MRへの転職は、超狭き門!?需要減と制約のなかでどう立ち回る方がコツ


ライター:中村めぐみ

「MR」のへの転職といえば、医療系ドラマや映画の影響から、「薬を売るためには、権力に従わなきゃいけないのかな…」「医師の接待のために体を張らなきゃいけない」とのイメージをお持ちの方も多いでしょう。

とはいえ、高年収が期待できそうな職種でもあり、国内大手製薬会社(武田薬品、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、エーザイ…)で働く自分の姿を想像すると、挑戦したい気持ちになりますよね。

実は、冒頭で挙げた過剰な接待や、権力に従うというイメージは、厚生労働省の指導のもと取り締まられる動きにあります。しかしその分、売り上げアップのための「工夫」が求められる職種でもあります。

そこで今回は、MRに興味を持ち、転職を志す貴方へ、その仕事内容や、転職に結び付く志望動機の書き方や、面接対策をお伝えいたします!それでは本編へ。

規制で変化するMRの仕事内容

POINT

  • MRは、製薬会社が扱う医薬品の情報を、医師・薬剤師などの医療関係従事者に提供する仕事
  • かつては、実際の価格交渉・納品もMRの仕事だったが、医師との濃すぎる関係性(要は度を越した接待文化)などにより法の下規制されてきた。訪問規制が敷かれている病院もある
  • 実際の価格交渉・納品はMS(Marketing Specialist)がおこなう
  • とはいえ、規制をかいくぐってWEB面談を行うなども出来、やはり「情報提供の質」と「人間関係」の両立が重要な仕事

MR(Medical Representative)は、自社(製薬会社)が取り扱う医療用医薬品についての情報を、医師や薬剤師などの医療関係従事者に提供すること。また、医療関係者を招いた講演会や製品説明会、懇親会のセッティングなども担う。その目的は、自社の薬品を多くの病院で取り扱ってもらうためです。

かつては価格・納品交渉もMRが担当していましたが、過熱する接待によるトラブルがたびたび発生。1976年の製薬企業倫理綱領の制定や1991年の独占禁止法の施行をはじめとした行政の介入・指導により、MRの業務内容は時代とともに制限されてきました

現在は、価格や納品の交渉は、製薬会社ではなく、卸売会社のMS(Marketing Specialist)が行います。MRとMSは互いに連携を取りつつ、医薬品の提供を進めていきます。また、実際のMRの仕事は、「あくまで医薬品の正しい取り扱い方を先方に共有すること」と定義づけられます。

また、MRに近い役割の職種であるMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)にスポットライトが当たっており、2010年代前半から求人数も増加しています。

MSLとは、医学・科学的なエビデンスや高度な専門知識をもとに、医薬品の情報提供を支援する職種です。MRとの違いは、安全性を担保する「ノンプロモーシャル」な部署に属していることです。またMRが取り扱えない臨床試験や適応外の情報についても取り扱うことができます。これらの情報提供の際、MRは席を外さなければならないという決まりもあります。

このようにMRの業務範囲は時代の流れとともに狭まり、病院への営業行為への規制は厳しくなる一方です。訪問規制や、完全アポイント制を敷いている病院もあります。とはいえ、WEB面談は行えるなど「工夫のしがい」はあるため、限られた中でより効果的に自社の医療情報を提供するのが、MRに求められている仕事です。

ぶっちゃけ年収はどうなる?MRのお仕事

大手求人サービスブランド「doda」を運営するパーソルキャリアの調査によると、MRの平均年収は、平均:709万円

性別ごとでは、

  • 男性:750万円
  • 女性:560万円

年代ごとでは、

  • 20代:515万円
  • 30代:710万円
  • 40代:957万円
  • 50代~:1028万円

となっています。

これは、営業系の中でも最高水準であり、ノルマのゆるいと言われるルートセールス(403万円)と実に300万円以上の開きがあります。年収が高水準となるのは、専門性の高い職種であり、実質高難易度の資格取得がマストであることが挙げられます。

この年収を見て、「製薬会社すごい!今すぐ転職したい!大手に行って経歴映えさせたい!」と思う方もいらっしゃるでしょう。「資格を前提とした高収入」ということで、将来的にも安泰に思えるかもしれません。

しかし、転職Doは、そんなあなたに「ちょっと待った!」をかけます。

その考え、ちょっと待った!

