どんな女性も一度は転職を志したことがあるのではないでしょうか。とはいえ、転職活動をマスターしている方はそう多くありません。はじめての転職であれば尚更です。そこで今回は、幅広く「女性の転職」について、年代別、お悩み別のアドバイスをお伝えします。
「転職が当たり前」の時代、男性よりも女性の転職者比率が多くなっている
2018年、厚生労働省の調査によると、15歳~54歳までの年代において、男性よりも女性の転職者の割合が多くなっています。
もちろん1つの職場で長く働くに越したことはありませんが、「石の上にも三年」と言われた時代とは異なり、今や転職でキャリアアップ、あるいはより自分に合った仕事を探すのが当たり前と言えるでしょう。
(出典元:労働力調査(基本集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の要約)
とはいえ、女性は男性と比べて仕事と家庭の両立の壁がある、と専門家は指摘しています。さまざまな事情から、非正規雇用の従業員として働く女性も多くいます。
(引用:労働力調査(詳細集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要)
「社会はアテにならないから、女性も知恵を絞って稼ぐ力を身に着けよう」!?
type転職エージェントのエキスパートキャリアアドバイザー、伊藤泰子さんの2018年最新版】女性の転職市場動向によると、政府の後押しで女性活躍の熱が高まり、大手企業を中心に、産休・育休など女性の社内制度が整備される反面、現実では「仕事と家庭の両立の壁」を超えられずに退職したり、サポート業務中心の仕事(いわゆるマミートラック)に回ったりする女性が多いとの情報も。
また同氏は、「何より大事なのは、働く女性一人ひとりの意識改革が重要で、恒常的に稼ぐ力を身につけておく必要がある」と指摘しています。
つまり「国と社会はまだまだアテにならないから、女性も知恵を絞って稼ぐ力を身に着けようね」ということ、と私は理解しました。
さて、私たち転職Doは「幸せにいきいきと働く」ためのヒントを発信する転職情報メディアです。女性にとって(もちろん男性にとっても)年収アップや仕事での自己実現=幸せ、とは考えていません。そこで年代や状況に合わせたヒントをお伝えします。
年代別転職の傾向
20代女性の転職
やりたいことにチャレンジしやすい時期。安定志向の方は大手、キャリア志向の方は外資かベンチャー企業へ
20代は最も動ける時期です。結婚、出産する方もまだ少数派で、親世代もまだまだ元気。介護問題と直面する人もそう多くはありません。家族による「縛り」がないうちに、自分に合った職場と出会い、成功体験を積みましょう。
20代前半であればまだまだ「若手」としてポテンシャル採用がされやすく、未経験の職種にもチャレンジしやすいです。そして、20代後半~30代に近づくほど一度女性の転職は「谷」を迎えます。「30代になるとすぐに結婚、出産で現場を離れてしまうのでは?」と懸念が持たれやすいためです。
そのため安定志向の方は、なるべく若いうちに福利厚生の整っている大手企業、もしくは女性のキャリア形成に理解が深い企業への転職を目指しましょう。
また、一度仕事に熱中してみたい、バリバリ働いてみたい方は、ベンチャー企業や外資系でキャリアを積むのもアリです。とはいえ人数の少ない会社では一人で何役もこなすこととなり、男性以上のハードワークとなるのも覚悟しておきましょう。体には本当に気を付けて…。
そんな20代女性の転職でむしろ注意した方が良いのは、人間関係に左右されて仕事選びをしてしまうことです。この記事に私の失敗経験をたくさん書いておいたのでよかったら参考にしてください。ドン引きされるかもしれませんが…
30代女性の転職
「若さ」が徐々に通用しなくなる転職市場。実績、経歴、スキルをアピールして
女性にとって結婚、出産など大きなライフイベントを迎える30代。加えて人によっては親の介護など、より「ライフ」とのバランスが重要になる時期で、企業側としても採用に慎重になりがちです。そういったなかでも、経験、スキルが高い女性を積極的に採用する企業もあります。
そんな30代女性の転職は、20代で築いてきたキャリアをしっかりアピールしながら、家庭の都合で何ができるか、何ができないかを正直に面接で話すことが重要です。もしそれで落とされる企業であればどのみち長く働くことは厳しいので、不採用になっても割り切ってどんどん次をこなしましょう。
30代の転職で注意した方が良いのは、20代の失敗体験を引きずってしまうことです。すべての女性が、理想のキャリアを歩んできた方ばかりではないはず。ただ、「自分は大した経験を積んでないし…」と自信を喪失してしまい、転職を諦めるのは非常にもったいない話です。転職を考えるほど自分の人生に真剣に取り組んできたのであれば、必ず得意なことや頑張ってきたことがあるでしょう。
キャリアをしっかり言語化するために、転職エージェントなどプロフェッショナルの相談も視野に入れて、転職に取り組みましょう。
転職エージェント選びはこちら
