法人営業の転職で年収UP。個人営業との違い、MAの台頭でどう変わる?

法人営業の仕事は、取り扱う金額が大きいことが特徴だ。1,000万円、場合によっては1億円という金額が動く。その分の責任感とやりがい、そしてチャンスも大きい。

個人営業と比べるとビジネスのフィールドも広く、年収アップのチャンスにも恵まれることから、転職先として、法人営業の仕事が気になる方もいるだろう。

そんな法人営業の仕事にも、昨今のテクノロジーの進化は影響を及ぼしている。このコラムでは、法人営業の仕事にテクノロジーが与える影響と、転職にあたっての注意点を紹介する。

 

複雑な人間関係の中で大金が動く法人営業の仕事(個人営業との違い)

あなたもご存じのとおり、営業とは、自社を中心とした何らかのサービスや商品を顧客に提案し、契約を取り付けるポジションだ。

法人営業はその中でも、対企業、法人のクライアントを対象にした営業のことを指す。BtoB(Business to Businessの略)営業とも呼ばれる。取り扱う商材は、自動車、住宅、電化製品、食品などの有形商材、コンサルティングや研修、広告宣伝、保険、ITサービスなどの無形商材に分けられる。

個人営業と法人営業の最大の違いは、法人営業では多くの場合、商談相手が最終決裁権限者ではないことだ。担当者の上司や、部長、社長など複数人の承認決裁が必要となる。また、商談成立までに何度も先方に足を運び、粘り強く交渉を行わなければならない。

交渉にあたっては、「自社のサービスが他社と比べてどのように優れており、どのように利益に貢献するのか」を説明出来なければならない。そのためには交渉のなかで先方が抱えている問題点を洗い出し、資料やサンプルなどを提出する必要がある。

法人営業は、場合によっては一社だけでなく、複数の会社の営業担当者、管理職と単身で関わらなければならない。そのためには、複雑な人間関係や、パワーバランスを観察力する能力が求められる。

誰が案件を回すキーマンで、誰が決裁権を持つ上司なのかを見抜き、そのなかで誰にプッシュをかければ契約成立にまで持ち込めるかを注意深く観察しなければいけない。

また詳しく説明するが、テクノロジーの発達と情報収集や資料作成の分野が密接に関わる。これらの技術をフル活用できないと、テクノロジーを活用できる営業との差は広がり続けるだろう。

法人営業の年収

平均年収 :447万円
20代 413万円(男性422万円 女性393万円)
30代 530万円(男性530万円 女性531万円)

(引用元:マイナビAGENT

実際には同じ法人営業でも業界や企業によって年収には幅がある。例えば大手不動産デベロッパーなど高度かつ取引高が大きい業界の営業職の平均年収は上記より平均して100~200万円程度高い傾向にある。もちろん専門知識に対する自己研鑽は必須だが、高年収業界へのステップアップが可能なのも法人営業としてのキャリアの魅力だ。

ただしSIerのように年収500万円が壁になっており、それより上を目指すなら管理職へのステップアップが必須に近い業界も多いので注意

ここからは、営業という仕事のやりがいや辛い部分を踏み込んで紹介する。

未だに残る慣習のなかで大きな仕事を追う楽しさと厳しさ

会社を背負って最前線に立つ法人営業。個人営業よりも動くお金が遥かに大きく、その事実がそのままやりがいへとつながる。場合によっては数億、数十億と動く案件に携わる可能性もある。営業のやりがいのひとつに、自身の仕事の成果を、金額をはじめとした数字で可視化できることが挙げられるが、その数字のスケールが大きいことも法人営業の特徴だ。

また、交渉を進めるうちに企業の管理職、経営者クラスとコンタクトを取れることもしばしば。いわゆる「仕事ができる人」と接点を持ち、そのエッセンスを取り入れることができるのも魅力。

一方、営業は常にノルマに追われる仕事だ。その中でも、法人営業は会社の看板を背負って他社を相手取り、場合によっては数千万円~1億円を超えるような大きな数字を追っている。そのため、周囲からのプレッシャーも激しく、精神的に参ってしまうこともしばしば見られる。

また、ノルマに追われているときだけではなく、「ノルマを達成できたとき」も、気を抜けないのが法人営業の特長でもある。

担当のお客様のプロジェクトが前倒しになり、年度初めの期待よりも売上が大幅に上回った。すると本社経営層から更に売り上げアップの期待が寄せられ、次年度の売り上げノルマが大幅にUPすることに!(中堅設備メーカー・40代・営業部長・男性)

など、次年度の目標も大幅アップしたケースから、

お客様の業界が好景気で、年度売り上げ目標を140%達成!大いに喜んでいたところ、上層部から【なぜそんなにも業界が好調なのか】という報告書の提出を求められた。(総合商社・20代・営業担当・女性)

