未経験・文系からアクチュアリーになるには?資格や仕事内容を理解しよう。


ライター:Sota Katakawa

この記事はアクチュアリーを目指す未経験者の方のための内容です。経験者の方はこちらを御覧ください。

生命保険・損害保険・年金保険分野で活躍し、数理のプロフェッショナルの仕事といわれるアクチュアリー。

高度な数学的な知識が注目されがちな仕事ですが、実は物事をわかりやすく伝える能力が求められる仕事でもあります。

理系出身者のイメージも強い仕事ですが、文系、ましてや未経験からでもアクチュアリーになるのは可能なのでしょうか?

アクチュアリーにご興味のある学生・社会人の方に向けて、アクチュアリーになるためには、どのような取り組みをすれば良いのかというお話を進めていきます。

 

そもそもアクチュアリーとは?

アクチュアリー(英:actuary、日:保険数理人)は、統計学など金融工学の数理的知識や経験を活かし、数理のプロフェッショナルとして、金融商品(生命保険商品・損害保険商品)を設計する仕事です。

アクチュアリーが活躍するのは、保険会社や銀行です。保険や年金などの適正な保険料の算定、金融商品の開発などを行うのです。

運営側である金融機関が得る利益と、不幸があった方がまとまったお金を受け取るリスクヘッジが両立できるよう、商品を設計する仕事です。

利益と保険を両立させる計算をするのがアクチュアリーの仕事

はるか昔、海上貿易がまだ大変なリスクであったころ、海難事故や海賊の襲来に備えて少額の出資を募り、損害が起こった場合はその中から補填する仕組みを作ったのが保険の成り立ちだと言われています。

ロイズとスーパーモデル、ハイディ・クラムのスポンサーであったP&Gが彼女の脚に2億ドルの保険を契約したのも有名な話ですよね。

このときに集まる掛け金と事故が発生したときに保証金を支払う条件や金額を綿密な計算により決定するのがアクチュアリーの仕事です。

アクチュアリーは掛け金と保証のバランスを設計する

アクチュアリー(保険数理人)の起源

アクチュアリーの起源は1762年にイギリスで不特定多数の人を対象とした「生命保険」という事業が生まれたのが発端とされています。

加入者にとって公平となるよう、様々な条件に応じて掛金が変わるというものだったことから、確率論・統計学などを用いて、毎月の支払額や掛金を計算する必要が生まれて「アクチュアリー」という専門職が生まれました。

アクチュアリーの仕事内容

現代社会におけるアクチュアリーの仕事はひとことで言ってしまうと保険商品のプライシング(値付け)です。

保険事故の統計データを導き出し、掛け金を決定するのです。
統計データというと年代別の疾病率や死亡率、自動車事故の成立などがわかりやすいところですが、保険会社は集めたお金を投資して「運用」しますのでこの運用益のシミュレーションも値付けに影響する重要な要素です。

保険商品の掛け金は「リスク」と「運用益」のシミュレーションによって決定される

アクチュアリーが活躍する組織の代表例は以下のようなものです。

  • 生命保険会社
  • 損害保険会社
  • 年金(信託銀行、政令指定都市、監査法人など)

見えない未来を数字で予想し切り開く実感や大きな金額を動かしているという快感(取り扱い高は余裕で億単位となります)はアクチュアリーのやりがいのひとつです。

一方で自身が導き出した試算が誤っていた場合、組織に大きな損失が発生することになります。この部分は明確な評価・査定基準となりますので、プレッシャーのある仕事でもあります。

普段は何をしているの!?

アクチュアリーは、普段からエクセルやBIツール(データの分析・計算ツール)をガリガリ活用して仕事をこなします。

エクセル、BIツール、Pythonはかなり利用します

さらにエクセルではとても処理しきれない膨大なデータ量を扱うので、自分でプログラムを書いたり(ビッグデータの処理が得意なPythonが多い)や外注先に依頼したりして独自の計算システムを用意することもしょっちゅうです。

理系の方が親しみやすい」といわれるのはこのためですが、本質的に重要なのは因果関係を正しく整理する論理的思考力。この素養と努力する気持ちさえあれば文系の方でもチャレンジできる仕事です。

異業種出身の方はこんなところをアピールしよう!

さらにアクチュアリーにはコンサルタントとして経営陣や専門知識の無いメンバーに社会における複雑な事柄をモデル化して易しく説明をする役割も求められます。
一般にデータの分析能力と説明・コミュニケーション能力を両立している方が少ないため、異業種出身で論理的・感情的折衝能力を磨いているとアクチュアリーの仕事において大きなアドバンテージになります。

アクチュアリーの年収は?

それでは、高難易度の試験に合格し、アクチュアリーとして働き始めたあとの年収はどのようなものでしょうか?

