雇用保険の基本手当(失業手当)


ライター:奥野 佑樹
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この記事では、雇用保険の基本手当(失業手当)について解説します。

 

基本手当(失業手当)とは?

基本手当(失業手当)とは、雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給される手当のことです。

基本手当(失業手当)を受け取る条件

基本手当(失業手当)は、雇用保険に加入していることに加え、以下2つの条件を満たしている必要があります。

条件1:雇用保険の加入期間が過去2年間で通算12ヶ月以上ある

基本手当を受け取るには、雇用保険の加入期間が離職前の2年間で通算12ヶ月以上必要となります。

例外として、「特定受給資格者」または「特定理由資格者」に認定されると、受給条件である被保険者期間12ヶ月以上必要とされる条件が、期間が短縮されて6ヶ月以上に緩和されます。

条件2:ハローワークで求職の申込をおこない、積極的に転職活動している

基本手当を受け取るためには、仕事に就く意志と能力があることも必要となります。

具体的には、ハローワークで求職の申込をしたうえで、公的職業訓練を申し込んだり、求人に応募したり、面接を受けたりする必要があります。

仕事に就く意志と能力があると認められない方は、基本手当の給付対象となりません。


けがや病気の治療のため、すぐには仕事に就けない方
妊娠・出産・育児のため、すぐには仕事に就けない方
定年などで退職し、しばらく休養するつもりでいる方
結婚を機に退職し、しばらく家事に専念するつもりでいる方、など

基本手当(失業手当)を受け取れる時期

基本手当は、申請してすぐに受け取れるわけではありません。

自己都合退職の場合、受け取るまで通常はおよそ3ヶ月かかります。

しかし、仕事を辞めた理由によって、初回の基本手当を受け取るまでの流れが異なり、早く受け取れる場合があります。

詳細はこちら

失業手当で給付される額

失業手当の金額はおおよそ離職前の給与の50%~80%と言われており、離職前の給与水準が低かった方ほど給付率が高く設定されています。

計算方法は以下の通りになります。

(1)賃金日額を計算する

賃金日額 = 離職前6ヶ月間に支払われた給与*の合計額 ÷ 180日

ただし、賃金日額には上限と下限があるため、上記の計算式で求めた金額が上限額を上回る場合には上限額を、下限額を下回る場合には下限額を賃金日額とします。

上限額
29歳以下 13,700円
30~44歳 15,210円
45~59歳 16,740円
60~64歳 15,970円
下限額
一律 2,574円

※参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和2年8月1日から~|厚生労働省

(2)基本手当日額を計算する

(1)で求めた賃金日額に所定の給付率をかけて基本手当日額を求めます。

基本手当日額 = 賃金日額 × 50~80%

基本手当日額の給付率

賃金日額 給付率
2,574円以上、5,030円未満 80%
5,030円以上、12,390円未満 80%〜50%
12,390円以上 50%

※離職時の年齢が60歳を超える場合、賃金日額11,140円に対し、給付率45%となります。

また、基本手当にも限度額があります。

基本手当日額の上限と下限

離職時の年齢 上限額
29歳以下 6,850円
30~44歳 7,605円
45~59歳 8,370円
60~64歳 7,186円

下限額は、一律2,059円になります。

※参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和2年8月1日から~|厚生労働省

(3)支給総額を計算する

(2)で求めた基本手当日額に給付日数を掛けます。
これで、失業手当の支給総額がわかります。

支給総額 = 基本手当日額 × 給付日数

給付日数は仕事を辞めた理由が自己都合か会社都合かによって異なります。

自己都合で離職した場合の給付日数

離職時の年齢 雇用保険の加入期間
10年未満 10年以上
20年未満
20年以上
65歳未満 90日 120日 150日

会社都合で離職した場合の給付日数

離職時の年齢 雇用保険の加入期間
1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上
35歳未満
90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上
60歳未満
90日 180日 240日 270日 330日
65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

まとめ

雇用保険の基本手当(失業手当)は、一度企業に務めていた人であれば大抵の人が受け取ることが出来る一番メジャーな手当です。
記事内にも書いた通り、受け取りまで3ヶ月ほどかかってしまうのがネックですが、条件を満たすことですぐ受け取ることが出来る裏技的なテクニックも存在します。

その方法もこちらの記事で解説しています。
ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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