金融業界の転職


ライター:奥野 佑樹
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金融業界とは

元々「金融」とは「お金を融通する」という意味であり、金融業界はその名の通り、お金を通じて社会経済を支える業界を指します。

金融業界の代表的な例として、銀行が挙げられます。個人や企業などの顧客から預かったお金を銀行が管理し、そのお金を個人や企業に利息をつけて貸し付けることで利益を得るというのが金融業界の基本的なビジネスモデルです。

お金に直接関わる業界であるため、政策や技術の進歩により、大きな変化を遂げる業界でもあります。

あらゆる業界の中で、環境やITと並んで変化の激しいのが金融であり、10年後の金融機関の姿を予測することさえ難しいと言われています。

しかし、金融業界そのものがなくなることはないため、新しいスキルや専門知識を持った人材は常に求められています。

そのため、中途採用や転職が多いのがこの業界の特徴です。

また、金融業界全体の平均年収は731万円と、他業界に比べて高い水準にあります。

メガバンクの平均年収・年齢

企業名 平均年収 平均年齢
三菱UFJ銀行 773万 38.3歳
三井住友銀行 842万円 38.0歳
みずほ銀行 729万円 38.1歳

(参照元:会社四季報 業界地図2022年版、就職四季報2023年版)

証券業界の平均年収・年齢

企業名 平均年収 平均年齢
野村證券 1087万 40.1歳
大和証券 857万円 39.3歳
丸三証券 685万円 36.2歳
SBI証券 904万円 44.7歳

(参照元:会社四季報 業界地図2022年版、就職四季報2023年版)

平均年収は高いが、労働環境は過酷な企業が多いようです。そのため、他業界への人材流出が金融業界の課題となっています。

金融業界の3つの業種

銀行業

銀行は、預金の受入れ、資金の貸出し(融資)、為替取引などを行う。また、銀行券の発行を行うこともある。実際に行える業務内容・「銀行」の範囲は国により異なる。広義には中央銀行、特殊銀行などの政策金融機関、預貯金取扱金融機関などを含む。
(引用元:銀行 - Wikipedia

銀行は、個人や企業などの顧客から預かったお金を管理し、そのお金を個人や企業に利息をつけて貸し付けることで利益を得るビジネスモデルです。
預金や為替、融資以外にも、投資信託や外貨預金などの金融商品の販売関連業務を行うことも銀行の仕事のひとつです。

証券業

有価証券を売買するときの窓口になる「証券会社」が行う業務のこと。

証券業には、有価証券の売買を自身で行う「ディーリング」、有価証券の売買を取引所に取り次ぐ「ブローキング」、有価証券の引き受けを行う「アンダーライティング」、有価証券を一時的に預かって投資家に販売する行う「セリング」という4つの主要業務があり、証券会社は、これらのすべてや一部を行っています。金融商品取引法に基づき、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。
(引用元:証券業 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券

証券業界の主なビジネスモデルは、大きく分けて2つあります。

ひとつは、投資家が株式や投資信託などの金融商品を購入する際の仲介を行い、仲介手数料を得ること。もうひとつは、株式を運用することで利益を上げることです。

保険業

保険業とは、不測の事故に備えたい人が保険料を支払い、事故が発生した場合に保険金が支払われるサービスを提供する事業を指します。

保険業は大きく分けて生命保険と損害保険があり、生命保険には終身保険、養老保険、個人年金保険などがあり、損害保険には自動車保険や火災保険など、事故や不慮の事態による損害を補償する保険商品があります。

金融業界の今後の動向

総務省統計局によると、金融業界は就業者数、従業員数ともに2016年から高水準で推移している状況です。

金融業界は、他業界に比べて新卒採用が盛んな業界です。中途採用では、未経験者のニーズは低く、キャリア採用が一般的です。ただし、保険業界だけは常に人材不足の傾向にあり、未経験者の中途採用が積極的に行われています。

また、金融業界ではIT化の流れに伴い、エンジニアの需要が日に日に高まっています。新規事業で個人向けWebサービスの企画・開発経験があれば、異業種から参入するチャンスもあります。

金融業界の職種

営業職

お金を集め、管理・運用を行う金融業界では、営業職は欠かせない存在です。

営業職には、個人向けと法人向けの2種類があります。

個人向け営業職の主な業務は、資産運用に関するアドバイスや、保険・証券などの金融商品を販売することです。

資産を形成した個人の顧客には、顧客のニーズに合わせて適切な商品を組み合わせて提案します。個人向け営業を行う保険会社や証券会社にはノルマがあることが多く、一般的な営業マンの仕事と言えます。

一方、法人営業は、法人企業に資金調達に関する情報を提供し、資金調達のためのアドバイスを行う仕事です。企業の財務面を全方位からサポートする仕事なので、経営に深く関わることが多いです。

金融業界はルールやコンプライアンスに敏感で、独創性を発揮する余地はあまりありません。例えば、金融庁の指示により、客先に持参できる資料はパンフレットのみで、顧客ごとにオリジナルの提案書等を用意することは禁止されています。
その分ハードワークが求められる業界で、銀行や証券会社で経営層相手の営業を経験したビジネスパーソンは、他業種でも高く評価される傾向にあります。

バックオフィス職

総務・労務・人事などのバックオフィス系職種は、データ管理、電話応対、書類整理など、主に営業部門をサポートする仕事を担います。

金融事務もバックオフィス系職種の一種ですが、銀行事務、証券事務、生損保事務など、一般的な事務職の作業に加え、専門的な業務を行う場合もあり、業務にはそれぞれの知識が必要となります。