アクチュアリーの平均年収の範囲はおよそ1,150~1,380万円といわれています。

  • 正会員:1,200万円
  • 準会員:1,000万円
  • 研究会員:600万円
  • 生命保険会社:1,350万円~
  • 損害保険会社:1,360万円~
  • 銀行などの金融機関:1,200万円~
  • 外資系企業:2,000万円~
  • 会計監査:1,000万円~
  • 年金数理人:1,000万円~

高度な仕事だけあってその年収は勤務先に関係なく1,000万円をオーバーしています。
単にスケールが大きくてやりがいがある仕事、というだけでなく、苦労に見合った報酬も得られる魅力的な職種です。

アクチュアリーには、試験合格は避けて通れない?

日本においてアクチュアリーとは日本アクチュアリー会が毎年実施している「アクチュアリー資格試験」合格者とほぼ同義です。(試験合格者しか正式な「アクチュアリー」を名乗れません)
全5科の合格とプロフェッショナリズム研修(初期教育)の受講が必須です。

受験資格

アクチュアリー資格試験は大卒のみ受験可能ですが、出身学部による制限はありません。
文系出身者でも、試験に合格さえすれば、アクチュアリーになることはできます。

難易度

ただし難易度としては有名な資格の公認会計士や弁護士と並ぶくらい難しいといわれています。試験に専業で打ち込んだ上で数千時間の学習時間が必要です。(公認会計士試験の勉強時間は約3,500時間)

アクチュアリーでは1科目あたりの勉強時間が200時間程度は必要といわれています。
正社員として働き始めるまでに平均8年はかかるという人もいます。

資格試験をパスしていなかったり科目合格だったりでもチャンスはある!

しかし、せっかくアクチュアリーを目指すのであれば何も資格合格まで手を拱いている必要はありません。

リクナビNEXTには資格試験をパスしていなっかたり科目合格でも応募可能な求人も目立ちます。(以下の求人では資格必須ではなく「尚可」扱い)

リクナビNEXT求人票_アクチュアリー

アクチュアリー研究会員というのは1科目以上合格者の通称です。リクナビNEXTの求人のほぼ100%は正会員(全科目合格者)ではなく研究会員を対象としていました。

アクチュアリーは難関資格であるにも関わらず需要が増す一方なので、門戸は広がってきているのです。
位置づけとしては「アクチュアリー見習い」といったポジションになりますが、こういった環境で仕事ができれば難しい資格勉強の内容もリアリティをもって頭に入りやすくなるというものです。

もちろん入社後に資格合格までこぎつければ大幅な年収アップが見込めます。

なんとか未経験からアクチュアリー見習いとして入社を目指すための転職戦略

それでは最後に、なんとか未経験から(資格も未合格の状態で)アクチュアリー見習いとしてもぐりこむ目指すための転職戦略をご案内します。

なんとか未経験からアクチュアリーを目指す!

能力面のアピール

アクチュアリーの素養として第一はなんといっても、数理的な知識の素養がずば抜けていることです。
大学時代の研究論文などがあればアピール材料にしましょう。

加えて、金融工学の世界で英語の最新文献を読み込んだり統計のために海外の調査データを引用したりことも多いため語学力(特に英語)はかなり高く評価されます。

実際の現場では英語を話せる必要はなく、翻訳ツールを使いながら内容を理解できれば十分ですから、短期での留学経験や趣味の海外旅行等、とにかく「英語にアレルギーがない」ことを訴求してください。

経験面

生命保険会社や損害保険会社、金融機関(銀行)での勤務経験は高く評価されます。それら出身の場合は存分にアピールしましょう。

もし全くの異業種からの転職の場合、正直いますぐにアクチュアリーを目指すのは厳しいです。まずはマイナビエージェントで地銀や保険会社の求人を紹介してもらうところから入るのがベターです。

性格面

アクチュアリーになるのに向いている人は世の中の様々な事象に対しての好奇心が旺盛な方に向いています。特にその好奇心が金融に向いているとなおよしです。

プラスアルファで経営陣や関係者に対して自らの調査結果やモデルをわかりやすく伝えなければなりませんので論理的説得力がある方が重宝されやすい世界です。運良く面接までこぎつけた場合は「結論→理由」のはっきりした話し方を心がけてください。意外と愛想の良さも重要です。

転職エージェントの活用

マイナビエージェントリクルートエージェントをおすすめします。

というのも、リクナビNEXTのように自分で応募するタイプの転職サービスですと、どうしても経験者や科目合格社(研究員)に対して見劣りしてしまい、やみくもに応募した結果書類選考落ちが相次ぐことが予想されるからです。

マイナビエージェントなどの転職エージェントを使えば、そもそも未経験者を歓迎している企業を教えてくれますし、選考を通過するポイントをふまえて職務経歴書を添削してくれます。(中には事前に採用担当者に根回ししてくれることもあります)

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