「Rubyの求人が少ない」のはオワコンだからなのか?確認してみました

スキルアップや環境を変えるためにそろそろ転職したいけど、
巷では
Rubyはオワコン説
Rubyの求人案件減っている説
がまことしやかにささやかれており、次のステップに踏み出せない方も多いのでは…?

Rubyは人気の高い言語である一方、求人が少ないというお話もよく聞きます。

2019年7月に海外のテックキャリア系求人メディアDiceへ掲載された、「5 Programming Languages That Are Probably Doomed(おそらく先がない5つのプログラミング言語)」の中でもRubyが挙げられ話題になっていました。

今回は日本のRuby求人数から、その情報の真偽を確認してみることにします。

 

そもそもRubyの長所とは

今後のRuby・Ruby on Railsの需要動向予測について、開発者のまつもとゆきひろ氏はご自身のカンファレンスで以下のように語っています。

「自分のアプリケーションを新しい技術・言語・新しいフレームワークでやってみよう」という人に話を聞いてみると「プロトタイプはそれでやってみました」「いくつか試してみたけど、結局Rubyに戻ってきました」という人が、けっこういるんです。

新しい言語、新しいやり方はすごくおもしろいけど、例えば「〇〇するライブラリがなくて自分で作らなくちゃいけなかった」「情報が少なくて、Webを探し回ってもあまり見つからない」「ソースコードを読まないといけなくてつらかった」と。

安定性とか安心感、あるいはビジネス上の価値。結局(今まで)問題だと思ってた部分は新しい技術によって対応されたけど、それ以外の問題がどんどん発生して、トータルのビジネス上の価値としてはどうなの? ということが起きがちなんです。そうすると、場合によっては信頼と実績のRubyとRuby on Railsに戻ってくるということが、よくあるわけです。

RubyとかRuby on Railsだと、簡単なWebアプリケーションをすぐ作ったり、あるいは、さまざまなジャンルで実際の適用例があるので、なにか困ったとき同じ問題に直面した人を探せたり、あるいはその問題を解決するRubyGemsを見つけられる。そういう点でいうと、トータルの生産性はかなり高いことがあるんですね。

なので、テクノロジーとしては、2010年代にどんどん新しく出てきた言語が持ってるあの機能がないとかこの機能がないとか、そういうカタログスペック上の欠点があるように思えても、トータルの生産性あるいは効率の良さを考えると、Ruby on Railsのビジネス上の価値は、実はそんなに下がっていないと思うんです

(引用元:“Rubyは死んだ”のか?まつもとゆきひろ氏が語る「プログラミング言語サバイバル」とRubyの未来

まつもとゆきひろ氏も言及している通り、
Rubyは日本人が開発したプログラミング言語のため、日本語のドキュメントや書籍が充実していて生産性が高いのが長所ですよね。

Rubyはなぜ「オワコン」だと言われているのか?

Ruby on Railsが機能面で素晴らしいのは、シンプルで書きやすい言語なのにオールマイティで、Webサービスのプロトタイプ開発に秀でているところです。しかし1995年の公式リリース以来の時代の流れの中で、その長所が失われつつあるのではないか、と言われ続けています。

オールマイティさゆえの歯がゆさ?

何年か前は「Ruby on Railsを身につければ何でもできる」とまで言う方もいらっしゃいました。
しかしRubyのオールマイティさは時に「強みがわからない」という表現に言い換えられることもあります。

PHPに対しては、文法が自由すぎる(コーダーによって全く異なるコードになってしまう)ため保守性に劣り、機械学習に対する開発機能においてはPythonにお株を奪われています。

メリットのひとつだったActive Recordの利便性もFirebaseに置き換わりつつあります。

Rubyの強みは何

TwitterがRubyからScalaに移動したこと?

Ruby on Railsにより開発されて成功をおさめたWebサービスは数知れず。

eコマース界の巨人であるShopifyや2014年にマザーズ上場を果たしたクラウドワークスの他、世界的ユニコーン企業であるAirbnbも初期のころからRuby on Railsを使っています。

ところがRuby開発者にとってショッキングだったのは、TwitterがRuby on RailsからScalaに移行してしまったことです。
これにより、Ruby on Railsはビジネスをスケールさせるのに向かないという心理的なイメージが蔓延してしまいました。

確かにRubyはもともとパフォーマンスに優れているわけではなく、大量のトラフィックを高速で処理するのには不向きです。
Twitterの1件がきっかけとなり、Node.jsPhoenixのように高性能な技術と単純なスペックで比較されるようになってしまった向きがあります。

 


 

英語圏のテックメディアでたびたび報じられるように英語圏のRuby求人数は減少しています
今後世界的な需要が少しずつ減少する言語と捉えておいたほうがよさそうです。

しかし、Rubyは日本発祥の言語であり国内のコミュニティの結束力も強く、少なくとも日本での需要は当面は続くとの見方もあります。

それでは実際、日本におけるRubyプログラマの求人数はどれくらいでしょうか?

