転職エージェントに面接してアドバイスを求めると、くどいぐらいにキャリアアップ・キャリアアップを連呼されることに驚くはずです。
いまの仕事からステップアップしたい、多くの方がそのような思いを抱えて転職を検討します。
でも、その具体的なイメージはできていますか?あなたの仕事における理想のキャリアとはどんなものなのでしょうか。
そもそも、キャリアとは何か
キャリアップ = 年収アップという大いなる誤解
そもそもキャリアとは何か、みなさんは考えたことはありますか。
はい、皆さん本当によく誤解なさるのですが、キャリアアップとは必ずしも年収アップの意味ではありません。
厚生労働省によればキャリアの定義は以下のようなものです。
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
「職業能力」との関連で考えると、「職業能力」は「キャリア」を積んだ結果として蓄積されたものであるのに対し、「キャリア」は職業経験を通して、「職業能力」を蓄積していく過程の概念であるとも言える。
厚生労働省職業能力開発局による「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書
いかがですか、言わんとしていることがわかりましたか?
ちなみに私にはさっぱり理解できませんでした。
(キャリアのことを「発展」とか「関連した職務の連鎖」なんて表現する方をみたことがありません!!)
意味不明な部分を無視して無理やり解釈して整理しますと、以下のような感じでしょうか。
- キャリアとは経歴もしくは経験とも言いかえられる
- キャリアは「職業能力」(つまり「スキル」)とは違う
- キャリアとは「職業能力」(スキル)を積み重ねる過程のことである
なるほど、これなら少しはわかりやすくなりました。
キャリアとはつまり経歴や経験のことで、スキルや収入そのものを指しているわけではないのです。
例えば1ヶ月間死にものぐるいで勉強してプログラムを身に付けたとしてもそれは単なる勉強であって「キャリア」ではありません。
キャリアアップ(キャリア形成)とは?
「キャリア」の定義がわかったところで、キャリアアップ(厚生労働省の表現では「キャリア形成」)についてみてみます。
同じく厚生労働省職業能力開発局による「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書からの引用です。
「キャリア形成」とは、このような「キャリア」の概念を前提として、個人が職業能力を作り上げていくこと、すなわち、「関連した職務経験の連鎖を通して職業能力を形成していくこと」と捉えることが適当と考えられる。
また、こうした「キャリア形成」のプロセスを、個人の側から観ると、動機、価値観、能力を自ら問いながら、職業を通して自己実現を図っていくプロセスとして考えられる。
前半部分は難解すぎますが、後半部分は(なんとか)理解できそうです。
要はキャリアップ(キャリア形成)とは「職業を通して自己実現するプロセス」のことだったわけです。
つまり
「職業能力」(スキル)を沢山身につけても
年収が大幅に上がったとしても
自己実現ができていなければ「キャリアがアップしている」と表現することはできないわけですね。
「自己実現」は「活躍」と言い換えてもわかりやすいと思います。
例えばバイリンガルとして流暢な英語を喋れても、日本語しか使わない職場だったらどうでしょう?
本来は先進的なプログラム言語を使えるのに、レガシーな言語しか認められない開発会社ではいくら高年収でもストレスが貯まる一方ですよね?
あなたの職業能力(スキル)が思う存分に発揮されて活躍できること、これこそが自己実現です。
年収アップは活躍に対して支払われる副次的な対価でしかありません。
そのために「自分は何ができて、何をしたいのか」を見つめ直しながら、それが実現されるように努力すること、それこそがキャリアアップなのです。
転職はキャリアアップの手段のひとつにすぎない
転職はキャリアアップの手段のひとつでしかありません。
あなたがもし、「いまの職場では自分のスキルが十分に活かされていない」と感じるのであれば、まず改善のための挑戦をしてみてください。どんな小さなことでもいいのです。
転職を考えるのはそれからでも遅くありません。
例えば上司との面談をお願いしてみたり、成果を上げている同僚を飲みに誘って話を聞いてみたりするのも良いでしょう。
自ら新サービスを開発してしまってもいいのです。(どうせ「辞めたい」と思っている会社ですから!)
現職の中で自己実現の糸口が見えるなら、それが一番なのです。
それでも転職を決意するなら業界と職種の研究から
もし、最大限の努力をしたうえでどうしても現職のままでは自己実現できない未来が見えてしまったのならば、いよいよ転職を考えるべきときなのかもしれません。
転職を繰り返さないためにも、次こそはあなたの職業能力(スキル)が思う存分に発揮されて活躍できる職場を探しださねばなりません。
次の職場を見誤らないために大切なのが業界と職種の研究です。
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