→「お悩み6:転職サイト、エージェントって結局どこを使えばいいの?」を見る
(この記事の下にスクロールします)
40代女性の転職
非正規率が半数を超える年代、「ナンバーワンよりオンリーワン」をより意識して
国の統計によると、2018年、40代女性の非正規雇用率は半数を超えています。年齢の壁はもちろんのこと、子育てなど家庭の都合であえて非正規でいることを選択する方が多いようです。
また企業側としては、「見えない年齢制限に引っかかってそもそも応募対象外」の求人も増えてきます。
企業は求人を出す際、表向き年齢制限をかけてはいけませんが、その例外が認められる一つの条件として「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」があります。この例外を理由に、35歳あるいは40歳で足切りをしている会社が実態として多いのです。
この背景には企業側が、20代、30代のようなポテンシャルがあるとは見ない、年齢構成のバランスを考えて採用を敬遠しているなどの状況があります。
やや厳しい状況の中、40代で転職を成功させている女性の共通点は、「専門性(=スキル)」あるいは「素直さ・転職先に溶け込む姿勢」です。
「専門性」…自社で求める専門性に合致する人材はむしろ歓迎されています。そのためには、自分のこれまでのキャリアをアピールするのではなく、むしろ「企業が何を求めているか」を分析する必要があります。筆者の身の回りで、40代で転職に成功した女性は、これまでのキャリアで形成された専門性を面接でしっかりアピールし、大企業への入社を決めていました。
「素直さ&転職先に溶け込む姿勢」…年齢とともに素直さは失われていくものですが、あえて素直な振る舞いや、年下のメンバーともうまく調和のとれる女性はむしろ歓迎されています。筆者の義姉は、とある物流企業へパートで入社したのち、働きぶりを認められ50代直前で正社員登用試験に合格。今も活躍しています。
とはいえ義姉はめちゃくちゃスキルが高い、というわけではなく(むしろエクセルのSUM計算も以前は怪しかった…)、控えめで穏やかで勤勉な性格が買われているのでは?と見ています。その姿勢がオンリーワンとして採用されたのでしょう。
つまり、40代女性の転職は、年齢が高いからとあきらめずに、 採用する会社にとってのオンリーワンを目指すことが重要です。
女性の転職×本音のお悩み解決!
ここからは、転職Do編集部にこれまで寄せられた「女性の転職」お悩みと、お悩み解決のヒントをお伝えします。きれいごとなしのお悩み解決をどうぞ!
お悩み1:転職で何を変えたいかがわからない…
Q.転職をしたいけれど、転職で何を変えたいかがわかりません。新卒で「なんとなく」で選んだ職場、別につまらなくはないんだけど、毎日が同じことの繰り返しで、スキルアップしている実感もないし、10年後も同じ仕事をしているのが想像できない…。このモヤモヤを晴らすにはどうしたら!?(20代・営業・正社員)
A.特に若い世代から寄せられるこのお悩み、よ~~~くわかります!かつての私もそうでしたから…。
さて、転職で何を変えたいかわからないまま、転職エージェントや転職サイトに登録しても、自分の意思がないまま、流されるように転職活動をするとむしろ危険!他人軸で転職することになるからです。これを防ぐためには、転職に役立つ自己分析をしてみると良いでしょう。
そんな方におすすめなのは、転職に踏み出す前に徹底的に自己分析をすること!
転職に役立つ自己分析ツールは2つあります。
1つ目は、そもそも自分が仕事に何を求めているか、を知れる「選択理論」。紙とペンがあればできます。
「選択理論」についてはこちらの記事で解説しています。
2つ目は、「自分の隠された強み」を客観的に知ることです。これはリクナビNEXTでできるグッドポイント診断もおすすめ。会員登録は必要ですが、無料でできますのでおすすめです!また診断結果を応募先企業の書類に添付することもできるので、より客観的に自分の強みを伝えることも可能です!
お悩み2:将来的には専業主婦になりたいのだけど、どうすれば?
Q.世間的に「女性活躍」と言われてるのはわかっているのですが、結婚後は家庭に入りたいです。つまり、専業主婦になりたいのだけど、どうすれば?(20代・事務・派遣社員)
A.専業主婦になるためには、専業主婦を求める男性と出会う必要があり、そのためには大手企業に滑りこむべき、と私は考えます。なぜなら、大手企業は単純に人が多い=出会いが多いため、専業主婦を求める男性との出会いも自然と増えるからです。
また終身雇用制が崩壊したとはいえ、大手企業の待遇は安定し、経済力に自信のある男性もいます。
ですので転職先としてはまず、大手企業に転職して、コツコツと働くのが一番の近道と考えます。
そしてもちろん、恋愛目的で入社してきたと思われないための立ち振る舞いには気をつけてくださいね(笑)
ちなみに大手企業に入りたい方におすすめの転職エージェントは、マイナビエージェント。大手の案件はやはり大手の人材紹介会社、ということのようです。
お悩み3:とにかく、自信がありません!
