住宅営業きつい、もう辞めたい!ハウスメーカーから異業種へ転職するには?


ライター:Sota Katakawa

人生で最大の買い物である新築一戸建て。このマイホームの販売を生業とするのがハウスメーカーですね。お客様の一生に一度の買い物をサポートする住宅営業職は素晴らしいお仕事だと思います。しかしその実態は・・・

 

過酷な労働環境、高い離職率

しかし御存知の通り実態は離職率が高く、慢性的な人手不足

大手ハウスメーカーは新卒でも毎年大量に募集しています。上場企業としてイメージのよいTVCMが常時流れていますので大学生はその先入観のまま入社しますが、過酷な営業の実態や意外と古い業界の体質にギャップを感じ3年以内に50%が離職するともいわれています。
タマホームやミサワホームのような大手企業でもどんどん営業が退職していきます。

だからどの企業も常時営業の中途採用を募集しています。
未経験でもやる気さえあれば内定をいただけます。(他業種での営業経験があると合格率はなお高くなる)中には職務経歴書は不問で、履歴書のみで大丈夫という企業もあるほどです。

以下はリクナビNEXTで未経験歓迎のハウスメーカー求人数です。
2019年11月現在で199件もの求人があります。

リクナビNEXTの求人の中でも特に目立つのがパワービルダー(※)系住宅メーカーの求人です。
一般的な新築一戸建て相場よりも1,000万円近く安く販売するパワービルダーですが、安くできるのは大量に販売しているからこそ。彼らがいかに営業に力を入れているかが伺えます。

※パワービルダーとは
パワービルダーとは、一般には住宅一次取得者層をターゲットにした床面積30坪程度の土地付き一戸建住宅を2,000~4,000万円程度の価格で分譲する建売住宅業者を指している和製英語である。
(出典:Wikipedia

なぜこれほど離職率が高いのか?

住宅営業の離職率が高いのには理由があります。

(1)ノルマが厳しい

パワービルダー系なら2ヶ月に1棟、大手ハウスメーカーなら3ヶ月に1棟がボーダーラインとされますが、そもそも新築一戸建てがそう簡単に売れるわけがありませんよね。

(2)コミッション(歩合)偏重で、低い基本給

もちろん30歳で年収が2,000万円を超える方もいますが、そんなスーパー営業マンはごく一部。前述のノルマを達成できるのは全体の1割程度だといわれています。中には15万円足らずの基本給しか受け取れない方も。

(3)休みが少なく、ワークライフバランスが悪い

住宅営業担当は売れてからの工務店との打ち合わせに同席したり施工後のアフターサポートで訪問したりと大忙し。その全てを顧客の都合に合わせて動かなければなりませんから、暦通りにお休みを取れることがまずありません

筆者も業種こそ違うもののさっぱり売れない営業マンを新卒から3年間経験しておりますので、こうした事情がつもりつもってもう辞めたい・・・と思う気持ちをとてもよく理解できます。
でも、ご安心ください。営業として苦労した職歴が無駄になることはありません。住宅営業を通じての経験は転職活動でも、転職先でも活かせます。

他の職種の離職率と比べても高いのか?

厚生労働省発行による令和元年上半期雇用動向調査概況の産業別入職・離職状況によると、離職率は8.6%で、全体平均が8.6%という点を見るとちょうど平均的な離職率になります。

令和元年上半期雇用動向調査概況産業別入職・離職状況
(出典元:厚生労働省 令和元年上半期雇用動向調査概況

サービス業の離職率が軒並み10%を越えているため低くは見えますが、サービス業を除けば高い離職率の分類に入ると思います。

ハウスメーカーの営業経験者が年収を下げずに転職するには?

ハウスメーカーの方が年収を下げずに転職するにはどうしたら良いのでしょうか?
ポイントは「現職での経験を活かせる会社に自分を売り込む」ことです。
現実的な選択肢は以下の3つがあります。順番に解説していきます。

  1. ハウスメーカーでも職場環境が良いところを選ぶ
  2. ハウスメーカー以外の営業という選択肢
  3. 営業そのものがもう嫌だ、という方へ

※ クリックでジャンプします

(1)ハウスメーカーでも職場環境が良いところを選ぶ

注文住宅や建売物件に関する現在の知識や経験を活かせる同業種があるならば何よりの解答です。
この時の条件としては以下の通りです。

  • 独自の施工方式、パッケージを持っているハウスメーカーを選ぶ
  • 顧客からの評判の良いメーカーを選ぶ
  • 大量販売のパワービルダー系は避ける

実際、ハウスメーカー業界の優良(ホワイト)企業ランキング1位~27位の会社一覧【2019年最新版】によると以下のような順位になっており、いずれも特徴的な商品や施工方式を持ち合わせていることがわかります。

ハウスメーカー業界の優良企業ランキング

ただこれらの企業はいずれも大手で、リクナビNEXTなどの求人サイトではなかなか募集がかかりません。
リクルートエージェントマイナビエージェントなど、大手ハウスメーカーの求人の扱いがある転職エージェントに登録することをおすすめします。

自己PRの例

私は◯◯株式会社の住宅営業として、◯◯県で3年経験を積みました。最終的に販売したのは4棟でしたが、新卒から厳しく鍛えていただきました。今回応募させていただきましたのは、ここ1年の中で御社と競合して最終候補まで残ったのに最後の最後で負けてしまった経験が続いていたからです。
住宅営業の私からしても御社の商品はピカイチです。◯◯県の土地勘には自信がありますし、ぜひこれまでの経験を活かして御社の家を販売させていただきたいと考えております。

