Webマーケターは数多くのマーケティング手法を用いて消費者にアプローチします。
一口にWebマーケターといっても、広告代理店に所属する場合と事業会社に所属する場合で立ち回りは大きく異なります。
勤務先によっては「自分イメージしていた仕事と違う」ということにもなりかねません。
「Webマーケターを目指す」と決めた方は、まずどのような手法があるのかを把握して、自分がどのようなWebマーケターになりたいのかをはっきりさせましょう。
そのために本記事では、Webマーケティングの代表的な手法一覧について解説していきます。
Webマーケティングの手法よりも先に、Webマーケターについてもっと知りたいという方は、こちらも合わせてお読みください。
Webマーケティングの代表的な手法
Webマーケティングの代表的な手法には以下のようなものがあります。
- 1. Webサイト・サービスのコンテンツの企画
- 2. Webサイト・コンテンツのUIの向上
- 3. SEO(検索エンジン最適化)
- 4. LPO(ランディングページ最適化)
- 5. Twitter、InstagramなどのSNS運用
- 6. 広告の提案
1. Webサイト・サービスのコンテンツの企画
Webマーケターを目指している方なら、「コンテンツマーケティング」という単語を聞いたことがあると思います。
コンテンツマーケティングとは、Webサイトやサービスのユーザーにとって価値あるコンテンツ※を制作し発信することで、自社のファンを増やし、短期的な売上だけでなく中長期的な収益の獲得を目指すマーケティング手法です。
※「コンテンツ(content)」という英単語は、「内容」や「目的」という意味です。
コンテンツマーケティングで企画・改善する「Webコンテンツ」は、「内容」の意味に近く、WebサイトやSNS上のテキストや画像、動画といったユーザーが目にする情報全般を指します。
例えば、「乾燥による肌荒れに悩んでいる女性」が「肌荒れ ケア」とGoogleで検索すると、美容関係の情報をまとめたサイトが表示されます。
そうしたサイトでは、「肌荒れの原因」「原因ごとに考えられる対処法」「そもそも肌荒れを起こさないための日ごろのスキンケア方法」などの情報が載っています。
乾燥による肌荒れに悩んでいる女性は、このサイトを訪れることで、現状の問題が解決されるだけでなく、次に肌のトラブルがあったときにもこのサイトを確認すれば解決できそうだと感じるでしょう。
継続的に利用すれば、見込み顧客がサイトのファンになっていきます。
別の肌トラブルが発生したときに、信用できる情報を提供するサイトが、スキンケア用品を生産・販売していれば、購入に至るユーザーも出てくるでしょう。
これは、Webサイトを利用したコンテンツマーケティングの例ですが、YouTube動画やSNSを利用したコンテンツマーケティングも存在します。
2. Webサイト・コンテンツのUIの向上
Webサイト・コンテンツのUIは、ユーザーに継続して利用してもらったり、製品の購入や会員登録をしてもらうために非常に重要です。
趣味の情報収集をしていて訪れたWebページのデザインが古すぎて、読む気にすらならなかったという経験がある方は多いのではないでしょうか。
会員登録や商品の購入ボタンが一目でわかるようになっていることは、登録率や購入率に大きく影響します。
WebマーケーターはこうしたUIの改善も行います。
3. SEO(検索エンジン最適化)
「SEO」とは、「検索エンジン最適化(Search Engine Organization)」のことで、特定のキーワードにおいてGoogleなどの検索エンジンでWebサイトを上位表示させるための施策です。
ほとんどのユーザーは、特定のキーワードで検索した際に、上位表示されているサイトから訪問しますので、SEO対策により検索順位を上げることができれば、継続的な集客が期待できます。
施策の実施から、検索エンジンでの評価が上がるまでに時間が掛かるため、即効性はありませんが、Web上での広告と違い、継続的なコストがかからないため、長期的に見れば費用対効果が高い施策です。
4. LPO(ランディングページ最適化)
LPO(ランディングページ最適化)とは、ランディングページ※の改良・改善を行う施策です。実店舗で言えば、来店した顧客への接客に相当します。
※ランディングページ(LP)とは、ユーザーが最初にアクセスするページを指します。
