そんな志望動機で大丈夫?30代の転職で失敗しないために。


ライター:Sota Katakawa
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このページは30代転職の方向性に関する考察記事です。30代向け転職サービスの比較をご覧になりたい方は
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入社してからがむしゃらに働いてきたけど、いつまで営業の最前線でいればいいのか。要領は良くなってきたから会社に居場所はあるけど、本当にやりたかったことはこんな仕事ではないと感じる・・・

どんなにがんばって働いても給料がなかなか上がらないし、育児休暇も取りにくい。こんな会社では将来性が不安・・・

転職を決意するタイミングは様々だと思いますが、30代で自身のキャリアについて考える方は多いです。

 

30代の転職理由

30代の転職理由(年度別)
(参照:転職理由ランキング2018(doda)

dodaが78,169人を対象に実施した調査によると、30代で転職を考える方の多くが「他にやりたい仕事がある」もしくは「会社の将来性が不安」をあげています。

他にやりたい仕事がある、会社の将来性が不安が同率1位

30代というのは社会人としてのスキルや知識も充実してきて会社からも一定の戦力として認められ、自分に自身を持ちはじめる時期です。

新卒の時には見えなかった異業界や多職種の仕事に魅力を感じたり、20代のときは気にならなかった自社商材の時代遅れな部分やそれを変えようとしない企業風土に不満を抱いたりするのは自然なことだと思います。

給与に不満がある、残業が多いが急上昇中

転職理由としてここ数年急激に増加しているのが「給与に不満がある」「残業が多い/休日が少ない」など、待遇に関する不満です。

30代はビジネスパーソンとして余裕ができてきて周りが見えるようになるため、評価制度や労働環境の不備が目につくようになる時期でもあるのです。

年功序列の給与体系は崩壊しているため、働いても働いてもなかなかお給料が上がりません。成果をあげていないわけではないのに、同級生と比較して明らかに年収が低い。
会社はどうせ辞めないだろうとたかをくくっている。こんな状態では転職を考えるのも無理は無いですよね。

最近はTwitterやはてなブログを通じてブラック企業の実態が赤裸々になってきており、「やりがいだけでは飯は食えない」という論調が一般的になっているのも影響していそうです。

大丈夫です、30代でもばっちり転職できます。

でも20代と違って若さをウリにできるわけではないから転職はなかなか厳しいって聞いたけど・・・

安心してください。30代でもたくさんの方が転職に成功しています。

ただしもちろん20代の転職とは事情が違います。

  1. 30代転職に向いている人・向いていない人
  2. 30代の転職は有利?不利?
  3. 30代は職務経歴書が通りにくい(のでエージェントを活用する)。
  4. 30代転職についての細かな注意点

1. 30代転職に向いている人・向いていない人

30代の転職は甘くありません。
安易な気持ちで転職を決意するといつまでも内定をもらえず疲弊してしまったり、
本来の希望とかけ離れた職場に就職してしまって転職癖がついたりする(いわゆるジョブホッパー)方も多いです。

こんな志望動機は要注意!!

30代の転職で失敗しやすい方の特徴をまとめました。

職場に嫌な人がいる

人間関係に関する問題はどの会社でも起こり得ます。まずは現職で配置展開などをお願いしてみては?
リフレッシュしたい、充電期間を設けたい

転職活動や転職直後はさらにハード。長期休暇を申請することで代替できないか?
違う業界の空気が吸いたい

現職内の異動や趣味の変化で解決できるのでは?
根拠の無い年収アップ希望

収入アップに見合った価値としてあなたは企業に何を提供できるのか?
根拠の無い年収アップ希望

その対価としてあなたが提供できる価値を言語化できているか?
考え方が年功序列、上下関係に厳しい

転職後は年下が上司になることもあるが、あなたはそれに耐えられるのか?

30代を迎えても転職に向いている人

反対に転職を成功させやすい方は以下のような人です。

仕事を通じて知人にスカウトを受けたことがある

同職種への転職については一定の市場価値が担保されています。
年収ダウンを覚悟してでもチャレンジしたい業界・仕事がある

年収ダウンを受け入れられるのは転職に対して求めるものが明確な証拠です。
自分が活躍できる仕事内容が言語化できている

合う職場と合わない職場の条件がしっかり切り分けられています。

総じて30代の転職で上手くいく方の特徴は転職で何を変えたいか、何を実現したいかが明確なことです。

例えるなら賃貸物件選びに似ています。

賃貸物件も「家賃と間取りと築年数は妥協できないけど、駅からの距離は多少遠くてもいい」などの条件を決めて検討しますよね?