POINT

自己PRの際に前職を悪く言い過ぎないこと。大手ホワイト企業とはいえ、古くから営業気質の会社であることに変わりはありません。「売れない理由を商材や環境に求めるタイプ」と判断されないように気をつける必要があります。

厳しいからこそ、職場環境が重要

(2)ハウスメーカー以外の営業という選択肢

住宅営業のハードさは採用側でも耳にしているところで、そこで鍛えられた方で1棟でも売れた経験があるのであれば異業種でも十分に歓迎されます。

「新規開拓もノルマも辛いハウスメーカーの営業はもうこりごりだけど、営業の仕事自体は続けたい」という方は珍しくありません。むしろ住宅営業の方の転職は他業種の営業を選ばれる方が多いです。

例えば食品メーカーのルートセールスならば新規開拓の必要はありませんし、イオン銀行などの振興系金融機関の住宅ローン部門なども前職での経験を活かせる有力な転職先となります。

この場合も年収を下げないために転職エージェントを利用しましょう。

  • 自分の経歴にマッチした大手企業の求人を紹介してもらえる=年収が下がりにくい
  • 給与交渉を代行してくれる

特にリクルートエージェントは都市部・地方問わず営業系の求人に強く、おすすめです。

自己PRの例

株式会社◯◯の住宅営業として、◯◯県で3年経験を積みました。最終的に販売したのは4棟でしたが、新卒から厳しく鍛えていただきました。あるお客様で住宅ローンご選択をお手伝いする機会があったのですが、その時から御社の金融商品とセールス担当の方を非常に魅力的に感じており、今回求人をお見かけして思い切って応募いたしました。
住宅営業を経験しておりますので、マイホーム購入直前の方の気持ちに寄り添えるセールスパーソンとして、御社のお役に立ちたいと考えております。

POINT

仮にセールスとして大成していなくても問題ない。大事なのは「応募した前向きな動機」と「これまでの経験がどのように役立つか」を簡潔かつ具体的に説明できていること。

(3)営業そのものがもう嫌だ、という方へ

では、どんな業種であっても、ホワイト企業であっても、ノルマをかかえて数字に追い回されるのはいやだ。もう営業はやりたくない、という方はどうすればよいのでしょうか。

この場合、営業として販売の現場を見てきた経験が活かせる職場であることが前提となります。
一番採用されやすいのはハウスメーカー他社のマーケティング職や人材開発部門への応募です。

具体的な進路としては「①販促系の仕事」(特にWeb系。例えばWebマーケティング担当者Webディレクターなど)もしくは「②人事系業務」(例えば新卒採用アシスタントや教育研修担当者など)がおすすめ。

いずれも営業として培った現場感覚を活かして働ける仕事です。

このような進路を選択するときは、マイナビジョブ20’s(トゥエンティーズ)など「未経者験歓迎の求人」に強い転職エージェントをおすすめします。

一般の転職エージェントではこちらの希望を伝えてもエージェントは内定率の高い営業職に誘導したがる傾向がありますが、未経験特化のエージェントならその心配はありません。

※ 20代ならまったくの異業種への転職もノーチャンスではない

もしあなたが20代ならば、住宅メーカー以外でも採用していただくチャンスは十分にあります。
やはり「①Web販促系の仕事」「②人事系業務」という軸でご検討ください。

例えば不動産や住宅系の案件に特化したWeb制作会社に転職を目指す。
このようなケースでは「実際にたくさんのエンドユーザーにお会いして、生の声を聴いてきた」という経験は評価されますので、専門知識の無い未経験者でもチャンスあり、です。
入社後もエンドユーザーの立場にたった企画ができるWebディレクターとして、努力次第では早期に職場に溶け込むことができることでしょう。

第二新卒」「20代向け未経者験歓迎の求人」がキーワードになると思われますので、やはりマイナビジョブ20’s(トゥエンティーズ)の利用をおすすめします。

自己PRの例

私は株式会社◯◯の住宅営業を担当しておりました。最終的に販売したのは4棟と、営業成績はふるいませんでしたが、毎日必ず1件はお客様先を訪問するようにしていましたし、休日返上でお客様とゴルフに出かけるなど考えられる最大限の努力を3年間続けて参りました。
営業としては自分の限界を感じていますが、住宅営業として売れる方と売れない方の違いは十分に見てきたつもりです。ですから今度は採用と人材育成分野でこの経験を活かして、売れなくて苦労している若いメンバーを一人でも助けてあげたいと思っているんです。御社は業界でも人材開発や研修に力を入れていらっしゃるとお伺いしておりましたので、今回人事部門の求人にご応募させていただきました。

POINT

異業種への転職を含めて、営業からのキャリアチェンジは決して不可能ではありません。ただし多少の年収ダウンは避けられないのでそれは覚悟すること。

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たとえいま成果がでなくても、住宅営業として苦労した経験はどこかで報われる

筆者も新卒でバリバリの営業会社に入社したのですが、さっぱり受注を取れず、当時は心身ともにとても辛い思いをした思い出があります。(結局最後まで目が出ずにボロボロになって退職しました)

その後は異業種のWeb系の会社にキャリアチェンジし2020年で社会人15年目になりますが、最初の会社で売れない営業として苦労したからこそお客様の心情やなかなか成果が出ない後輩の気持ちがわかりますし、振り返ってみるとあの時のおかげで今があると思えます。

だから、みなさんが住宅営業として努力なさっていることも決して無駄ではないと断言できます。
いつか必ず報われます。皆さまの転職活動の成功をお祈りしています。

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