一般事務のキャリア形成は難しい?未経験、経験者が転職でキャリアアップするには。


ライター:中村めぐみ

エン・ジャパンの調査によると、キャリアチェンジに興味がある女性の7割はバックオフィスへの転身を希望しています。なかでも、「一般事務」は最も人気の高い職種です。*1

一方で、キャリアコンサルタントのレポートによると、大企業を中心に一般事務職は非正規雇用やアウトソーシング化する流れがあり、正社員の求人は減少傾向です*2
実際に筆者が大手企業で働いていた時、一般事務で正社員の方は勤続歴20年以上の女性が殆ど。
その方以外は全て派遣、パート社員の方でした。

一般事務を目指す理由は人それぞれですが、待遇の安定や体力的な楽さを求めて転職活動をすると、非正規の雇用の求人ばかり、という状況に陥りかねません。そしてこの状況が、転職活動の長期化や、新たなモヤモヤを生むことも……。

今回はこれから事務としての転職を考える方へ、仕事内容とキャリア形成についてお伝えします。

*1 参照:キャリアチェンジに興味がある女性の7割はバックオフィスへの転身希望。一般事務が一番人気。理由は「収入アップ」「体力的に楽」「土日休み」。

*2 参照:転職市場予測2020上半期 事務・アシスタント

 

一般事務の業務とは

一般事務の業務は以下のようなものがあります。

業務 内容
郵便物・FAXの仕分け、配布 グループ内に届いた郵便物・FAXの仕訳と配布
来客対応 営業部員や上司への来客受付、案内
電話対応 会社、部署の代表電話の電話を取り次いだり、不在者へのメモを残したりします。
書類作成 請求書、受領書、送付状、お礼状などの作成、管理
消耗品発注/在庫管理 文房具やコピー用紙などの在庫管理、発注

関連職種

一般事務職が、営業・マーケティング・経理など、バックオフィスのアシスタント業務を一部担当、兼務することも。
こうしたお仕事は、「営業事務」「マーケティング事務」などのように、職種+事務(もしくはアシスタント)という形で表現されます。

職種 業務内容
営業事務 お客様への対応、見積書作成、営業部員不在時のフォロー等
経理事務 小口現金の管理、伝票管理、取引の仕訳、経費精算、各種支払等
人事事務 入退社手続き、給与計算、勤怠管理等
マーケティング事務 データ分析、マーケティング資料作成等

大手企業では業務の分業化が進んでおり、中小企業ほどさまざまな業務を兼務にあります。スタートアップ企業では、「バックオフィス全般の一号社員」として雇われることが多く、一般的な「事務員さん」の概念からは離れます。
面接や面談の際は、その企業で求められている業務範囲がどこまでなのかを確認すると良いですよ。

一般事務でキャリア形成をする難しさ

一般事務のキャリア形成の難しさは、「正社員募集が少ないこと」に集約されます。

正社員募集が少ない

大手企業を中心に、一般事務職はアウトソーシング化の流れがあります。「一般事務はコストを生み出さない部門」という認識を持っている経営者が多いためです(本当はそんなことないのですが)

2017年秋、三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ(FG)、三井住友FGと3メガ合算で、数年かけて約3万2000人分の「業務量削減」方針が報じられた。

新卒採用も当然抑制され、最も大幅に減らすみずほFGでは、2017年卒では1100人程度採用していた一般職を、2019卒では200人にまで絞る。

「価値を生まない仕事は減らしたい。自動化したいという狙いです」

引用元:消える一般職、事務職正社員の需給ミスマッチ——「価値生まない仕事」は自動化される」 / BUSINESS INSIDER

また、非正規雇用でもいいから一般事務に、という考えのもと入職すると、働き方への落とし穴が待っていることも。

2020年にコロナウイルスで緊急事態宣言が発令された際、直接雇用社員はテレワークになったにも関わらず、派遣社員は通常通り出勤するように命じられたり、時差出勤が認められなかったりするという相談や事例が多く寄せられていました。*3

*3 参照:野放しの「やむなく出社」 追い詰められる派遣社員

実際に私の周りでも、契約社員の女性だけ、郵便物やFAXを仕分け作業のために出社を命じられてた、という事例がありました。

未経験から事務職で長期的なキャリアを描く4つの方法

「楽そう」「土日休み」というきっかけで一般職を目指しても良いと思います。
そのきっかけづくりのために、非正規雇用からスタートするのも、もちろん良いと思います。
しかし、安直に非正規雇用を続けるのは考えものです。給与が上がりにいことはもとより、主体的なキャリアプランが描きにくいです。