今から我々がお伝えすることを、じっくり、一文字一文字読んで、それでも転職したい方はMRの転職を目指してください。

MRへの転職を目指すにあたって考えておきたいこと

理由1:MRの人数は減少傾向。求人が少ないです

前半で、MR職は法の下規制され、現在はかつてMRが担っていた「価格交渉・納品」業務はMS(Marketing Specialist)の領域となったことをお伝えしました。このことから言えるのは、MRのポスト自体が減っているということです。

ここ2年は、「製薬会社にとって重要な販路だった希少疾患に対する新薬が、2018年に行われた薬価算定の改定により以前のような売上が見込まれなくなった」など、さらなる逆風が吹き荒れています。

理由2:大手は超プロパー(新卒からいる人)主義。運よく転職できても上には行けません

また、製薬会社といえば、武田薬品、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、エーザイなどの大手企業が挙げられますが、これらの大手企業は実質プロパー(新卒から正社員として働いている人)主義です。

転職Doの調査では、某大手求人サイトに登録されているMRの求人約100件のうち、大手5社に該当するものは0件でした。ここから予測できるのは、「大手の中でもMRになりたがる人はいっぱいいる(だからポジションが空かない)」ということ。

運よく入社できたとしても、プロパー主義の中で競争に勝つのは困難であり、どんなに優秀な方でも、管理職の厳しい道と捉えるのが良いでしょう。

そのため、これから転職でMRになりたい方は、実力主義の外資系、ベンチャーを狙って一念発起した方が、将来的に責任のあるポジションに就ける可能性も高まります。

理由3:業界体質が古く、働き方は改革できにくい。女性が続けにくい!

また、製薬業界自体が、一般的に言われる「古い体質」というのも、MRの仕事がきつい理由のひとつです。冒頭でお伝えした通り、過剰な接待などは取り締まられる傾向にあります。しかし依然として、業界の体質としては古いものであり、働き方改革が進みにくいのが現状です。

MRの顧客は、担当エリアの医療機関の医師となりますが、大学病院・総合病院であれ、多くの医師は日中の時間、多くの患者さんを抱えています。そうなると、医師に会える時間は診療時間後に限られてきてしまい、帰宅時間も遅くなりがちです。また医師に会える時間を取ったり、講演会を開くために土日が仕事でつぶれるのもMRあるある話であり、プライベートの時間を充実させたい方には向かない仕事と言えるでしょう。

理由4:受験資格を得るのも狭き門!必須資格の「MR認定試験」

経験者の方はご存じかと思いますが、MRの求人には、応募の必須条件に「MR認定試験」を対象としているものが多くみられます。

MRとして働くにあたり、厳密に言えば必ずしもこの試験の通過が必須なわけではありませんが、営業先(医師・医療従事者)がプロフェッショナルである以上、社内的な評価も得られにくいと言えるでしょう。

「MR認定試験」は新卒採用で入社した社員が、半年から1年かけて会社にみっちりと教え込まれて獲得する難関資格です。

またMR認定試験の受験資格自体が、登録企業(製薬会社)での導入教育を終えている方か、教育研修施設で基礎教育300時間を受講し、修了認定している方のいずれかに該当する方を対象としています。

この教育研修施設に該当するのは、東京都東五反田にある「医薬情報教育研究所」のみ(※2019年8月現在)。そこで300時間の修了認定をしてはじめて、MR認定試験への挑戦資格も得られるのです。そのため、「MRになる資格を得る」のも狭き門と言えます。

そのためMR職自体が未経験の方は、今からMRになるのは大変ハードルが高いです。そのため、未経験からMRを目指す方は、業界内の異業種とも言える医療機器会社営業に目を向けてみてはいかがでしょうか?

【補足】
現在、医療情報教育研究所では、未経験且つ社会人の方向けに「GWお盆コース」として、150時間の研修プログラムと150時間の宿題の完了により、修了認定をするコースを設けています。費用は25万円で受講できるため(2019年現在の情報)、どうしてもMRを目指したい方はこのコースの受講を検討しても良いかもしれませんね。

そう簡単にはいかないMRへの転職・・・

いかがでしょうか。ここまで、MRの転職を思いとどまってもらいたい理由をお伝えしました。(もちろん、現職で既にMR資格をお持ちの方は、転職へのハードルはぐっと下がりますね)

それでも、MRへ転職したい方へ、ここからはMRのやりがいや、転職に挑戦する場合の職務経歴書、面接のポイントをお伝えします!

