Web広告会社・インターネット広告代理店の仕事と転職事情


ライター:Sota Katakawa
【PR】記事内に商品・サービスのプロモーションを含みます。

いま伸びているWeb広告業界への転職に興味があります。

インターネット広告代理店勤務だけど、現職の経験を活かしてステップアップできる会社を探しています。

2019年の総広告費は6兆9,381億円にも上り、インターネット広告費はその内30.3%にあたる2兆1,048億円だと株式会社電通の2019年 日本の広告費で発表されました。

インターネット広告は費用的には全体の3割にようやく到達したところですが、注目すべきはその成長率。前年比119.7%を出しており、さらに5年連続で成長率は10%以上をキープしています。

そして2019年には、ついにテレビメディア広告費上回りました!

インターネット広告費の推移
(引用元:2019年 日本の広告費|電通

更に細かく内訳をみてみると、モバイル広告費が初の1兆円を超え動画広告費も急成長を遂げて2,027億円に達するなど、実生活と密接に関連していることもわかります。

未経験の方からするとインターネット広告業界といえば「伸びてるし、最先端」のイメージがあるかと思いますが、はっきり言って企業や業種によって働き方はぜんぜん違います。

このコラムではインターネット広告業界のど真ん中で勤務する私が業界の実態と転職事情について語ります。

媒体別「日本の広告費」
(引用元:電通報 「2018年 日本の広告費」解説―日本の広告市場は前年比102.2%、7年連続のプラス成長

 

インターネット広告会社は種類がたくさんあって、働き方がぜんぜん違う

そもそもひとくちにWeb広告会社・インターネット広告代理店といってもとんでもない数の種類があります。

各社の転職事情と合わせて、ざっくりと解説します。

総合系
「Web広告なら何でもやります」という会社。聞こえはいいが特徴が見えづらいため、営業としてはかなりのスペックが求められる。勢い、どの広告技術に対しても浅い知識しか持てず営業会社的になりがち。転職先としてはあまりおすすめできない。
運用型広告代理店
GoogleやYahooなどの広告運用を代行する企業。手数料は20%が相場。結局はプラットフォームの機能に依存するので他社との差別化が特に難しい業界。最近はインハウス化の流れになっているため運用部隊を経験していると求人ニーズがある。
DSP系
第二のGoogleを目指して、広告プラットフォームそのものの提供をする会社。「Google・Yahooは使い切った」という会社が初めて検討するサービスなので、取引先は超大企業に限られる。一見最新のアドテクのようでいて、「結局Googleでよくね?」という気持ちにさせられるのも事実。
SEO
自然検索対策。アクセス解析と絡めた高額のコンサルティング型と、コンテンツマーケティング型に大別される(ハイブリッド型の場合も多い)。成果を上げるには幅広い知識と折衝能力が要求される。こちらも最近はインハウス化の潮流で、経験しておくとBtoB企業やEC企業からオファーがきやすい。しかし市場は運用型広告代理店に比べて小さく、その割に参入障壁の低さはダントツなので実は財務状態が良くない会社も多い。
アフィリエイトASP
アフィリエイト広告の運営母体。とにかく競合との差別化が難しく、昨今は営業としての入社はあまりおすすめできない。逆にメディアサポート側の業務を経験しておくと、特定業界において成果を上げるサイトの特徴やその施策を間近で見ることができるのでその先のキャリアにプラスに働きやすい。
メディア系
メディア運営によって会員を集め、メディア上の広告枠や会員に対するメルマガ配信サービスの販売によってマネタイズする企業。かっちりハマる企業にアプローチできれば受注しやすいため、営業として転職するならここか。しかし、SEOのアルゴリズムによって浮き沈みが激しいため、今後も伸び続けるメディアなのかをしっかりと見極める必要がある。
SNS系
SNS上の広告やインフルエンサーマーケティングを提供する企業。前者は「運用型広告代理店」が行っているケースが多い。後者は結局の所インフルエンサーとの交渉代行なので、スキルセットとして不安が残る。

こう見ると、あまりおすすめの業種ってないんですね・・・

いったいどうしたらいいのよ!!

すいません(汗)インターネット広告の転職先の選び方をお話ししますね!!

