バックエンドエンジニアとは?
サーバーとの通信やデータベースの構築など、「ユーザーの目に触れない部分」の構築・管理を行うバックエンドエンジニア。
バックエンドエンジニアはWebサービス開発に特化したインフラエンジニアのことを指すのが一般的です。
バックエンドエンジニアと呼称される場合は、インフラエンジニアの中でも一般的にWebサイトやWebアプリケーション開発に携わる担当者を意味します。したがってこの記事では社内のネットワークや専用サーバー管理者のことは扱いません。
※ ちなみに「サーバーサイドエンジニア」もバックエンドエンジニアとほぼ同義と扱って話を進めます。
仕事内容
バックエンドエンジニアの仕事内容は、対になるフロントエンドエンジニアの仕事と見比べるとわかりやすいです。
バックエンドエンジニア | フロントエンドエンジニア | |
---|---|---|
担当領域 | ユーザーの目に触れない部分 | ユーザーの目に触れる部分 |
よく使われる言語 | Ruby on Rails、PHP、Python、Erlang | HTML・CSS・JavaScript・PHP |
フレームワーク | Ruby on Rails、Laravel、Flask、MySQL | WordPress、EC-CUBE |
具体的には以下の3つがメインの仕事内容となります。
(1)Webサーバーの構築
サーバー要件を定義し、その選定や設定と必要なソフトウェアのインストールを行います。
(2)データベースの構築
Webサーバー上に様々な情報を格納し、いつでもアクセスして取り出すためのDBの構築します。
(3)Web開発
HTML側では解決できないプログラムの開発を行います。
典型的なのがECサイトにおける会員登録やカート機能の実装や、動画配信サイトにおける高ビットレート配信システムの整備など。
バックエンドエンジニアの年収
バックエンドエンジニアの平均年収は約465万円。
(引用元:サーバーエンジニアの平均年収・給料(給与)を紹介|マイナビエージェント)
これはあくまで平均値で、実際の年収は、所属する会社によって異なります。
よくバックエンドエンジニアの方々は「エンジニアの中でも年収が上がりにくい」とおっしゃいますが、読者の皆さんはいかがでしょうか?
年収が上がりにくい最大の理由はバックエンド開発が機能として実装しもフロント側から利用されないとユーザに価値提供していないと判断され、査定に響くという点。
Webサービスの運用に関わる仕事が収益性が重視されるため、このような評価体系を採用している企業は多いです。
この評価体系がストレスになるバックエンドエンジニアの方は数しれず・・・。
真面目に働いて実装しても自分の仕事が認められにくいのは辛いです・・・
バックエンドエンジニアが評価(年収)を上げるには
結論から言いますと、画面設計に関する理解を少しでも高めることがキャリアアップの道となります。
結局のところ開発はUI側からスタートするので、Web開発は
の順に仕事がおりてくるんですよね。
このとき、前工程である非エンジニアやフロントエンドエンジニアが実現したい振る舞いの理解・整理(欲をいえば建設的な提案)までこなせるバックエンドエンジニアはとても重宝されます。
また、フロントエンドエンジニアとツーカーになっておけば、フロント側で使われやすい(ユーザーに届きやすい)サーバーサイドの開発領域も分かるというものです。
「インフラ知らないフロントエンドエンジニア多すぎ」には「デザインを知らないバックエンドエンジニア多すぎ」というカウンターが当てられ、お互い不幸になるだけだから「〇〇がわかるとこういうことできるようになるからおすすめだよ」って言えばいいと思う。
みんな、やさしい世界で暮らそうぜ!
— ダーシノ / NES.css (@bc_rikko) December 18, 2019
少し大げさな話をするようですが、あなたがもし将来フリーランスになったとしたら依頼主は非エンジニア直になりますからこの傾向はより顕著です。フロント周りの理解があるかどうかは仕事を受注できるかどうかに直結してきます。
例えばPWA(Progressive Web Apps)やAMP(Accelerated Mobile Pages)を採用するか否かでプロダクトの方向性もサーバーの構成も変わるわけですが、要件定義の段階でバックエンドエンジニアからこれらに関する提案があればクライアントの信頼度は大きく変わってくることでしょう。
バックエンドエンジニアが転職で評価を上げるには
で、ここからは少しずるいテクニックのご紹介です。
フロントエンドの経験がほとんど無くても、転職の面接で好印象を与える方法があります。
それは「非エンジニアもしくはフロントエンドエンジニアと協働した経験」をアピールすること。
バックエンドエンジニアである以上、フロントエンドエンジニアや非エンジニアの与件を整理したりドキュメント化した経験はあるのではないでしょうか?
