サウンドクリエイターとは
サウンドクリエイターとは、ゲーム内で流れる音楽や効果音などを作成する仕事です。
ゲームの音楽というのは、ユーザーの印象に強く残るものです。
ゲームをあまりプレイしない人でも、スーパーマリオでコインを取ったときの音や、ドラゴンクエストでレベルアップしたときの音を知っている人は多いのではないでしょうか。
こうした印象に残る音楽を作るサウンドクリエイターにファンがつくことも少なくありません。ときには、サウンドクリエイターの知名度がゲームの人気に大きく影響することもあるほどです。
またゲームの音楽は、作品の雰囲気や世界観に大きく影響を与えるものであるため、サウンドクリエイターはプロデューサーやプランナーと密にコミュニケーションをとり、何度も修正しながら音楽を制作します。
制作する音楽の中にはゲームやキャラのテーマ曲のような長いのものだけでなく、足音やボタンを押したときの効果音のような短いものもあるので、1つのタイトルのために作成する楽曲が100以上になることも少なくありません。
個々のサウンドの作成に加えて、音響の微調整もサウンドクリエイターの仕事です。
ゲーム内では、BGMと攻撃時のサウンドや足音が同時に流れる際には、それぞれの音が互いに打ち消し合わないように音響をコントロールしなければなりません。
年収
求人サイトが公表しているデータを参照すると、サウンドクリエイターの平均年収は300~600万ほどのようです。
しかし、実力や知名度によって収入は大きく変動します。
サウンドトラックの売上や関連イベントなどでも収入が増える場合もありますし、人気のサウンドクリエイーターを起用することで、話題性を持たせることができるので、知名度の高いサウンドクリエイーターは平均の倍以上稼ぐこともあります。
将来性
(画像引用:グローバルゲーム マーケットレポート2021 | PR TIMES | 2022年3月9日)
株式会社角川アスキー総合研究所が発表した、世界のゲーム市場の調査レポートによると、世界のゲーム市場規模は毎年順調に成長しています。
サウンドクリエイターは、ゲーム制作において非常に重要な仕事なので、ゲーム業界の成長とともに需要が増加していくと見込まれています。
さらに近年のスマホゲームやダウンロードコンテンツの増加もサウンドクリエイターには追い風となっています。
スマホゲームやダウンロードコンテンツは、イベントやストーリーの追加に合わせてサウンドも追加する必要があります。そのたびにサウンドクリエイターに仕事が入るため、パッケージ型のゲームが主流だったころよりも仕事が増えているのです。
サウンドクリエイターになるには
必要なスキル・知識
サウンドクリエイターには、以下のような知識やスキルが求められます。
DTMスキル
楽譜を読む能力
楽器についての知識
音楽ジャンルの知識
ほとんどの場合、パソコンで音楽を作るので、演奏技術は不要ですが、楽譜は読めなければなりませんし、DTMに関する知識とスキルは必須です。
また、自分で演奏する必用がないとはいえ、ゲーム音楽はさまざまなメロディー、楽器の音色が組み合わさってできているものなので、楽器や音楽ジャンルに関する幅広い知識を付けて、表現の幅を広げておく必要はあります。
資格に関しては必須のものはありませんが、以下のような資格は業務や就職・転職で役立つ可能性があります。
MIDI検定
サウンドレコーディング技術認定
Pro Tools技術認定
主な就職先と難易度
サウンドクリエイターの主な就職先は、ゲーム関連企業、音楽・アニメ・映像・コンテンツなどの制作会社、パチンコ・パチスロメーカーなどがあります。
ゲームのサウンドクリエイターを目指すなら、ゲーム関連企業か音楽制作会社で働くことになるでしょう。
ただし、職種としての人気はとても高いにもかかわらず、サウンドクリエイターの採用枠は多くはありません。
大手ゲーム会社でも、数年に一度しか募集しないような状態です。
キャリアパス
学生から目指す場合の進路
サウンドクリエイターは未経験で、音楽関連の知識が全くない方が就ける仕事ではありません。最低でも採用試験の段階でサウンドを作れるレベルでなければなりません。
学生の方であれば、音大やサウンドクリエイターの専門学校で、音楽やDTMに関する知識を付けましょう。
ただし、サウンドクリエイターは、人気も非常に高く募集が少ない職種なので、こうした学校を卒業しても就くのは容易ではありません。
しっかりとした学校を卒業された方でも、サウンドクリエイターとしての就職を母校に報告に行った際、「卒業生からまともなサウンドクリエイターが出たのは5年ぶり」と講師に言われたという話もあります。
特に大手のゲーム会社に入社できるのは、卒業者の中でもほんの一握りの方だけといわれています。
いくら優秀でもタイミングが合わず採用試験すら受けられない人が目をそむけたくなるほどいるのです。
多くの企業に応募しても1社面接の連絡が来れば幸運ともいわれており、新卒で就職できなかった場合は状況はさらに厳しくなります。
学生のうちに勉強しながら、制作会社でバイトをして、実務経験う積んだり、コネクションを作ったりすることもとても重要になります。
(参考:サウンドクリエイターの就職率 | 直伝・サウンドクリエイターへの道 | 2017年7月16日 )
それでもサウンドクリエーター目指すなら?
ここまでお話した通りサウンドクリエーターになるのは簡単なことではありません。
特に未経験から中途採用を目指すのは、極めて困難です。
とはいえ、学歴・新卒至上主義というわけではありませんので、まったくチャンスがないわけではありません。
大手ゲーム会社にいきなり入ることはできなくとも、音楽制作会社に勤めることでゲーム音楽に携わるチャンスを作ることができます。
音楽制作会社で、サウンドクリエイターとしての実績を積みつつ、ゲーム会社への転職を目指すという形になるでしょう。
もちろん、音楽制作会社でも、実際の作品を企業に送る必要はあるので、未経験から知識もなくなれるわけではありません。
コンテストなどでの入賞実績は評価されることがあるので、知識を付けたなら、積極的にコンテストに応募して実績を作るのが最初の一歩となります。