どんな会社を選ぶか、の前に、どんなプレイヤーを目指せばいいのかを知ろう

まず、インターネット業界でどんな会社を選ぶか、の前に、どんなプレイヤーを目指せばいいのかを知っておいてほしいと思います。

これはずばり、「しっかりと専門領域がありつつ、周辺情報を浅く抑えている人材」です。

例えば筆者はSEOを10年経験してきましたが、その中で生き抜くために色んな周辺知識を学びました。

結果、スキルセットはこんな感じになっています。

SEO軸のスキルセット

このようなスキルセットになっていれば、「SEOを必須要件として、運用型広告スキルも歓迎条件の求人」に対して有利な条件で応募できますし、仮に営業として配属されたときでも顧客と幅広いテーマで会話する事ができます。

また、専門領域となるスキルセット(ここではSEO)が将来的に陳腐化した場合でも、その気になればその時必要な専門領域にスイッチすることが可能です。

いわゆる市場価値が高い人材で居続けることができるわけです。
ではこういったスキルセットを構築するためにはどういった経験があると良いのでしょうか?

ポイントはふたつです!!

  1. 小さくてもいい。「知識」と「経験」を高いレベルで経験できる職場を選ぶ
  2. 運用と営業の軋轢が無い会社を選ぶ

(1)小さくてもいい。「知識」と「経験」を高いレベルで経験できる職場を選ぶ

インターネット広告業界は知的労働者の集合体ですから、この業界でキャリアアップするために重要なのは、「知識」と「経験」の引き出し量です。

例えば営業なら、「Facebook広告を試したい」と言われたときに、最近のユーザー傾向や設定上のポイントがスッと出てくるかどうか。
「ECサイトを作りたい」と言われたときに、ECサイト制作やその後の広告展開に携わった経験があるかどうか。

運用側の職種でも同様で、この幅が広ければ広いほど同僚から頼られますし、そういう方が出世します。

総じて、顧客含む関係者よりも幅広い知識と経験を持っているかが問われる仕事です。

ですから、この「知識」と「経験」を高いレベルで経験できる職場を選ぶべきです。

(2)運用と営業の軋轢が無い会社を選ぶ

Web業界に10年いて、常々感じることがあります。

それはこの業界は営業と運用のパワーバランスが悪すぎる、ということです。
あまりにも運用サイドの発言権が強すぎるのです。

なぜそうなるかと言うと、多くの企業で顧客の依頼を引き受けるかどうかを、顧客と会ったことが無い運用サイドが決定しているからです。

そのため、営業はヒアリング事項の「持ち帰り」が基本となり、どうしても顧客に対して「言い切る」ことができません。

典型的なのが見積もりです。「だいたいいくらぐらいになりそうですか?」という初訪の質問に対しても、「後日回答します」という実質ゼロ回答になってしまいます。

「ブログを自社サイト内に作るべきか、オウンドメディア化すべきか悩んでいる」と言われても、商談現場でどっちつかずの回答に終始する営業のなんと多いことか。

それもこれも、最終的な納品者である運用側の発言権が強すぎるあまり、「商談を断ることになる」という最悪の結末を恐れているからです。

私は、こういった状況が営業サイドも、運用サイド双方の成長を妨げていると考えます。なぜならどちらも厳しい与件を退け、保守的な仕事しかしないようになるからです。

しかし数こそ少ないものの、営業と運用が対等に、顧客の成果に真剣に向き合っている会社はあります。Web業界でキャリアアップしようと考えるのであれば、そういう会社を選ぶべきです。

そんな会社どうやって見分けるの?

営業と運用が対等である会社の見分け方は難しいのですが、いくつか方法があります。

営業パーソンのSNSでの露出が多い
こういった企業は営業側がしっかりとした知識と経験を持っていることが多いです。
面接官に頼んで営業と話をさせてもらう
思い切って営業パーソンの交渉力や見積もり決定のプロセスについて訪ねてしまいましょう。採用側が嫌がるようなことはほぼないはずです。むしろこうした積極的な姿勢を高く評価する会社の方が多いでしょう。
営業 = 運用の会社
これは奥の手です(笑)かなり多忙になるのがデメリットですが、将来的に独立も視野に入るレベルの経験ができるでしょう。業界未経験者にはおすすめしません。

書類選考や面接で効果的な自己PRの方法

無事に意中の会社が見つかって、いざ応募、という段階で気をつけていただきたいのが、自己PR文です。

先程お伝えした通り、Web広告業界で求められるのは「知識」と「経験」です。(何らかの専門領域があるとなお良いが、そうでなくてもチャンスは十分にあります)

