PHPエンジニアの年収
パーソルテクノロジーが2022年4月に発表した「2023年プログラミング言語おすすめランキング」によると、PHPは7位にランクインしています。
ランク | 言語 | 年収目安 |
---|---|---|
1位 | Python | 590万円 |
2位 | Java | 573万円 |
3位 | C++ | 574万円 |
4位 | C# | 574万円 |
5位 | JavaScript | 561万円 |
6位 | Go | 627万円 |
7位 | PHP | 546万円 |
8位 | C | 601万円 |
9位 | Ruby | 581万円 |
10位 | Swift | 581万円 |
参照:【2023年】プログラミング言語おすすめランキング | パーソルクロステクノロジー(2022年4月12日)
ご存知の通りPHP(Hypertext Preprocessor)の最大の特徴はHTMLとの親和性で、動的なWebサービスやサイトを作る用途で利用されることが多いです。
一時期のコンテンツマーケティングブームによりこのPHPを活用した(特にWordPress)Webメディアが多数誕生し、PHPエンジニア求人も増加しましたが、それが落ち着いてしまったことが背景となっています。
PHPエンジニアにはまだまだ需要がある
PHPの需要は非常に高いです。
企業案件やクラウドソーシング案件など、様々な仕事の中でPHPのスキルを求められる機会が多くあります。
特にフリーランスや副業を考えている人にとっては、PHPの知識を持つことで幅広い仕事の選択肢が広がるでしょう。
ただし、PHPエンジニアが転職でキャリアアップするには、PHPだけでなく、HTMLやCSSの知識・スキルも合わせて習得しておくことが重要です。
Web開発においては、PHPだけでなく、HTMLやCSSといったフロントエンドの技術も必要とされます。これらの言語や技術を組み合わせることで、より高度なウェブサイトやアプリケーションを開発することが可能になるからです。
下記のグラフはHRogの調査による、2020年版プログラミング言語別年収・求人数ランキングです。
PHPの求人数はJavaに次ぐ2位で、PythonやRubyなど人気の言語を大きく上回る数値です。
引用:2020年版プログラミング言語別年収ランキング | HRog(2020年1月31日)
PHPエンジニアがステップアップするにはどうしたらよいのか?
それではPHPエンジニアがステップアップするには具体的にどうしたらよいのでしょうか。
ポイントはPHPの求人だからといって闇雲に応募しないことです。
PHPエンジニアとしてどのような経験をしてきていて、今後はどのようにキャリアを広げたいのか、いわば「転職の軸」をはっきりとさせてください。
転職の軸には具体的に3つあり、以下のいずれかを選択してのいずれか(または複数)を軸に据えて転職活動を行うとオファー年収や入社後の活躍が好転しやすいと思います。
※ クリックで該当項目にジャンプします
(1)フレームワークを軸にする
PHPのトレンドは、すなわちフレームワークのトレンドと言い換えても過言ではありません。PHP開発の土台となるフレームワークにはそれぞれに思想がことなり、用途も違います。最近では国内ナンバーワンフレームワークだったCakePHPをLaravelが抜いたのは一大トピックですね。
独自ドメインのECサイトではEC-CUBEもまだまだ根強く、EC-CUBEに強いPHPエンジニアの需要は衰えていません。
転職活動ではこれまでに自分が携わってきたフレームワークが応募先企業でも使われているか(自分の経験が活かせるか)が重要です。
例えばあなたがEC-CUBEに特化した制作会社のエンジニアであるとします。このような場合は、前職と同じ制作会社ではなく、EC事業者が転職先として狙い目です。
※CakePHP
「ケーキを焼く様に簡単にPHPで開発ができるフレームワーク」を目指して開発。速度と機能性に優れており、かつ無料。かつて日本で高いシェアを誇っており、日本でのPHP開発案件の多くをCakePHPが占めていた。
※Laravel(ララベル)
近年、世界的に使われているWebサービスに特化したフレームワークで、日本でもCakePHPを追い越し国内トップに躍り出た。コードの書きやすさに加えて、Youtubeとの連携も可能など、開発の柔軟性が魅力。