これを志望動機にするのです。例えば以下のようなイメージです。
志望動機例 ①
HR Tech企業のバックエンドエンジニアとしてWeb面接ツールをRubyで開発・運用していました。
現職での経験の中で、私の最大の強みは非エンジニアとのやり取りを資料化する能力だと感じるようになりました。
というのも、私にとって発注者となるサービス企画担当役員のリクエストを可視化してから開発をスタートしないと手戻りのリスクが大きかったからです。そこで与件をドキュメント化して整理したり、フロントエンジニアと一緒にプロトタイプを作成したりして納品物をすり合わせることで手戻りを防ぎ、結果的に開発納期を短縮する工夫が社内でも好評だったからです。
今回御社では動画サービスのサーバーサイドエンジニアを募集されているということですが、ほとんどがマーケティング部署からのサービス改善依頼であると伺っています。そのような環境であれば非エンジニアとの開発経験を活かして活躍できると考えご応募いたしました。
志望動機例 ②
iPhoneケースを販売するECサイトのバックエンドエンジニアとしてEC-CUBEのメンテナンスを担当していました。
仕事の依頼主は主にフロントエンドエンジニアで、商品やレビューの出力ルールをSEO目的で変更する業務や読み込み速度改善のリクエストが多かったように思います。
DBの構成や商品とカテゴリーの紐づき方をゼロから理解していただくのは難しいと考え、与件を整理した上で実現可能な複数の選択肢の中から最善の案をこちらで定義するようにしていました。また、読み込み速度の改善についてはUI変更が避けられませんでしたので、代替案となるワイヤーフレームをこちらで準備してプロジェクトを進めました。
今回御社ではショッピングモールのバックエンドエンジニアを募集されているということですが、業務の多くはフロントエンジニアとの協働作業であると伺っています。そのような環境であればこれまでの開発経験を活かして活躍できると考えご応募いたしました。
いずれの志望動機もエピソードを交えて非エンジニアやフロントエンジニアとの折衝力を訴求していることがおわかりいただけるでしょうか?
この志望動機を突き刺さるものにするには、「自分に仕事を依頼してくるのが誰なのか?」を面接前に調べる必要があります。
転職体験記:自分にとってのバックエンドエンジニアのやりがいはどこに?
(参考:「自分の居場所はバックエンド」――クックパッドへ転職し、自分の強みを見つけた| マイナビ転職)
こちらの成田さんは、国内大手の大手Web企業でメールサービスのバックエンドシステム開発の仕事をしていました。
国内最大級の利用者を誇るメールサービスに遅延は許されないという緊張感の中での仕事はやりがいを感じていました。
一方、時間がたつにつれて、技術面で成熟したサービスゆえに、これ以上のサービスとしての成長、ひいては自分のエンジニアとしての成長があまり望めないのではないかと感じるようになりました。
自分の中に「サービスの成長が見たい、そして自分自身を成長させたい」という思いが強くあり、現状の環境ではそれが実現できないことに焦りを感じていた時、クックパッドへ転職した尊敬する上司から、「一緒に働かないか」という誘いがあった。
サイトの見せ方、技術面のともに魅力を感じていたこともあり転職を決めました。
入社後はサービス開発のエンジニアの仕事につきますが、自分の力を100%発揮できるのはこの部門ではないと気づき、サービス開発から開発基盤の整備や画像配信システムの開発などバックエンドの仕事にシフトチェンジしていきました。
バックエンドの仕事が中心になるにつれ、「バックエンド技術を生かしてサービス開発チームを支援する仕事」が自分の適性に合っており、ここでなら能力を最大限に発揮し成長することができると確信したといいます。
成田さんは、先輩からの紹介先で自分にとってやりがいのある環境と巡り会えました。
しかし、こうした縁は誰もが持っているものではありません。
それでも自分に合った環境を探すにはどうしたらいいのでしょうか。バックエンドエンジニアの求人の探し方をお話しします。
バックエンドエンジニアの求人の探し方
バックエンドエンジニアの求人はリクナビNEXTにもたくさん掲載されています。
ただしリクナビNEXTの利用はあまりおすすめしません。
なぜなら前述の非エンジニアもしくはフロントエンドエンジニアと協働した経験を伝えるテクニックが使いにくいからです。
バックエンドエンジニアの転職にあたっては、「自分に業務を依頼してくるのが誰なのか?」を知ることが大事なわけですが、この情報がなかなか求人票に載っていないんです!!
そこでおすすめなのが転職エージェント。転職エージェントの担当者は応募先企業の指揮命令系統を事前に把握しています。(担当者自身が知らない場合でも担当営業に聞いてくれる)
総合系の転職エージェントですと頼りない(リテラシーが低い)ので、利用する転職サービスはWeb業界に強いものを選択してださい。
※クリックで解説にジャンプします。
スタートアップへの転職ならGeekly
比較的新しいサービスとなりますが、GeeklyはWeb系企業の求人紹介に力を入れている転職サイトです。
「スタートアップの中でも業績が伸びているところを中心に教えてくれた。自分では情報が探しにくいので助かりました。」、「ゲーム系の求人が充実していた。特にWeb系スタートアップのエンジニア求人は高年収の募集が多かった。」という口コミの通り、ITスタートアップ・ゲーム業界に特化しており、大手志向というよりスタートアップでチャレンジングな環境に身を置きたい方にマッチしています。
大手・メガベンチャーへの転職ならマイナビIT AGENT
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どちらにも共通するのは、転職の相談に乗ってくれるアドバイザーがIT業界や伸びている業界企業に詳しいこと。もう1つは、スキルやフレームワークのミスマッチが少ない(要は変な案件を紹介されてイライラしない)ことです。
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