自己PR文ではこの「知識」と「経験」が、応募先企業にマッチしたものであるとしっかりとアピールすることを意識してみてください。

最後に、「営業」と「運用」の例文を別々にご紹介します。

営業の例

私はECサイト制作会社の営業として3年間勤務し、月間トップセールスを獲得するなど実績を積んでまいりました。
結局のところ他社が「デザイン」を軸にした提案をする中、私はSEOなども絡めて「売れる」ECサイトを提案することに注力したのが成功の要因であったと感じております。
自分自身、制作よりも制作よりも集客や広告よりの知識が充実してきているのを感じまして、思い切って転職を決意しました。
御社はEC業界向けのWebマーケティングを強みとしていらっしゃいますので、売上意識してEC事業者様と折衝してきた営業経験を活かせるものと考え応募させていただきました。
取り扱い商材としてはアクセス解析を絡めたリスティング広告がメインだと理解していますが、認識は合っていますでしょうか?

POINT

  • 応募先企業の商材の特徴 = EC向けのWeb広告
  • 自分の知識、経験 = ECの売上に対する意識の強さ、応募先と同じ顧客に対する折衝力
  • 最後に質問を挟む

運用の例

私は化粧品の単品通販会社で広告運用担当として2年間勤務しております。
リスティング広告の運用をインハウスで担当できる環境を期待していたのですが、実際の運用は社長の繋がりの代理店に任せきりで私はその窓口担当になっているのが実態です。
売上は伸ばせましたが、インハウス化していればもっと成果は良くなっていたと思います。この2年間でGoogle・Yahooともに管理画面を十分使いこなせるようにもなっていますし、社長にも直訴したのですが、残念ながらかなわないということで転職を検討するようになりました。
御社は単品通販向き広告運用に強みがあると伺いましたので、元広告主側として自分の経験を十分に活かしながら即戦力として活躍できるものと考えご応募いたしました。

POINT

  • 応募先企業の商材の特徴 = 単品通販向けの運用型広告
  • 自分の知識、経験 = 単品通販経験、運用型広告のスキル

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(営業出身者の場合)多角的なアプローチによる「売れるサイト」作りの提案力

私はECサイト制作会社の営業として3年間勤務し、月間トップセールスを獲得するなど実績を積んでまいりました。
他社が「デザイン」を軸にした提案をする中、私はSEOなども絡めて「売れる」ECサイトを提案することに注力しておりました。これらの取り組みにより、営業スキルに加え、集客や広告よりの知識を習得しました。今回貴社が求める営業から運用まで1社に対して1人の担当者という点に合致していると考え、応募いたしました。

POINT

職務経歴書の自己PRで伝えるべきことは3つあります。
① 現職での実績
② 自信のある分野と、手掛けたプロセス
③ ①と②を応募先でどのように活かすつもりなのか
この3つを押さえることで、志望意欲と、これまでの経験がつながっていることをアピールできる内容になります。例文を参考にあなたなりにカスタマイズしてみましょう。

(Web広告担当経験者の場合)コンバージョン最適化のための運用設計力

リピート型化粧品ブランドのWeb広告運用案件において、従来クライアント側で広告を運用していたものの、1年間を通してのCVRにばらつきがあるので改善したいという相談を受けました。そこで過去事例を研究し、季節によってターゲティングや出稿媒体のボリュームを細かくチューニングすることを提案し、受注、運用まで担当致しました。

結果、目標達成率〇〇〇%を実現し、お客様からも「頼んで良かった」とのお褒めのお言葉を頂きました。

貴社が求めるインハウスマーケターとして、代理店で多くの事例を研究した経験を活かせると考え、応募いたしました。

(Webサイト運用出身者の場合)課題を解決するWebサイト構築

20xx年に自社ECサイトを大規模リニューアルいたしました。リニューアル前のWebサイトは商品ページの羅列で、顧客が求めている課題解決や、ライフスタイルの提案をする魅力的なコンテンツがないことが課題でした。そこで、実店舗で接客しているスタッフや、これまで購入したユーザーへアンケートを実施。顧客のことだけではなく、顧客を取り巻く市場環境や生活スタイルについて掘り下げることで、商品ページだけではなく課題解決用のブログページも制作致しました。

その結果、リニューアル後のECサイトは、期間内のPV数が目標に対し150%を実現致しました。

今回貴社がECサイトの運用代理担当を求めていると知り、この経験が活かせると思い志望いたしました。

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