Q.昔から色々なことがうまくできなくて、職場で先輩や上司から強めに注意されたり、お客様からクレームが届くと、すぐへこんでしまい、自信がありません。こんなダメな私でも転職できますか?(接客・25歳・アルバイト)
A.うまくいかないことが続くと、自信を喪失しますよね。そんなときは、冷静になって事実を見つめてみましょう。
あなたは「自分ダメだ」と思い込んでいるかもしれませんが、事実は、「先輩から注意や、お客様からのクレームを真摯に受け止めている」ことです。それは真面目で、向上心があるからなのでは?
転職を成功させるために、真面目さや向上心が必要なのは言わずもがなです。居心地の良い職場への転職を考えてみては?
話を聞いてくれる女性におすすめの転職エージェントはパソナキャリア。女性の転職サポートに数多く携わってきた女性アドバイザーがキャリアアップをサポートしてくれます。
お悩み4:「事務」の仕事ってなくなっちゃうの?
Q.新卒から事務の仕事をしてきました。業務自動化で仕事が減りそう…!今のうちに転職に備えておきたいのだけど、どうすれば?(30代・事務・正社員)
A.まずは事務の仕事は価値が低い、とは思わないように。事務作業をしながら、電話を取りながら、周りに目を配る…ってすごいスキルですよ!
…とはいえ業務自動化の流れにより、単純作業が減っていくのは時代の流れ的に避けられません。そこで大事なのは、事務+アルファのスキルを持つこと。たとえばエクセルをマスターする、英語を話せるようにする、経理を学ぶ、RPAの概念を理解する、など「プラスアルファ」のスキルがあると良いでしょう。
もちろん資格取得をするなどして実績をアピールするに越したことはないですが、学ぶ意思や向上心を面接で伝えるだけでも印象UP!まずは「自分の今のスキルにプラスアルファするとしたら何が良いかな?」と考えてみてくださいね。
事務職への転職でおすすめしたいのは、type女性の転職Agent。名前の通り女性の転職に特化した転職サービスです。
お悩み5:志望動機、一人で考えるのが大変すぎる…
Q.文章を考えるのがもともと苦手!応募先企業に合わせて、志望動機を書きたいのでインターネットで例文を見て考えてみたのですが、30分経っても何も出てきません。どうすれば?(20代女性・事務・正社員)
A.小説を読んでも小説が書けるようになるわけではないように、インターネットにある例文を見て自分にしっくりくる文章を書ける人はむしろ少数派で、あなたは何も悪くありません。
ここは割り切って、「転職を成功させた友達」に手伝ってもらいましょう。転職を成功させた人は「勝ちパターン」を知っています。
もし該当する友達がいなければ、転職エージェントに頼るのもアリ。求人を紹介してくれたり、志望動機を含めた職務経歴書を添削してくれる便利なサービスです。
そこでおすすめなのがtype女性の転職Agent。名前の通り女性の転職に特化した転職サービスです。
お悩み6:転職サイト、エージェントって結局どこを使えばいいの?
Q.転職サイトに興味があります。電車の中吊り広告で「リクルートエージェント」「マイナビ転職」を良く見るのですが、結局何が良いのかわからず立ち止まっています。どうすれば?(30代女性・エンジニア・正社員)
A.転職サイト、エージェントによって得意、不得意がありますので、自分の境遇に合わせて登録するサイトを使い分けましょう。
女性におすすめのサイトはこんな感じです。
境遇 | サイト | 特徴 |
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フリーターの方 | ハタラクティブ |
・就活のキホンから教えてくれる ・フリーターOKの求人を紹介してくれる |
正社員:マイペースに仕事を探したい | リクナビNEXT |
・求人数業界ナンバーワン ・求人スタイル |
正社員:優しくサポートして欲しい | パソナキャリア |
・女性のキャリア形成に理解が深い ・面接対策までばっちり |
正社員:大手に就職したい | マイナビエージェント |
・都市部の大手の求人が多い ・アドバイザーの評判は業界トップクラス |
まとめ:女性の転職は、状況に合わせて冷静に対応すれば怖くない
今回は、「女性の転職」をテーマに年代別やお悩み別の対処法をお伝えしました。もしも転職にお悩みの女性がいたら、この記事にぜひコメントをしてください!サイト上で回答させていただきます。
それではまた。