「製薬会社と、医療機関の両方に関われる仕事」MR職のやりがいとは?

たくさんの苦労があるMR職ですが、そのやりがいは、「多くの方と信頼関係を結べる仕事」であることが挙げられます。

営業先である医療機関はもちろんのこと、実際の販売業務を担当するMSや、MSL担当者と連携し、信頼関係を結ぶことで、売り上げアップが目指せます。そして卸業者、社内研究員ら社内の人間と、医師や薬剤師ら社外の人間を適切に結びつけ、様々な利害関係のなかで結果をマネジメントする能力こそ今後のMRに求められる能力と言えるでしょう。

つまり、営業のスキルだけを磨いても、今後もMRとして結果を残し続けることは難しいです。外向きの営業だけではなく、今後は決められたルールのなかで最大値を引き出せる工夫と、ルールから逸脱しない自制心が求められるだろう。

MRになりたいあなたの自己PR。職務経歴書は、「なんの専門家か」「どのように医療機関と関わってきたか」を語ろう

ここまではMRの仕事内容や、やりがいや辛さについてお伝えしました。ここからは転職に具体的に役に立つアイディアをお伝えします。

MRの仕事に就くためには、まずは職務経歴書の自己PRを固めましょう。

製薬会社は専門性の高い業界ですが、MRの仕事内容は基本的にほかの営業マンと変わりません。そのため差別化が難しい領域でもありますが、これを逆にチャンスと捉えます。なぜなら、たとえ所属する企業が異なっても、前提となる「辛さ」の面は、面接官や応募先企業とシェアできているからです。

そこで重要なのは、「どのエリアで」「どの規模の医療機関と」「何件担当し」「自分なりにどう工夫したか」を明確に盛り込むことです。

【自己PR】(業界経験者の場合)

これまで、横浜エリアを中心に、抗アレルギー薬のMR担当として、大学病院や開業医100件に対しMR活動を担当していました。抗アレルギー剤は、幅広い分野で扱われている薬剤のため、「副作用」の情報は折に触れ収集するよう努めてきました。これらの情報をもとに、○○剤の院内説明会を●●総合病院で実施することで、従来のシェア××%を××%に増加し、売り上げ拡大に貢献致しました。今回貴社では、幅広いプロジェクトや領域に携われる経験者MRの募集ということですが、製品研修や長期収載品の市場拡大を行ってきた経験が活かせると思い、志望いたしました。

MRの面接では、「なぜその会社に入りたいかアピール!」よくある質問の答え方

自己PRが固められたら、次は、面接対策をしっかりと行いましょう。ここで言う「面接対策」とは、上手に話すことや、自分を大きく見せることではありません。企業をよく研究し、面接官の質問に的確に答えることが本質的な面接対策です。

以下に、MRの面接でよく聞かれる質問を紹介しますので、こちらを参考に、あなたのオリジナルの答えを考えてみてくださいね。

志望動機・退職理由(転職理由)を教えてください
(抗アレルギー剤MRから新薬のMRへ転職する場合)
これまで抗アレルギー剤のMRとして従事してきましたが、新薬に携わることに魅力を感じ志望しました。現職では、一つの製品に対し製品知識を深めながら、長く働いていくことになります。担当していた●●剤は、長年の医療の現場で使われている製品であり、これまで従事してきたなかで、シェア拡大も頭打ち感がありました。
一方、御社は、新薬の開発に注力されており、これから医療機関へのシェア拡大を見込める領域であると感じました。これまで顧客である医師と信頼関係を構築した経験を活かしながら、シェア拡大のために働くことで、更なるやりがいを得たいと感じております。

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まとめ

MRへの転職は険しい道のりだけど、不可能ではない

今回は、MRへの転職に興味がある方向けに、業務内容についての紹介と、転職活動を突破するためのコツをお伝えしました。良いところだけではなく、辛いところにもクローズアップしてお伝えしましたが、医療業界には欠かせない製薬会社の担当として、多く方を巻き込みながら働けるのはほかの職種にはない魅力です。この記事をきっかけに、あなたが、良いMRとして転職する道が開けましたら幸いです!

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