転職と賃貸物件選びは似ている

転職も同じで、自分は何が欲しくて(年収なのか、仕事内容なのか、会社の将来性なのか、ステータスなのか、休日なのか)、何には妥協できるのかを鮮明にすればするほど成功確率が高まります。

2. 30代の転職は有利?不利?

30代の転職は前半と後半で大きく事情が異なります。

一言でいえば30代前半の転職は20代と比較しても特段不利ではありません。
しかし30代後半となると明確に不利な傾向です。

リクナビNEXTの実態調査でも30代前半の50.4%が転職を不利だと感じなかったのに対して、30代後半になると半数以上の方が不利だと回答しています。

30代転職の実態調査

30代前半と後半の転職事情をまとめると以下の通りです。

30代前半 30代後半
成功したと感じた人の割合 43.4% 33.3%
同職種 年収アップのチャンス 年収アップのチャンス
未経験の異職種 年収ダウンなら 難しい
求められること 即戦力 即戦力&マネジメント
年収 上がりやすい 下がりやすい
※ 上記の画像と「成功したと感じた人の割合」はリクナビNEXT「30代転職の実態調査」より(30代前半30代後半

30代前半と後半で大きく異なる要素

まずなんといっても30代前半と後半で転職に成功したと感じた人の割合が10%も異なります
これだけでも30代後半での転職の厳しさをお感じいただけると思います。

また、30代前半であれば年収ダウンを前提になんとかなった未経験職種への転職も、30代後半ともなりますと未経験(異職種)への転職は事実上不可能と考えていただいた方が安全です。(もちろん例外はありますが基本的に推奨しません)

さらに30代後半では即戦力要素に加えてマネジメントや部下の育成経験が求められるにも関わらず、年収アップが難しいという様相です。

そもそも年収アップを期待できる年齢層は26歳~30代前半に集中しています。

転職で年収アップした人の年齢別割合
(参照:転職で年収アップするのはこんな人(doda)

ですから30代前半の方で転職を検討されているのであればなるべく早めに活動を開始してください。

一方30代後半で「どうしても会社を辞めたい」という方はよほどのスキルや経験をお持ちで無い限り厳しい転職活動が予想されますので、入念に戦略を練って転職活動に取り組む必要があります。

コラム:30代前半と後半で企業側の採用方針は変わる?

令和元年9月に厚生労働省から発表された「中途採用に係る現状等について」という資料で、企業の中途採用の年齢別の採用方針に関する調査が掲載されています。

中途採用の年齢別の採用方針
(引用元:中途採用に係る現状等について - 厚生労働省職業安定局

35歳未満に対しては「積極的に採用を強化したい」が43.5%なのに対し、35歳以上45歳未満になると12.1%まで減少してしまいます。
その分、「良い人材であれば採用したい」が増加しているのですが、これは企業がその年齢の転職者に対して「即戦力」を求めている現れではないでしょうか。

30代前半も後半も「即戦力」は共通の要素

30代ともなりますと即戦力のアピールが必須なのはどの年齢にも共通です。

しかし即戦力とはよく聞く言葉ですがどうすればアピールできるのでしょうか?

即戦力

1つめのポイントは裏付けのある実績を語ることです。
30代はやる気や意欲だけのアピールが通用する年代ではありません。

例えば営業なら売上、販促部門ならお問い合わせの数、マーケティング職なら取り上げられたあなたの仕事によってメディアなど。
具体例を付けて仕事の実績をアピールしましょう。

2つめのポイントは「あなたができること」と「企業が求めている業務」がイコールになっていることです。

あなたの経験 企業が求めている業務 即戦力に対する印象
メガバンクのリテール営業 地銀のリテール営業
賃貸不動産の営業 マンション販売の営業 ×
自社ECサイトの運用実務 ECサイトの運用コンサルタント
インハウスのエンジニア システム開発ディレクション ×
メディア記事の正確な校正・校閲 メディア記事のライティング ×