など、仕事の増えたケースなども、現場から聞こえてきている。

つまり、「売り上げ目標の達成を目指すだけではなく、達成した後も、お客様の情報を常に収集し、業務に反映し続ける」のが、法人営業の営業活動だ。

また、自社と他社、双方の営業担当だけでなく管理職を巻き込むので、意思決定までのプロセスが個人営業と比べて複雑かつ時間がかかるのも特徴だ。また、たとえ自社で最新型・高性能の新商品をリリースしたとしても、客先で意思決定が行われるまでに大変な労力と情熱を求められるため、一度取り入れた商品やサービスを型落ちしても使われ続けてしまいかねない。こうした法人営業特有の新陳代謝の悪さに辟易する営業マンも多いだろう。

さらに、接待のような慣習がいまだに残っていたり、明文化されていない「縄張り」があったりなど、それぞれの業界にそれぞれの古くからの特色が残っている。そうした無駄を解消できないのも、上流から下流まで関わる人が多く、仕事内容の新陳代謝が悪い職種ならではの特徴といえる。

特に専門性の高い業界では、関係者以外にはわからない専門用語が飛び交うため、最初のうちは、担当する業界に対する勤勉さや、お客様に知識を教わりに行く姿勢も必要だ。

これらを乗り越えた上に、大きなお金を動かす立場を築ける。それが、法人営業の仕事の大変さであり、やりがいと言えるだろう。

そんな法人営業の仕事だが、昨今発達したテクノロジーによって大きく変わることが示唆されている。その内容とはどのようなものだろうか。

大きな金額を動かせるが、その分プレッシャーも・・・

MA(マーケティングオートメーションシステム)で変わる?法人営業の仕事

法人営業の分野に大きな影響を与えると考えられているテクノロジーが、マーケティングオートメーションだ。

マーケティングオートメーションとは、新規顧客の開拓におけるマーケティング活動を自動化する仕組みのこと。獲得した見込み客の情報を一元管理して、メール、SNS、 ウェブサイトといったデジタルチャネルを使ったマーケティングに活用する

このマーケティングオートメーションの仕組みを構築するソフトウェアを、「CRM(顧客管理システム)」と呼ぶ。ぜひ覚えておきたい。

従来のアナログな営業業務では、見込み客リストの作成からアプローチ、商談、アフターサービスまで一人で担っていたため、業務が属人的かつ激務になる傾向にあった。しかし、人力で行っていたルーチン作業や手入力では膨大なコストと時間を要していた複雑かつ大量な作業の自動化により、飛躍的に効率が高まっている。

また、蓄積したデータからユーザーの趣味趣向や行動を把握して、ユーザーが求める情報のみを提供することが可能となった。このようにユーザーに適切な情報を提供することで、見込み客を育成(ナーチャリング)することをインサイドセールスと呼ぶ。近年、インサイドセールスを導入し、人材を雇用する企業が増えている。さらに、見込み客の情報を活用すれば、商談に必要なデータの収集もより制度が高まるだろう。

インサイドセールスが現在以上に広まれば、営業の仕事は大幅にスリム化し、顧客との商談に専念できる。「足を使って手当たり次第」という体力勝負の営業活動ではなく、「成約可能性の高い見込み客」を相手にした営業活動に変わることで効率も大きく改善される。

法人営業が属人化されていた事務作業から開放されることにより、「成約可能性の高い見込み客」を確実に狙い撃つためのコミュニケーション力がなお一層求められる。逆に、データ打ち込み業務などを中心とした営業事務が日々の中心だったり、足で稼ぐ体力勝負の営業活動を武器にしていたりする場合は、発想を転換しなければならない。

また、デジタルチャネルを使った営業活動は、国内のみならず海外にもアプローチが出来る。会社にとってはアプローチを広げるチャンスではあるが、その場合は営業担当者にも語学力が求められるようになるだろう。

これらを踏まえた上で、次の段落では法人営業担当者の転職活動について説明していく。

年代別営業マンの転職プラン

まずは、営業のマンのキャリアパスについて紹介しよう。

営業マンにとって、一社につき数人しかなることのできない課長・部長クラスになるのは狭き門と営業としての数字が求められると同時に、後輩の教育やクレーム処理などをこなし、社内で信頼を勝ち取らなければならない。一方で、管理職を目指さず営業の現場で働き続けるスーパー営業マンもいる。これまでの営業スキルを活かして、他業種への転職も視野に入れてもよいだろう。

20代前半で新卒として入社し、第2新卒で転職をする場合、「営業が嫌で辞めたい」というパターンと「営業としてキャリアアップを果たしたい」というパターンのいずれかが考えられる。前者の場合、総務や人事など、特別な資格やスキルが必要のない社内勤務の仕事を探しがちだが、これらの仕事は求人に人が集まりやすく、最終的には経験者が採用されるケースがほとんど。独学でもよいので、なんらかのスキルを身に付けて転職に挑んだほうがよい。営業としてのキャリアアップを目指す場合は、異なった業界への転職のほうが理由を説明しやすい。競合他社への移籍の場合は、数年の経験がある事実よりも「なぜ転職したのか」というところで引っかかりかねないだろう。