専門職

金融業界には、金融に関するたくさんの専門職があります。
転職Doで紹介した職種についてはリンクを貼りますので、詳細はリンク先でご確認ください。

  • アクチュアリー
  • ホールセール
  • リテール
  • 保険外交員
  • プライベートバンカー
  • ディーラー
  • トレーダー
  • ファンドマネージャー
  • ファイナンシャルプランナー(FP)
  • 証券アナリスト
  • エコノミスト

金融業界の転職

金融業界内での転職

未経験者のニーズが低い銀行業界では、経験者が同業界の大手企業へキャリアアップするための採用が主流となっています。

近年はメガバンクの規模に対抗できるメガ地銀も登場しており、地方の地銀への転職など選択肢の幅は広がっています。

また、金融業界では、銀行から証券会社への転職も一般的です。特に、M&A経験者や投資信託(ファンド)出身者の需要は高く、求人は豊富です。

不動産金融は常に一定数の採用ニーズがあります。比較的高度な知識が要求される業界なので、金融業界出身者のキャリアステップとしても人気があります。

業界内での転職も比較的容易なため、職場の温度感や働き方で会社を選ぶ人も多いようです。

より自分に合った会社を見つけるために、金融業界専門の転職エージェントを利用したり、地元の地方銀行の求人情報をチェックしたりする人が多いようです。

経験やスキルを活かして他業界から転職するには

金融業界全体の傾向として、IT技術を活用した新しいサービスの提供や、業務のオートメーション化が進んでいるため、エンジニアの需要が急増しています。

従来は外注していたシステム開発を自社で行う企業も出てきており、他業界で活躍しているIT業務経験者を求める企業も増えてきています。

一方、証券会社では、営業経験者の需要が高まっています。

金融業界は全体的に海外展開が活発な傾向にあるため、営業経験だけでなく、ビジネスレベルの英語力や外務員資格を持っていると、外資系証券会社への転職に有利になります。

未経験で金融業界に転職するには

金融業界は、専門職でなければ未経験からの転職も歓迎している企業が多いです。

特に保険業の営業職は年中求人を掲載している企業も少なく有りません。

しかし、保険業の営業はハードで離職率も高い場合が多く、その後のキャリアステップが難しい職種でもあります。

そのため、金融業界でステップアップを目指すのであれば、事前準備をしっかり行った上で転職活動を始めることが必要になります。

事前準備(1):金融業界でも重要視されるスキル

金融業界未経験でも、金融業界で活躍するために必要なスキルは身につけられます。

金融業界でも重要視されるスキル

・経理や財務などのお金を管理するスキル
・コミュニケーションスキル
・英語力

事前準備(2):キャリアの棚卸し、応募先企業のリサーチ

経験がない場合でも、自分がキャリアを積んできた業界を軸に金融業界で活かせる経験をアピールすることが重要です。

金融業界でも法人向けの営業などでは、顧客と同じ業界でキャリアを積んだ経験が活かせることが多く、対応を任せやすいと考える企業が多く存在します。

そのため、自分がキャリアを積んできた業界の仕事や会社についてリサーチし、応募先企業へどのように貢献できるかをアピールできるようにしておくことが重要になります。

そのうえで金融業界関連のトピックにもアンテナを張り、応募書類や面接での質疑応答で、それまでのキャリアと今後の仕事の関連をアピールすることに役立てることで、未経験からでも金融業界へのキャリアステップを歩み始めることができるでしょう。

キャリアを活かした志望動機例

前職では法人営業をしており、平均受注金額○○万円程度の案件を月間○○件成約しました。月間成約数トップを記録し社内表彰を受けた経験もございます。経営者向けのコンサル商材でしたので、入社当初は苦戦の日々でしたが、お客様の業界動向を誰よりも理解し、クライアントへ有益な情報提供を心掛けたことで信頼を得られた結果、受注に繋がるようになりました。

金融業界への転職を考えるようになったのは、経営者の方々とお話する中で財務や資産運用の重要性を痛感したからです。

中でも貴社は株式投資以外にもさまざまな投資商品をラインアップしているのが強みで、より多くの人たちに充実した生活を送るための提案ができると考えました。

前職で経営者相手の法人営業を存分に経験して参りましたので、即戦力として売上向上に貢献できると考えております。

番外編:大手金融企業グループのバックオフィス職からキャリアを積む

実は、大手企業のグループ会社のバックオフィス職も未経験から金融業界に参入するには狙い目の求人があります。

例として、大手グローバル金融サービス・グループである野村グループの子会社で、野村證券のバックオフィス機能を強化することを目的に設立された「野村ビジネスサービス」では、未経験から中途採用を行っています。

証券バックオフィス業務であれば、働きながら「証券アナリスト」や「ファイナンシャル・プランニング技能士」などの資格を取ることも難しくはありません。

年収の高さに重きをおくのであれば、大手証券や大手保険会社を目指すことになるため、ステップアップの第一歩にはピッタリの企業です。

まとめ

金融業界は昔のように新卒採用ばかりではなく、中途採用も年々増えています。

安定した業界であるが故の厳しさもありますが、未経験からでも目指せないわけではなくなってきています。

今一度自分の経験やスキルを棚卸しして、金融業界で活躍できるポジションを探ってみてはいかがでしょうか。

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