前の会社の退職理由は面接で聞かれる質問ベスト3に入るでしょう。
自己PRをすればするほど、「そんなに活躍していたならなんで辞めようと思ったのだろう・・・」と誰もが感じるのは自然なことです。
ポイントは面接官のそんな気持ちに応えることです。
ネガティブな転職理由があるのは普通のことですよね
これはよく言われることですが、何があってもネガティブな回答は避けましょう。
私は、転職のきっかけにネガティブな理由が無いことの方が珍しいと考えています。現職に100%満足していたらだれだって仕事を辞めないのが普通ですもんね。
そして、大なり小なりどこの職場でも不足しているものはあることです。
面接官は「すぐに辞めてしまわないか」を危惧している
一方で、中途採用には新卒採用以上にコストがかかります。
例えば人材紹介会社に支払う費用は年収のおおよそ20~30%。
年収500万円の方なら少なく見積もっても100万円以上が必要な計算です。
これに加えて面接や書類選考にかなりの時間を費やしていますし、場合によっては平行して求人サイトや転職イベントを利用しているかもしれません。
そして忘れてはいけないのが教育コストです。職種にもよりますが中途入社の方が一人前に育つまでには1年はかかるのが普通です。
つまり面接官や人事の立場としては入社してすぐに辞めてしまうことは絶対に避けたいのです。
そのため、採用側は早期退職の可能性が無いかを非常に気にしています。(特に面接相手が採用人事の場合、この傾向が顕著)
面接で必ずといっていいほど退職理由を問われるのはこのためであり、この問に対する回答のポイントは「自分はすぐに辞めてしまうような人間ではない」と言外に匂わせることです。
ネガティブな要素とはなにか
ただ、同じネガティブでも許されるものとそうでないものがあります。
許されるネガティブ要素は「キャリアの妨げになる、絶対に破れない壁です。
例えば代表的なのが「グループ会社の壁」「出世が絶対にできない構造」「事業部の閉鎖」などです。
一方で許されないネガティブ要素は「不満・不平です。特に人間関係に関するものはそれが仮に事実だとしても避ける方が良いでしょう。
代表的なのが「人間関係が悪い」「上司がひどい」「残業が多い」などです。
日本のビジネスシーンはとても空気を大事にします。
特に中途採用の面接で前職の不満・不平を述べることはいわばタブーです。(こうした日本的な風習については賛否両論あるかと思いますが)この傾向は仮に相手が外資系であっても同様で、とにかくネガティブな発言は「空気が読めないやつ」とみなされ有無をいわさずマイナス評点を付けられるきらいがあります。
「キャリアアップのため」とするのがもっともスマート
退職理由を聞かれた時に最もオーソドックスな回答は「キャリアアップのため」です。
お手本トークを見てみましょう。
私はプログラマーとしてOracleを使った開発に4年間取り組んできました。(経歴)
今後はよりお客様に近い立場で、開発した製品を利用するお客様のフィードバックをいただきながらレベルアップしたいと考えております。(目的)
残念ながら前職は完全な下請け企業でエンドユーザー様にお会いすることが叶いませんでしたので、(退職理由)
お客様の近くでより上流工程に携われる企業への転職を検討しています。(目標)
終始目的と目標について語られ、キャリアがテーマとなっているのをお感じいただけますでしょうか。
お手本トークの退職理由部分(「残念ながら前職は~」)に見られる通りキャリアの妨げとなる圧倒的な壁に関しては多少ネガティブな内容でも利用できることを覚えておいてください。
まとめ(退職理由を聞かれた時の答え方)
面接で退職理由を問われたときは経歴 → 目的 → 退職理由 → 目標の順番でトークを組み立てましょう。
このやり方なら面接官にも「あ、この人ならすぐに辞めることはなそうだな」と安心してもらえるはずです。
補足 すでに会社を退職してしまっている場合
私は基本的に企業を退職してからの転職活動はおすすめしていません。
ですがやむをえぬ事情により先に退職してしまった場合も、基本的には上記と同じ回答で問題ありません。
ほとんどありませんが、もしも「なぜ次が決まる前に会社を辞めたのか」と問われた場合は
お世話になった職場だったので次のことを考える前にきっちりと引き継ぎをやりきりたかったのです
と答えると誠実な印象になりますよ。