面接でときおり聞かれる項目に「欠点」や「短所」があります。
思わず「うーん、なんて答えるのがいいんだろう」と考えこませる質問ですが、この場合は短所そのものを聞きたいというよりは「対応力」を問われていると考え、慌てずに対処しましょう。
短所を聞くことで確かめたいのは「対応力」
面接のシチュエーションで欠点を聞かれて、「欠点はありません!」と答える人はさすがにいないでしょうし、当たり前ですがそのような答えは面接官にも求められていません。
面接官はこの質問によって欠点や短所を明確に見極めたいとは考えていません。
こちらを困らせることで、対応力を見ているのです。
ビジネスは常に「ちょっと困った」の連続ですから、こうしたちょっと意地悪な質問によってとっさの反応を確認されていると思いましょう。
欠点を述べるときのポイント
先にポイントからお伝えします。
- 最初に結論から
- まず、こういう時は思い切ってズバッと言い切ってしまいましょう。
- 保険をかける
- ”やや”、”少し”、”若干”など、程度を抑える形容詞で致命的な欠点ではないというニュアンスを表現します。
- 性格ではなく経験不足の話にすり替える
- 実はここが一番の妙技なのですが、「怒りっぽい」「おとなしい」などの性格ではなく、職務上の経歴を話すのです。
- 実体験と打開策を付け加える
- 最後に、過去その短所によって苦労した経験と乗り越えた経緯を添えることでグッと印象が良くなります。
それではお手本トークです。
「私の欠点はまだまだマネジメント経験が不足していることです。前職で後輩ができた時は中々思うように仕事を身につけてもらえず苦労しました。その時は上司に相談してとにかく対話が重要だとアドバイスされ、土日に趣味などを共にすることで距離を縮めました。」
「私の短所はややお客様に肩入れしすぎてしまうことです。前職ではコスト意識が欠けていると指摘され、それ以来目標の売上だけでなく粗利も含めて報告し、受注の許可を得るようになりました。」
「私の短所は若干プログラムをこだわりすぎてしまうところです。こだわりは失いたくないのですがその結果納期ギリギリになってディレクターを心配させた経験がありますので、今ではタスク管理をかなり細かく行うようにしています。」
不思議なことに欠点がさながら自己PRのように変化してしまっていますよね。これなら面接官も対応力に納得してくれるはずです。
よく「短所は長所の裏返し」などと言われますが、中途採用面接の現場では言い回しの工夫がその鍵を握っています。慌てず、相手の意図を汲み取って対処してください。