人材紹介会社と転職サイトの違いやビジネスモデルを理解する


ライター:Sota Katakawa
【PR】記事内に商品・サービスのプロモーションを含みます。

これから転職サービスを利用する前に、ビジネスモデルを把握しておきましょう。

実は人材紹介会社と転職サイトには収益構造に明確な違いがあり、それを理解しておくと私たち求職者にとっても有益なのです。

特に初めての転職の方は、言い方は悪いのですが転職サービス事業者にうまく利用されてしまうケースもありますので、このページで予習しておいてください。

転職サービスの分類

転職サービスは大きく以下の5つに分類されます。

順番に説明していきます。

ハローワークに代表される公共事業

みなさんおなじみの、ハローワークや職業訓練などが斡旋する公共の再就職支援です。
代表的なのがハローワークインターネットサービスの求人検索機能。(ハローワークに求職登録を提出していなくても利用可能)

弊社もパート社員の募集で利用したことがありますが、公共事業だけあって企業が払う費用はなんと無料。です。

ただ、それだけにあまり競合に見られたくないような重要ポストの求人には利用していません。

求職者側から見ても正直条件のいい求人が豊富とはいいがたく、「国はちゃんとチェックしているの!?」という内容が並びます。(明らかに労働基準法違反の求人票があったり、反対に実際に面接してみると求人票記載の内容とまったく異なる条件を提示されたりします)

雇用保険の申請のついでに覗いてみる、程度の利用で十分だと思います。

転職サイト

サイトの求人を見て、気になるものがあれば自分で応募し、書類選考が通れば面接する、というオーソドックスな転職サービス。
新卒採用の時に利用したリクナビやマイナビの中途採用版、といえばイメージしていただきやすいでしょうか。

ここでポイントとなるのがそのビジネスモデルで、こうしたサイトの場合は企業が掲載費を払います。撮影や取材などのオプションにもよりますが、大体2週間単位で20~40万円が相場です。

この掲載費用はピンキリで、大手の媒体でオプションを付けて目立つ位置に掲載しようとすると80~90万円弱かかることも珍しくありません。
だから求職者は無料で利用できるのです。

利点はなんといってもその手軽さです。移動時間に求人を探して、自宅にいながら応募できます。

欠点は応募書類や面接のアドバイスなどを一切受けられず独力で挑まなければならないこと。例えば職務経歴書の添削や給与交渉など、第三者を介するからこそのメリットを享受することができません。

そして、なんといってもこの後お伝えする非公開求人に応募できないことはデメリットとなります。

ただ、欠点があるとはいえおおよその求人の傾向や年収の相場などをチェックできるという意味では非常に有益ですので、登録してから情報収集に利用すると良いでしょう。(大体のサイトは登録しないと求人の大部分が閲覧できません)

転職サイトはリクナビNEXTが他社の追随を許さない最大手で、ここさえ登録しておけばあとは問題無いと言えるレベルです。

人材紹介会社(転職エージェント)

転職サイトと違って、あなたの転職活動をサポートしてくれる担当者がつきます。

登録したあとも求人情報は一部しか閲覧できず、担当キャリアエージェントからあなたの希望や適性にマッチした求人を紹介される仕組みです。

この時紹介される案件の大半は非公開求人と呼ばれ、企業側がなんらかの事情で公にせずに募集をかけたいという性質のもの。

例えば新規事業の立ち上げにあたって実績のある営業マンが欲しい、とか、新製品の開発のために経験豊富な技術者が欲しい、など、競合他社やユーザーに気取られたくない事情の時に利用されます。

そのためすぐに求人票を閲覧できないというデメリットはあるものの、単なる欠員補充や大量採用ではなくポジティブな事情で採用される優良求人であるケースが多いです。

また、転職エージェント最大の魅力は担当者によるサポートにあります。

前述のとおり履歴書や職務経歴書の添削もお願いできますし、面接の前にその企業の風土や担当者の性格、前の面談者が聞かれた質問などを教え、対策してくれます。

さらに内定後は給与の交渉まで代行してくれます。

無料でそこまでサポートしてくれる背景には人材紹介会社のビジネスモデルがあります。

転職エージェントは基本的に採用成功時の成功報酬で企業と握ります。報酬は求職者の年収の20~30%が相場です。

担当者は私達求職者をなんとかして内定に導かなければ成績になりませんので、熱心に支援してくれるというわけです。

ただしここがややこしいところで、人材紹介会社としても内定まで誘導できなければ成果にならないため、乱れ打ち的に関心が無い求人までスカウトメールを送って来ることもあります。