※EC-CUBE
株式会社ロックオンが提供している、ECサイトの運営・構築に特化したオープンソース。シェアとしては国内No.1で、カスタマイズ性の高さが長所のひとつ。テンプレートエンジンにはSmartyを使用している。多くの通販企業で採用されているが、保守をアウトソースに頼っているケースが多いため、インハウスのPHPエンジニアの需要が増加している。
フレームワークをアピールする場合の志望動機例
EC-CUBEに特化した制作会社で3年半の間エンジニアとして勤務して参りました。制作会社という立場でしたのでプラグインを活用してSEO向けの設定をしたり、特殊な決済代行APIや基幹システムと連携導入するために独自のカスタマイズをしたり、クライアントの要望に応えるためにEC-CUBEを相当使い込んできた自信があります。
しかし仕事がどうしてもプロジェクト単位で、ひとつのECサイトに長く携わることができない、という制作会社ならではの悩みがあったため、転職を検討しています。
その中でも御社の本店サイトはリリース当初からEC-CUBEを利用されており、SEOやアクセス解析に配慮したカスタマイズにかなり注力されているように感じられましたので、これまでの経験を活かしてお役に立てると考えてご応募いたしました。
一度EC-CUBEで立ち上げたEC事業者はなかなかそれを変更できません。フレームワークを変更するともなれば実質的なリニューアル、場合によっては基幹システムまで影響してしまうためです。
そのためセキュリティやSEOのカスタマイズのために最初に開発を依頼した制作会社に高額な保守料金を支払っていることが多く、EC-CUBE開発経験者の内部採用はコストダウンに直結します。
EC-CUBEのカスタマイズに自信があることをしっかり訴求できれば、高年収でのオファーが期待できることでしょう。
(2)非エンジニアとの折衝力を軸にする
PHPを使った開発案件の発起人が、営業やマーケティング部署などの非エンジニアであることは少なくありません。ITリテラシーが低い方の突飛な与件に対して条件反射的にイラッとしてしまいがちなシチュエーションですが、逆にいえばこれを咀嚼して仕様に落とし込めるエンジニアはどこにいっても重宝されます。
ここでお伝えしたいのは無理難題を黙認してこなすことではなく、「不可能な与件に対してその理由をわかりやすく説明し、代替案を提示する」「開発仕様が書けない人からヒアリングして、設計をする」力が重要であるということです。
非エンジニアとの折衝力をアピールする場合の志望動機
人事系コンサル会社のSEとして稟議書の回覧や開発タスク依頼システムをPHPで開発・運用していました。
現職での経験の中で、私の最大の強みは非エンジニアとのやり取りを資料化する能力だと感じるようになりました。
というのも、発注者は人事部署、依頼者は営業部署ということでどちらもエンジニアリングの知識がないためリクエストを可視化してから開発をスタートしないと危険です。そこで与件をドキュメント化して整理したり、プロトタイプを作成したりして納品物をすり合わせることで手戻りを防ぎ、結果的に開発納期を短縮する工夫が社内でも好評だったからです。
今回御社では社内SEを募集されているということですが、ほとんどがマーケティング部署からのサイト修正依頼であると伺っています。そのような環境であれば非エンジニアとの折衝力を活かして活躍できると考えご応募いたしました。
非エンジニアとの折衝経験がもっとも輝くのは社内SEとしての転職です。社内SEは上流にいけばいくほど非エンジニアとのやりとりが業務のメインになるためです。また、面接官が現場サイドの方であることも多く、専門知識のアピールよりも依頼者とのコミュニケーションを介してプロジェクトをスムーズに勧めた経験を重視する傾向があります。
(3)UI設計・デザイン力を軸にする
PHPエンジニアの守備範囲は広く、自社サイトや社内ツールの開発案件などでは「UI設計を含めてまるっと」開発を任されることも少なくありません。
非エンジニアからの与件ではだれでも使いやすい管理パネルでのHTML出力まで含めて期待される(期待されてしまう)ケースが多いです。
技術的にはフロントエンジニアの領域で、新しい技術であるPWA(Progressive Web Apps)やAMP(Accelerated Mobile Pages)などのテーマまで興味が及んでいると市場価値は一気に上がります。
