人材業界の転職


ライター:中村めぐみ

そもそも人材業界とは

人材業界とは、はたらく人にまつわるビジネスです。
「はたらく人」にまつわるビジネスは、職業紹介、企業人事、HR Tech、人材活用事業(研修、自己啓発)などを含めると多岐にわたります。
この記事では、伝統的な「求人広告事業」「職業紹介事業」「派遣事業」「請負事業」の4形態に代表される「人材サービス業界」の転職について解説します。

人材サービス業界のビジネスモデル

「求人広告事業」「職業紹介事業」「派遣事業」「請負事業」の4形態を併せた人材サービス業界の推定市場規模は約9兆円です。
介護サービスや電子部品、デバイス市場よりも大きくなっています。

2020年の労働市場と人材サービス産業の役割
(参考:「2020年の労働市場と人材サービス産業の役割」をリリースしました / 一般社団法人サービス産業協議会

求人広告事業

主にWebサイト、フリーペーパーなどメディアを通して、求職者へ求人情報を提供する事業。メーカー直販事業と代理店事業に更に細かく分かれる。前者は自社媒体を扱い広告費用で売上を上げる。後者は企業のニーズに合わせて複数媒体を提案したり原稿作成費用や取材の取りまとめ等で収益を上げるビジネスモデル。

代表的なサービスリクナビNEXTdoda、マイナビ転職

職業紹介事業

いわゆる「転職エージェント」。求職者と企業のマッチングを行い、採用が決定した場合年収の10~30%を紹介報酬として受け取るビジネスモデル。

代表的なサービスリクルートエージェントdodaマイナビエージェント

派遣事業/請負事業

就業者と雇用契約を結び、エンドユーザー企業へ人材を派遣し、賃金の支払い、社会保険の支払いを行う。派遣契約は「労働力」を提供し、請負契約は「労働の成果」を提供する。企業に派遣する派遣賃金から給与を差し引いた額が収益となる。

代表的なサービス:パソナ、ネオキャリア、テンプスタッフ

人材サービス業界の主要企業

国内の人材サービス主要企業といえば、「リクルート」「パーソル」「パソナ」の3社です。

リクルートホールディングス

リクルートホールディングス

リクルートホールディングスは、求人広告、職業紹介、人材派遣などを手掛けるリクルートグループの持ち株会社です。

グループ傘下のリクルート社では、新卒採用情報サイト「リクナビ」、転職求人情報サイト「リクナビNEXT」、転職エージェント「リクルートエージェント」など人材サービスの網羅的なサービスを提供し、国内の総合人材サービス企業としてトップの売上高を誇ります。
(参考:【2019年度最新版】売上高から見た人材業界地図 / HRog

転職ユーザー視点で見ると、リクナビNEXT(求人情報)、リクルートエージェント(転職エージェント)ともに国内最多の求人件数を保有しており、情報源として非常にありがたい存在でもあります。

パーソルホールディングス

パーソルホールディングス

パーソルホールディングスは、派遣事業の「テンプスタッフ」、転職サイト/エージェント事業の「doda」を主要サービスに据える国内2位の総合人材サービス、パーソルグループの持ち株会社です。

働く上で注目したいパーソルグループの特徴は、社内公募制度が整っているところです。半年に一度オープンポジションが公開され、社内ポータル経由で申し込んだ後、応募先の上長による選考が行われます。

たとえば人材サービスの営業担当者としてキャリアを積んだ後、「事業の立ち上げを経験したい」と考えた時に、タイミングさえ合えばパーソルグループ内でスタートアップ事業への参画を叶えられる可能性もあります。柔軟なキャリア形成をしたいと考える方はぜひパーソルグループへの転職を考えてみてはいかがでしょうか。

パソナ

パソナ

パソナは、派遣事業の「パソナ」、転職エージェント「パソナキャリア」などを展開する国内3位の総合人材サービス企業です。
パソナでは、人材サービス業界としては珍しくグループ全体として女性の活躍を推進し、女性のキャリア形成に理解の深い企業として知られています。