これを防ぐためには、最初の面談で自分の意志をはっきりと伝えることです。私が転職活動は準備が重要と申し上げているのはこのためです。

転職エージェントに会う前からあなたの転職活動は始まっているのです。

国内最大手のサービスですとリクルートエージェント、志望業界を理解した書類選考や面接対策で評価が高いのはdodaですね。

紹介できる非公開求人は企業によって異なることや担当者との相性の問題があることから、転職Doでは2~3社程度の併用をおすすめしています。

ヘッドハンティング

もともとは欧米で盛んだった中途採用のシステムで、10年ほど前から日本でも一般的になり始めたのがこのヘッドハンティングです。

人材ヘッドハンティング会社の担当者はまず企業の経営者や人事などから「こういう人が欲しい」という人材像を提示されます。
それを受けて各社のホームページで「活躍している人」と紹介されていたり、メディアに露出していたりする人に電話やメール、手紙などでコンタクトを取ります。もしかすると声を掛けられたことがある方も多いのでは。

今回の案件にその人が興味をもってくれそうなら、直接会って求人の具体的な話を詰めるわけです。(なぜかホテルのロビーや喫茶店でやるケースが多い)

良い所は転職を考えていない人にも機会があること。一方で今のところ中小企業での利用が多く、大手思考の方にはあまり向かないという欠点があります。

いずれにせよこのサイトを御覧頂いている皆さんはすでに能動的に転職活動を開始しているでしょうから、よっぽど現職やSNSで目立っていて、どんぴしゃりのタイミングでスカウトがかからない限りは利用の機会はなさそうです。

レイノス(レイスグループ)などが有名ですね。

転職フェア

転職フェアに代表される転職イベントは昔から存在し、人事に直接会える場としてWeb系のサービスとは異なったメリットを提示しています。

主催会社は転職サイトを運営する各社であることがほとんどで、出展社もおおよそ重複しています。ただしなんといっても転職サイトと異なり人事や現場の方と会ってお話できることがメリットで、企業分析でライバルに大きな差をつけられます。

さらに場合によっては一次面接を免除されることもありますから、お仕事帰り見学していくメリットは十分あると思います。ただし常時開催されているわけではない(土日がほとんど)ので注意が必要です。

直接応募

FacebookやTwitterなどを通じたSNS転職(かつてはソー活、もはや死語、などと呼ばれました)も米国から輸入された新しい転職の形として一時脚光を浴びています。

日本では定着までに時間がかかったものの、昨今ではスタートアップ企業への転職を考える場合は最も最短距離だったりします。

ですので個人的にはホームページの問い合わせフォームからでもいいので、直接応募はガンガンやるべきだと思っています

特に需要が高いエンジニア系職種の方は気になるスタートアップ経営者や人事部門のTwitterアカウントを見つけてDMを送ってしまうのは非常に効果的な転職活動方法で、書類選考の突破率は他媒体に比べて郡を抜いています。

この背景は、結局スタートアップは人材の確保に躍起になっている一方で、前述の人材紹介会社への紹介手数料がコスト高となっているという悩みがあるからです。彼らにとって直接飛び込んできてくれることほど嬉しいものは無いんですね。

ただし、採用窓口を一本化、公平化することを大切にしている大手企業ではこの方法は通用しません。

それと、直接応募した会社があなたにとって最良とは限らないわけですから、視野を広げるために転職サイト及び転職エージェントは併用すべきだと思いますね。

まとめ

サービス 強み 弱み 代表的な事業者
ハローワーク 手軽に利用できる。 求人の質が今ひとつ ハローワーク
転職サイト 求人票をいつでも自由に閲覧できる 書類や面接のサポートが無い リクナビNEXT
人材紹介 書類や面接、給与交渉のサポート 求人票を自由に閲覧できない リクルートエージェント
ヘッドハンティング マッチング性が高い 自分の意思では利用できない
中小企業中心
レイノス
転職フェア 応募前に人事や現場の話が聞ける 開催時期が限られる 転職フェア.jp
直接応募 書類選考を通過しやすい 他の企業と条件の比較が難しい HPの問い合わせフォームやTwitterのDM

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