Rubyプログラマの求人数を見てみよう

株式会社ビズリーチが運営する求人検索エンジン「スタンバイ」の調査によると、Rubyプログラマの平均年収は550万円求人件数は11,676件です。まだまだ人気は衰えていないように思えます。

それではなぜRubyの求人が少ないと言われるのか?転職サイトで求人を調査したところ、ある傾向があることに気づきました。

結局、地域性に左右される

結論から言うと、Ruby,Ruby on Railsの需要は、仕事を求める地域に大きく影響されることがわかりました。エンジニア系、Web系を中心に扱う求人サイトGreenで調査したところ、地域別の「Ruby」を含む求人数は以下のとおり。

求人数調査(Ruby × 地域)の掛け合わせ

地域 企業数 求人数
東京 705 1,621
大阪 77 125
愛知 28 37
神奈川 63 117
福岡 42 67
北海道 23 37

(2019年11月調べ)

実際の画像(東京)

一方、機械学習で人気が高まる「Python」で検索すると以下のとおり。

求人数調査(Python × 地域)の掛け合わせ

地域 企業数 求人数
東京 670 1,498
大阪 84 135
愛知 29 41
神奈川 69 112
福岡 40 57
北海道 20 28

(2019年11月調べ)

同じ条件で、安定的な人気のある「Java」を検索したところ、以下のとおり。

求人数調査(Java × 地域)の掛け合わせ

地域 企業数 求人数
東京 1,618 4,014
大阪 239 489
愛知 107 181
神奈川 203 432
福岡 96 143
北海道 61 100

(2019年11月調べ)

これを見て謎が解けた気がしました。

Python、Javaと比べても都内におけるRubyの求人数は見劣りしません。

しかし3言語のうち、東京と他の地域との求人数の差が最も大きいのはRubyだったのです。

背景として、以下のような要因が考えられます。

  1. Ruby誕生の地である日本では、ドキュメントが充実していることもありRuby求人はまだまだある
  2. Ruby(Ruby on Rails)の強みはパフォーマンスではなくプロトタイプの開発における優位性・短期性
  3. [1]と[2]が複合して、日本のスタートアップが集中する東京ではRuby求人が豊富

Rubyの求人内容のほとんどがRuby on Rails案件であったことも付け加えておきます。

ここからは筆者の感想ですが、結局のところプログラム開発言語は適材適所、要件によって選ぶべきものだと思います。

Ruby on Railsはたしかに最新の言語のパフォーマンスを最大限活かす、という設計思想のプロダクトには不向きです。
しかし、技術ではなくサービスの優位性を重視して速やかにプロトタイプを世に送り出したい、ユーザーの反響を知りたい、ということであればまだまだ需要はあるということなのでしょう。

今回の調査を通じ、Rubyをオワコン扱いするのはまだ早計ではないかなと感じています。

東京での需要はまだまだある

まとめ

Rubyは世界的には下降トレンドにあるものの、2019年時点の日本においてはPythonと同じくらいの需要があることがわかりました。

求人数においては東京の一極集中傾向が読み取れるため、
Rubyを書きたいエンジニアの方は、東京都内での転職や、東京の案件にリモートでjoinする道を考えるとよさそうです。

そもそもRuby on Railsの最大の強みのひとつはプロトタイプ開発に適していること。
その意味でWeb系スタートアップ系企業はRubyエンジニアの強みがもっとも活かせる環境といえるかと思います。

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大幅な年収アップが期待できるWeb系スタートアップ求人を狙っているのであればGeeklyと使い分けるといいと思います。

おまけ:フォローしておくべきRuby関係者のTwitterアカウント

@yukihiro_matz
まつもとゆきひろ氏。もやは説明不要、Rubyを開発した天才。
@takahashim
高橋征義氏。(株)達人出版会代表取締役、日本Rubyの代表。高橋メソッドの生みの親としても知られています。
@yugui
園田裕貴氏。まつもとゆきひろ氏と共にRubyのバージョンアップに関わっていました。「初めてのRuby」の著者。
@arton
Ruby関連の優良図書を多数出版されている方です。

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