標です。
(転職エージェントを利用した方が、強引さを感じたりする声もあるようです。しかし、ほとんどのコンサルタントの方は優しいですし、書類作成など上手にリードしてくれますよ!)
このことに抵抗感を感じる方もいるかもしれません。しかし、転職エージェントとあなたは、 「内定を獲得する」という点において、目的が一致しています。うまくお付き合いすれば、 あなたにとって理想の職場を入るお手伝いをしてもらえるということ。うまくお付き合い して、あなたにとって理想の職場への道が開ければ、Win-Winですよね!
京都での転職におすすめの転職サイト・転職エージェント
以下でご紹介するのはいずれも京都の求人に強い転職サービスです。
サービスによって得意分野が異なりますのでご自身の状況に合わせて使い分けてください。
※ 評判の転職サイトなら大丈夫、というわけではありませんのでご注意ください。
例えばtype転職エージェントは京都の求人に対応していません。
- 地元京都の大手や京都に支店を持つ有名企業への転職を目指す
- リクルートエージェント
- 外資系企業の京都営業所を志望
- doda
大手企業の支店や京都地元大手への転職ならリクルートエージェント
業界最多の30万件を超える求人数で、京都ももちろんカバー
業界最多の30万件を超える求人数。営業所が多く、京都大手の求人にも強いです。
利用者の口コミ
- 34歳 男性
最大手だけあって面談にいくといきなりすごい量の求人票を提出されます。
- 28歳 女性
やっぱり求人数は魅力的。期待を裏切らない内容でスムーズに転職できました。
- 30歳 男性
求人票はたくさんいただけるのですが数が多すぎて、吟味するのに少し時間がかかりました
外資系企業の地方営業所を狙えるdoda
国内最高峰のエージェントであり、レジュメバンク。
外資のリクルーターも利用するというdoda。有名外資系企業の京都営業所を狙うならおすすめです。
利用者の口コミ
- 33歳 男性
外資のリクルーターがダイレクトソーシングに利用していたようでオファーを受けた。見られることを意識してレジュメはしっかり登録すべきかと思います。
- 31歳 男性
求人の数が多く、かなり高年収のものもあった。職務経歴書の添削を受ける事もできるのが良い。
- 27歳 女性
エージェントサービスを利用しました。キャリアアドバイザーとLINEで手軽に連絡取れるのはよかったです。