会社に嫌気が差した方に多いのですが、転職先が決まる前に退職してしまう方がいます。
転職経験者の約75%は働きながらの転職をおすすめしています。
少なくとも一社から内定が出るまでは退職してはいけません。
(画像引用:「働きながら転職活動」と「辞めてから転職活動」どっちがいい?経験者500人アンケート調査 - Biz Hits - 2021年3月16日)
内定が出る前の転職をおすすめしない3つの理由
01. 金銭面の心配をしなくても良い
株式会社ビズヒッツが転職経験のある男女500人を対象に行った「転職活動に関する意識調査」では、全体の約75%に及ぶ371人が「働きながらの転職活動」をおすすめしていますが、その理由として最も多かったのが「金銭面の安心感がある(228人)」という回答でした。
もし「失業手当が出るのだからしばらくは大丈夫だろう」と考えている方はすぐにその考えを改めてください。
私自身、次の就職先の当てもなく、そもそも何をしたいかも決めずに退職願いを提出してしまった口です。
その結果、6ヶ月以上の間定職が決まらず、アルバイトをして凌ぐ日々を送ってしまいました。
ちなみに自己都合の退社の場合、失業保険は3ヶ月間おりません。
離職後に職業訓練受講給付金(求職者支援制度)を利用することで自己都合の場合でも即座に失業保険同等の金額を受給する方法はありますが、人気のコースはだいたい定数に達してしまいますので、このような場合、退職してからの期間が長い方から優先的に入校できる仕組みなのです。
若かった私もネットの情報を鵜呑みにしてこの事実を知らず、見事に無収入となってしまいました。数ヶ月の間、浅草の天丼屋でアルバイトをしたのですが、毎日パートのおばさんに怒られていました(笑)
正月もバイトに入っていたのですが、前職の先輩が家族でやってきたのを見て、絶対に成功すると宣言した私は後ろめたさから挨拶もできず、隠れるように配膳台に隠れていたのを思い出します。(当然その時も叱られました)
あのような惨めな思いを、みなさんにして欲しくないと思います。
あなたには3ヶ月間無収入でやり過ごせるほどの貯金がありますか?(ちなみに仮にそれがYESだとしても、私はそのような道を選択してほしくありません。若いときの職業経験は、何にも勝る貴重な時間だと考えるからです)
ちなみに当然上記の期間は無収入です。ご自身の給与明細を見たことがある方はご存知だと思いますが、毎月びっくりするぐらいの税金が引かれていると思います。
- 健康保険料
- 所得税・住民税
- 社会保険料
- 厚生年金保険
・・・などです。おそらくお給料の1/5~1/6程度だと思います。
退職後、数カ月~1年間はこれらをそのまま支払わなければなりません。退職後しばらくすると担当公的機関から納税のための書類が届くのですが、その金額に驚くと思います。
たとえ退職金をもらっていたとしても、これらの税金が猛烈な勢いで家計を圧迫します。
02. 先に退職すると焦りが生まれやすい
先述の調査で「金銭面の安心感がある」という回答に次いで多くの回答者が働きながらの転職活動をすすめた理由が、「精神的な余裕をもてる」というものです。
これは金銭面の問題がないこととも大きく関係しています。
実際に転職活動をしてみるとわかるのですが、いくらスムーズにいったとしても最初の内定まで1ヶ月はかかります。状況や経験によっては1ヶ月・2ヶ月とかかることも珍しくありません。
そもそも、転職活動は2~3ヶ月かけて集中的に取り組むのが一般的です。
転職活動をしながらアルバイトをしていても、貯金はどんどん減っていきます。金銭的な問題は、転職活動を行える期間の事実上のリミットとなるのです。
じわじわと減っていく預金残高を見れば、普通の方なら当然焦りの感情が生まれます。そして、焦りは妥協を生みます。
転職活動での妥協は目的を放棄することです。その結果、後悔だけが残ります。
03. 無職の期間が長く続くと履歴書に傷がつく
先述の調査で、働きながらの転職活動をすすめた理由として3番目に多かったのは「キャリアにブランクができない」というものです。
私は本来、履歴書などどうでも良いと考えています。大事なのはその人が養ってきた知識や技能と培ってきた人柄です。人間は履歴書の経歴をコレクションするために働いているわけでは無いからです。
しかし、もし履歴書に3ヶ月以上の空白期間があったとしたら、ほとんどの面接担当者が「この期間は何をしていたのですか?」と問うでしょう。前述のような価値観を持つ私でも聞いてしまいます。
もしあなたが天丼屋のバイトで日々をしのいでいたとしたら、なんと答えますか?
ちょっと無計画に仕事を辞めちゃいまして・・・バイトをしています
なんて受け答えでは相手も不安になってしまうことでしょう。どの会社にも受からなかったレベルの低い人、という烙印を押されてしまうかもしれません。
会社に勤めながらでも転職活動は可能
多くの企業は中途採用の面談を平日定時後に実施してくれます。どの人材紹介会社もオンラインで求人票を閲覧できるプラットフォームをもっています。
リクルートエージェントは専用のアプリから志望企業にエントリーできますし、dodaはLINEで担当エージェントと連絡を取ることができます。
現職に勤めながらでも転職活動は可能なのです。
実際に、先述の調査でも回答者の半数以上は働きながら転職活動をしています。
内定が出るまで退職届を出すのは避けましょう。