また社会貢献にも力を入れており、「酪農」と「食育」を学ぶ施設として、パソナ本社ビル内に「大手町牧場」を立ち上げたり、スポーツ選手のセカンドキャリアを支援するパートナーシップをプロサッカーチームと締結したりなどの取り組みもあります。

その他の主力企業

アデコ:スイスに本部を置く世界1位の人材サービス企業。
ランスタッドホールディングス:世界2位の人材サービス企業。本社所在地はオランダ
マンパワーグループ:アメリカ発、世界3位の人材サービス企業
マイナビ:人材派遣、人材紹介、就職/転職情報を提供する大手人材広告企業

未経験から人材サービス業界へ

未経験から人材サービス業界への転職では、無形商材の営業、接客系職種の出身者が有利です。
人材サービス業界は、求人広告もしくは人材を企業に提案することで収益が得られます。
つまり、営業力に懸かるビジネスモデルが殆どです。
営業出身者は歓迎されています。

「正社員転職エージェント」の営業職

人材サービス業界未経験の方は、まずは転職エージェントの法人営業担当を目指すことをおすすめします。

ユーザー企業にとって人材計画は経営戦略と密接に関わります。
そのため、転職エージェントにおける提案層は、経営者や大手企業の人事担当者(最終的にはマネジメント層)など意思決定者です。
無形商材の営業としてレベルが高いです。

年収500万円の人材を一人紹介することに成功すれば、成功報酬は50万円~150万円の売り上げ規模です。
また、大手エージェントに入った場合も医療系に特化した転職エージェント、税理士に特化した転職エージェントなど業界特化系の営業で2年でも経験を積めば、その「業界」に詳しい人材になれます。

もちろん簡単な仕事ではありませんが、ここで一定の実績を出せれば、無形商材の営業マンとしてキャリアが広がり、市場価値を高めることができます。
また、企業の人事部として転職をすることもできます。

キャリアコーディネーター(キャリアアドバイザー)

ホームページなどから申し込みのあった求職者に対し、キャリアカウンセリングや求人紹介、書類添削、面接対策を行い、内定(=成功報酬)の獲得につなげる仕事です。
企業と求職者、双方の都合に振り回されるため負の側面も語られがちです。
個人のキャリア形成を応援できる社会貢献性の高いお仕事でもあります。
女性も就業がしやすいところがポイントで、こちらも一定の実績を残せれば企業人事など周辺職種への可能性が広がります。

人材サービス業界からのキャリアチェンジ

人材サービス業界で一定の実績を出した後は、更に選べる仕事が広がります。一例を紹介します。

人材サービス業界→企業人事、リクルーター

人材サービス業界の営業職、キャリアアドバイザーの業務経験はそのまま企業人事、リクルーターとして活かすことが可能です。
転職決定率を数字を伴った実績で語れることや、自分なりにどのように候補者と関わってきたかなどがアピールポイントになります。

人材サービス業界→HRTech企業

近年日本でもSaaS市場が盛り上がっており、その中でも多くを占めるのはHRTechと呼ばれる分野です。オンライン面接システム、タレントマネジメントツール、労働管理システムなどがあります。
HRTech企業では人材業界での経験が重宝されます。

人材サービス業界の求人を探す方法

人材サービス業界の求人を探す方法は2通りあります。

①転職サイト

リクナビNEXT」「doda」がおすすめです。
リクナビは中小も含めた日系企業、dodaは国内企業に加え外資系企業の求人もあります。

②転職エージェント

転職エージェントであれば「リクルートエージェント」がおすすめです。国内最大の求人件数を保有していますし、国内トップ企業の職業紹介をユーザーとして体験しながら転職活動ができるのでおすすめです。

ちなみに筆者の知り合いはリクルートエージェントで転職活動をしていたがなかなか決定せず、最終的にキャリアアドバイザーの紹介で同社に入社しました。

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