Web広告をクリックした際に遷移するページのように、訪問者の目的がはっきりしているページでは、情報が網羅的に記載されていることよりも、求めている情報が目にとめりやすいこと、情報を得て意思決定した場合に、製品の購入や会員登録、問い合わせなど、アクションを行いやすくなっていることが重要です。
LPOでは、どんなユーザーに向けて、どんな行動をとってほしいのかといった目的を整理し、その行動に結びつけやすくするためにページの改善を行います。
また、目的が定まっている場合でも、ユーザーの滞在時間や離脱率などを確認して、現状のページの問題点を発見するのも仕事です。
5. Twitter、InstagramなどのSNS運用
SNSを利用したマーケティング手法です。
主にユーザーに向けた認知度の向上や、集客を目的に行います。
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに、自社アカウントや社内インフルエンサーのアカウントを開設し、自社商材の紹介や顧客との直接的なやり取りを行います。
SNSから、直接製品の購入や会員登録をめざすというよりも、継続的な情報発信によるブランド名・社名の認知度アップが目的で行われます。
SNSを用いたマーケティングとしては、土屋鞄製造所が有名です。
FacebookやInstagramのアカウントでは、製品の写真だけでなく、旅行先で製品を利用している様子などを投稿しています。
土屋鞄の製品は長く使用することを想定して作られているため、顧客も購入までに時間をかけて検討することが多いという特徴があります。
そこで、SNSを利用して「使用シーンのイメージ」「経年変化の様子」などを提供することで、検討中の顧客に向けてより多くの具体的な情報を提供することにしたのです。
その結果、SNS投稿で関心を持ったユーザーが、ブログやカタログを見て情報収集し、ECサイトや実店舗で購入する、という流れが生まれ、大幅に売り上げの増加につながったといいます。
6. 広告の提案
広告の運用とは、Webマーケーターの代表的な仕事ですが、運用する広告の種類は数多くあります。
代表的なものだけでも、以下の6つがあります。
- 純広告
- リスティング広告
- リターゲティング広告
- アドネットワーク広告
- アフィリエイト広告
- SNS広告
それぞれ簡単に説明すると、
純広告は、特定のWebサイトやアプリの広告枠を買い取って掲載する広告。
リスティング広告は、検索結果に連動して表示される広告。
リターゲティング広告は、自社サイトを訪問したユーザーを追跡しサイトを離れた後に表示する広告。
アドネットワーク広告は、複数の媒体で形成されたネットワークにまとめて配信する広告。
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターのブログやSNSなどに設置してもらう広告。
となっています。
それぞれに一長一短があり、運用の際に最適なものを選ぶ必要があります。
また、広告を配信する時間によって成果が大きく異なる場合も多いので、運用しながら最適な方法を柾くしていく必要があります。
Webマーケーターの所属先と行える施策
ここまで、Webマーケティングの手法については、簡単にご説明しました。
Webマーケーターに目指されている方は、興味のある施策などはあったでしょうか。
気になる施策が見つかった方が、注意しなければならないのが、所属する企業によって主に行う施策が異なる点です。
Webマーケーターが所属する企業は大きく分けて「非インターネット系の事業会社」「インターネット系のサービス提供会社」「広告代理店/コンサルティング会社」「マーケティングシステム提供会社」4パターンあります。
それぞれの特徴に合わせて行う施策も変わってきます。
以下の一覧表を確認して、気になる施策を行える企業を目指すようにしましょう。
※スマホからご覧の方はスライドさせてご覧ください
非インターネット系 事業会社 |
インターネット系の サービス提供会社 |
広告代理店/ コンサルティング会社 |
マーケティング システム販売会社 |
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Webサイト・ サービスの コンテンツの企画 |
◎ | ◎ | ||
Webサイト・ コンテンツの UIの向上 |
◎ | ◎ | ||
SEO (検索エンジン 最適化) |
○ | ◎ | ◎ | |
LPO (ランディングページ 最適化 |
◎ | ◎ | ||
Twitter、 Instagramなどの SNS運用 |
◎ | ◎ | ○ | |
広告 の提案 |
◎ |