30代、40代で転職を目指すのは、「部長・課長クラスへの昇進を断念し、現場仕事を継続する人」、「スーパー営業マンとして現場での仕事を続けていきたい人」のどちらかが多いはずだ。30代に差し掛かり部長・課長クラスへの昇進が視野に入っている人で転職をする人は少ないだろう。

この年齢で転職する場合、求められるのは会社にとって即戦力であることその一点のみ。明日、コンタクトをとればすぐにでも契約に近いところまでたどり着ける「お得意様」は営業マンの転職にとって最大の武器であり利点。面接ではこれまでの仕事で培った人脈をアピールしよう。大きな金額が動く法人営業において、大きなお金を持つ人脈の存在はなによりも強みだ。

さらにこうしたコネクションや人脈を含む総合的な「営業力」を身につければ転職のみならず独立・起業までも視野に入ってくだろう

様々な能力を身につけ、独立も視野に!

法人営業の職務経歴書

法人営業の職務経歴書では応募者が多い中でいかに簡潔に実績を伝えるかが鍵となる。中でも「トップセールス」は人事や営業マネージャーの目を引きやすい強力なフック。しかし必ずしもトップセールスであり続けた経験がある必要はなく、「部内トップを獲得した」や「月間MVPを受賞した」といったエピソードでも十分だ。
また、異業種への転職の場合は「なぜ取扱商材を変更することを希望するのか」、同業種への転職の場合は「なぜその会社なのか」を必ず盛り込もう。いずれの場合でも前職の経験をどのように活かせるかのアピールも盛り込めると最高だ。

異業種転職の例

私はオフィス向け賃貸物件のセールスパーソンとして6年間経験を積んで参りました。2年目以降は毎年年間トップセールスを獲得するなど今日まで仕事にはやりがいを感じておりましたが、年功序列で管理職のポストが決まってしまう企業体質に難しさを感じています。後輩に対するトレーニングにとてもやりがいを感じていたこともあり、今後のキャリアとしてできるだけ早期にマネジメントを経験したいと考えています。活躍した方が若くしてマネージャーとしてとりたてられている御社の体制に魅力を感じ、今回ご応募させていただきました。

同業種転職の例

私はECサイト制作会社の営業として4年間勤務し、月間トップセールスを獲得するなど実績を積んでまいりました。その中でEC側と基幹システムの連携がうまくいかないことに悩むお客様に多数お会いし、根本的な解決策をご提示できないことに歯がゆさを感じておりました。御社はアパレル業界の基幹システム開発を強みとしていらっしゃいますので、より本質的な提案活動ができるものと感じ、応募させていただきました。

法人営業の採用面接

書類選考同様に面接でも実績をアピールすることが基本となる。「最大で月間○○万円売り上げた」「年間の新規開拓顧客数は○○社」など、具体的な数字を織り交ぜながら自己PRをしていこう。法人営業の場合は現職と応募先企業の担当窓口が同一ケースであることも珍しくは無いため、売上だけでなく懇意にしていただいている顧客が多いことも十分なアピール材料だ。(ただし完全な同業種の場合コンプライアンス違反になり得るので注意)

また面接官の立場では「それほど活躍している人がなぜ転職を希望するのか?(なにか裏があるのではないか?」が気になるもの。「退職理由」がポジティブに伝わるようストーリーのある自己紹介を考えておくとその後の面接がスムーズに進行する。

自己PRの例

私は新卒採用向けのポータルサイトの広告営業として3年間勤務して参りました。直近では12ヶ月連続の目標達成となっており、繁忙期には1000万円を超える売上を記録したこともあり、顧客数は100社以上あります。しかし「ポータルサイトでいくら集客してもリソース不足で面接で会うことがかなわない」という顧客の声を多数耳にしており、自社サービスだけではこの問題の本質的な解決は難しいと感じました。御社のWEB面接サービスは兼ねてから耳にしており興味をもっておりましたが、今回求人を拝見し、これまで培ってきた経験や顧客基盤が活かせるものと思い応募致しました。

まとめ

古い慣習や複雑な人間関係が入り交じる法人営業の世界においても、テクノロジーの変化は影響を及ぼすと考えられる。しかし、営業の仕事は属人的な要素が大きく結果を左右する。重要なのは、どの部分がAIに置き換えられて、どの部分が属人的かを見極められるようになることだ。そうすれば、転職市場においてもあらゆる企業から引き手数多な法人営業マンとして成長できるだろう。

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