転職活動で大事なのは自己分析より企業分析

前のページで自己分析について触れました。実は転職活動では自己分析よりも「企業分析」の方が大切です。人事の立場から企業分析のポイントを解説します。

自己分析はひとりよがりになりがち

よく新卒採用の現場では「自己分析が大事だ!」と言われます。

しかし筆者は転職活動において(実は学生の就活でも同じだと考えているのですが)、自己分析にこだわりすぎる事をおすすめしません。

自己分析は「アレがしたい、コレがしたい」もしくは「あれが嫌だ、これが嫌だ」といったひとりよがりな視点に陥りがちだからです。

自己分析ばかりしていると、転職活動で重要なある視点が欠けてしまうのです。

転職活動で最重要な「ある視点」とは

これから転職活動において最も重要な事実をお伝えします。

それは面接官は「やる気がある人」ではなく「自社に合っている」人を探している、ということです。

採用者は、「私は御社でこんなことがしたいんです!どんなことでもやります!」という人ではなく「私はAという経験があるので、Bというスキルがあり、Cに力を入れている御社のお役に立てると思い参りました。」という人に内定を出します。

そのためには自己分析で自分のスキルを理解することと応募先である相手企業をよく理解すること、両方が必要なのです。企業分析の出番です。

企業分析のポイント

企業分析、といっても社内を覗くことはできませんので、求人票とGoogleを使って調査するレベルで十分な情報が得られます。見るべきは以下のようなポイントです。

  • 業界の今後
  • 会社としての業績はどうか
  • 世間からどのように思われているか、またその実態は
  • 主力製品・サービスは何か
  • 今後力を入れようとしている新製品・サービスはないか
  • 競合企業はどこか、またそことの違いは
  • 今回の求人はなぜ必要になったか(これは推測するしかない)
  • 募集職種の仕事内容はどんなものか

・・・などなど。経験職種、業界の場合この辺りの類推が容易なので転職活動がスムーズに運びやすくなります。入社後に自分がどんな仕事を任されるのか、イメージしやすいですよね。

一方で未経験職種への転職が難しい理由のひとつがここにあります。イメージがつきにくいため、つい自己(中心的な)PRになってしまいます。

裏を返せば未経験でも業界や仕事内容を理解することが未経験職種への転職のポイントです。

同じ業界でも求められるスキルは様々

同じ業界のライバル企業でも、その戦略はぜんぜん違います。例えばSalesforce.comは高価格帯でハイエンドなCRMを、多数の営業パーソンを配置して広く普及させようとしているのに対し、同じ外資でライバル企業であるZoho CRMは営業コストを廃して低価格でシンプルなパッケージをウリに対抗しています。

結果として両社が求める人材はまったく異なり、Salesforce.comで求められるのはコンサル経験やソリューション営業としての経験とスキルでしょうし、Zoho社ではセミナーやWeb集客に長けたプレイヤーを求めていると推測できます。

また、化粧品アパレルのロレアル社はL’ORÉAL PARISブランドとMAYBELLINEブランドの両方を展開していますが、LOREALの方はミドル層、MAYBELLINEは若年層をターゲットとしており、両者の広告展開はまったく異なります。したがって当然業務内容も違ったものになるはずです。

「わー、あのロレアルの求人だ、すごい!!」と期待を膨らませるのも良いですが、

  • 入社後に配属されるのはどのブランド事業部で、
  • その事業にどんな製品特性があって、
  • ライバルブランドはどんな戦略で、
  • 自分はどんな仕事を任されるのか?
  • どんなスキルや活躍の仕方を求められているのか?

という一歩引いた目線で求人票を見ること。これが企業研究なのです。

面接で落ちる人は企業研究ができていない

書類選考は通るんだけど、面接で落ちる人は企業研究が圧倒的に不足しているケースが多いです。

私も小さいながら会社を経営しております。社員を採用する側として面接の席に着きますと、この企業研究をやっていない方はすぐに分かります。そして、残念ながら入社をお断りします。

しかし、そのような方でも書類選考は通過して面接まで呼ばれているのです。つまり必要なスキルは一定もっている、と判断されているのに落選しているわけです。

これは、相手企業のことも業界のことも知らずに面接に挑んでいるために採用側が重視している「自社のことを分かっていて、活躍できるか」という判断材料を十分に提供できていないからです。企業側としては、いくら人柄が良くてもこのような方の採用には踏み切れません。

転職活動における企業研究の重要性をおわかりいただけたでしょうか?まだ応募企業が無い、という方でもまずは志望業種の業界研究から取り組んでみてください。きっと職務経歴書や自己PRのレベルが一段上がるはずです。

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