UI設計・デザイン力をアピールする場合の志望動機
大規模サイトの開発を強みとするWeb制作会社でPHPエンジニアとして2年間勤務しました。
私はユーザーがグラフを自由に作成できるWebサイトと求人情報サイト制作の2案件に携わっています。
特に求人サイトの方では検索結果の出力方針やURL生成ルール、PWA対応などのフロントエンド領域まで踏み込んだ提案ができるプロジェクトでした。そこでも経験を通じてフロントエンド開発の楽しさに目覚めてしまいまして・・・本当はアクセス解析やヒートマップを使って成果を見るところまで携わりたかったのですが、残念ながらそこから先はスコープ外でした。
そこで、フロントエンドでの知識やスキルがより評価される事業会社側への転職を検討しているところです。そんな中御社では不動産ポータルのリニューアルをPHPベースで計画されているということを転職エージェント担当者から伺いまして、まさに私の経験が活かせる境遇であると考えてご応募させていただきました。
事業会社はUIの改善が利益に直結するためバックエンドよりもむしろフロントエンドを重視しますので、この設計や効果測定に関心があるエンジニアは高く評価されます。可能であれば開発に携わったプロダクトを採用面接で見せしてしまうのも手です。
応募先企業の探し方
PHPエンジニアにおける転職活動の軸がはっきりしたところで、今度はどうやって応募先を探すかについて解説しておきます。
ここでひとつ質問ですが、あなたは
スタートアップの自由な裁量と熱気
と
大手・メガベンチャーの安定した給与と開発環境
のいずれが自分に合っていると思いますか?
というのも、どちらを選ぶか次第で最適な転職エージェントが変わるからです。
※クリックで解説にジャンプします。
スタートアップへの転職ならGeekly
スタートアップの良さは柔軟性。PHP以外の言語に対するチャレンジも受け入れられやすい環境です。
転職活動においてはUI設計・デザイン力が高く評価されやすい傾向にあります。
比較的新しいサービスとなりますが、GeeklyはWeb系企業やスタートアップの求人紹介に力を入れている転職サイトです。
特にWeb業界に強いようで、PHP開発の求人も相応数あります。
「スタートアップの中でも業績が伸びているところを中心に教えてくれた。自分では情報が探しにくいので助かりました。」、「ゲーム系の求人が充実していた。特にWeb系スタートアップのエンジニア求人は高年収の募集が多かった。」という口コミの通り、ITスタートアップ・ゲーム業界に特化しており、大手志向というよりスタートアップでチャレンジングな環境に身を置きたい方にマッチしているエージェントです。
大手・メガベンチャーへの転職ならマイナビIT AGENT
大手企業の魅力は待遇。福利厚生や有給など、働きやすさを求めるならこちら。
転職活動においては非エンジニアとの折衝力が高く評価されやすい傾向にあります。
ナショナルクライアントやメガベンチャーの求人はやはり大手の代理店に集まるようです。中でもマイナビIT AGENTはドメスティックな大企業の社内SEや大規模開発案件に絡んだ求人に強いことで有名です。
口コミでは「担当者のITリテラシーが思った以上に高く、ストレスなく転職活動を進めることができた」、「大手系の案件は確かに多かった。スタートアップ志望なら他社も見た方がいいと思う。」という評価で、特に大手やメガベンチャー系安定企業への転職に強みがある大手転職エージェントです。
どちらにも共通するのは、転職の相談に乗ってくれるアドバイザーがIT業界や伸びている業界企業に詳しいこと。もう1つは、スキルやフレームワークのミスマッチが少ない(要は変な案件を紹介されてイライラしない)ことです。
経営や開発環境が安定している大手やメガベンチャーへの転職をご希望であればマイナビIT AGENT、
大幅な年収アップが期待できるWeb系スタートアップ求人を狙っているのであればGeeklyと使い分けるといいと思います。
まとめ
PHPエンジニアはまだまだ需要があります。これらのポイントを意識することであなたの価値が最大限引き出されるような転職先を見つけることができるはずです。
未来あるPHPエンジニアの皆さんの転職成功をお祈りしています。