おすすめのキャリアプランは4つあります。

(1)派遣社員として1年間経験を積んだ後、正社員を目指す

大手企業グループのシェアード会社からの派遣社員として事務経験を積んだ後、正規雇用を目指すやり方です。

dodaのレポートによると、

企業グループ内の事務系の業務を集約して担当するシェアード会社やアウトソーシング会社などでは、引き続き豊富な求人があるでしょう。さまざまな企業の事務を担当することで、業務の幅が広がって応用力がつくというメリットがあります。シェアード会社は大手企業のグループであることが多いため、会社としての安定感があり、福利厚生や産休・育休の実績が多いことも魅力です。

とあります。

シェアード会社の雇用形態としては2種類あります。

  • シェアード会社の正社員として就業する方法
  • 派遣社員としてシェアード会社に登録し、求人の紹介を待つ方法

前者は大手企業のグループ会社で、後者はシェアードのビジネスモデルを採用している派遣会社です。
ただ現在では、派遣会社の方が求人が多くなっています。
東京都内であれば、未経験では時給1,200円~1,600円程度からになります。
月給ベースでは20万円弱~25万円あまりになり、都内での一人暮らしは厳しいけれど、何とか生きていくことはできます。
せいぜい1年もあれば一般事務に必要なスキルは一通り吸収できますので、その後正社員雇用に向けて即動きましょう。

一般事務に必要なスキルは、バックオフィス系職種全般に必要な基礎スキルです。

そのため、一般事務スキルを吸収すれば、事務以外のバックオフィス系職種の正社員を目指すこともできます。

バックオフィス系職種には、営業、広報、マーケティング、調達購買などがあります。
これらの職種をサポートするアシスタント職種を目指すと良いでしょう。

(2)人柄採用の管理系事務職正社員を目指す

業界に特化した管理系事務職の正社員を目指す方法があります。
管理系事務職とは、「その会社に特化した管理・事務職全般」になります。

管理系事務職の業務範囲は

  • 業界に特化した資料作りが求められる
  • 受付業務、スケジュール管理などとも兼務
  • 協力会社との連携
  • 営業支援

など、一般事務よりも、「その会社に特化したなんでも屋さん」としての役割が求められることが多いです。

業界に特化した知識が求められる分覚えることは多いのですが、一定のやりがいがあります。

このポジションの募集は、中小企業が多いです。
中小企業では万年人手不足で、募集してもなかなか良い応募がないという悩みを抱えています。
そのため、やる気をアピールすれば採用の可能性は高まります。

事務所の中で何役もこなさなければいけないこと、業界によっては在宅ワークが厳しいことなどがデメリットです。
興味のある方は一度面接で話を聞いてみることをおすすめします。

管理系事務職の求人は、リクナビNEXTに掲載されています。

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(3)スタートアップ企業のバックオフィス正社員を目指す

スタートアップ企業のバックオフィス職として、正社員雇用を目指す方法です。
スタートアップ企業のバックオフィス職には、バックオフィス全般を担う総務、インサイドセールス、Webメディア運営、PRアシスタントなどがあります。

「一般事務」のイメージとは離れるかもしれませんが、やりがいも高くスキルもつくのでおすすめです。
創業数年以内のスタートアップ企業では、ポテンシャル(未経験)採用をしているケースもあります。

そして、大手企業と比べると待遇面でどうしても一歩遅れを取ってしまうことから、フルリモートOKの勤務形態がとれることもあります。

ただ、リモートワークOKと言っても、「Google Meetをつなぎっぱなしにする」「PCを常に監視」など、チェック体制の厳しい会社もありますので、その点には注意が必要です。

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(4)事務専門職の正社員を目指す

「一般事務」ではなく、何らかの専門職に絞って正社員採用を目指す方法です。
(未経験からのチャレンジでは、少々難易度が高いかもしれないのですが、頭に入れておくと良いと思います)

事務・企画部門にはさまざまな仕事があります。

  • 人事
  • 総務
  • 経理
  • マーケティング
  • 営業(インサイドセールス)

一見ハードルが高いようですが、社風と合う未経験者を育成して戦力にする、という方針をとる企業もあります。そういった企業へ滑り込み、3年も経験を積めばその道のプロになれます。

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