例えばメガバンクのリテール営業として経験を積んだ方であれば、花形で難関とされる地方銀行のリテール営業としても教えることが少なく、早期の活躍を予感させます。

ところが同じ営業でも賃貸不動産とマンション販売では契約に要する手続きやリードタイムがまったく違いますから、覚えなければいけないことがたくさんあります。
これではいくら営業として優秀でも「即戦力」とはいえません。

実績だけでなく「私の実績は御社に合っているんです!!」というアピールが必要なのです。

良い志望動機の例

現場とWebの両方に強いマーケターとして活躍したいと考え志望致しました。現職ではソフトウェア開発会社のマーケティング・広報を担当しています。現在の部門に配属されたのは4年前ですが、有効リードの獲得数は就任前の3倍になりました。
〇〇マガジンに特集された企画や◯◯新聞とのコラボ企画を担当したのは私です。
メディアへのパブリシティや展示会での仕事を経験するうちに、「インターネットで見られる資料があればいいのに」というお声を代理店の方から頂いたのがきっかけとなり、Webマーケティングに携わりたいと考えるようになりました。しかし会社の方針で思うようにWebマーケティング領域の拡大がかなわない状況です。
貴社はオウンドメディアやSNSなど、ネットを通じたプロモーションに成功していらっしゃいますので以前から注目しておりました。
一方でまだ若い会社ということもあり販促ツールの整備やセミナー運営については今後の課題だと伺っています。
そういった業務は現職で豊富に経験しておりますから、非Web系プロモーションの知識を活かしながらデジタルマーケティングにも携われる職場だと感じ、今回ご応募させていただきました。

〈POINT〉

  • 前職での成果が具体的に明示されている
  • 今後の展望をふまえて退職理由を前向きに伝えている
  • 相手先企業の課題感を捉えて、自分が解決できることをイメージさせている

即戦力感を出す職務経歴書ダウンロード

  • 業界専用テンプレで選考通過率UP
  • 面倒な「自己PR」文もカンタンに。忙しい転職活動を効率化
  • 作成するだけで、自然と転職のコツが身につく
  • Wordが無くても大丈夫。Googleドキュメント版で手軽に編集可能

また、即戦力アピールについては下記記事でも解説しています。
掲載している職務経歴書も同様のものになりますので、ぜひご一読ください。

職務経歴書に掲載している自己PR例

(これまでは)
20xx年より株式会社〇〇〇〇にインターネット広告の法人営業として従事し、入社当初こそ苦労したもののここ3年間は連続で目標を達成しております。海外のWeb広告ニュースなどを毎日チェックし、常にお客様より詳しいプレイヤーであることを意識し続けた事と、お客様に対して常に概念や機能ではなく、数字で説明する事が結果につながった自己評価しています。

(将来は)(そのために)
これまで様々な企業のインターネット広告をお手伝いしてきた経験を活かし、今後は自社メディアのWeb運営に携わりたいと考えております。

(その中でも貴社は)
貴社は数ある健康食品EC企業の中でも、徹底的に数字に拘ってWebマーケティングを展開されていると、セミナーを拝見して感じました。

(前職での)
前職で身につけたインターネット広告の数字にこだわる姿勢を活かして、早期に活躍できるフィールドであると感じ、応募いたしました。

即戦力アピールのために重要なのが企業分析

相手が何を求めているかがわからなければ何をアピールすべきかも分かりません。そのために重要なのが企業分析です。

応募先企業と募集されている仕事内容を徹底的に研究してください。

求人票や企業のホームページを見るだけでは不十分です。
以下のようなテーマについて、考えられるだけの情報ソースに当たりましょう。

調べるべきこと 情報ソース
業界の今後 業界地図
会社としての
業績はどうか
IR、決算情報、官報決算データベース
世間からどのように思われているか、
またその実態は
Twitter
主力製品・サービスは何か 企業ホームページ
今後力を入れようとしている
新製品・サービスはないか
プレスリリース
競合企業はどこか、
またそことの違いは
競合ホームページ
募集職種の仕事内容は
どんなものか
業界著名人のインタビュー記事などをGoogle検索
今回の求人は
  なぜ必要になったか
  (募集の背景)
これは推測するしかありません。
転職エージェントに聞くのはかなり有効(後述)
どんな企業文化か、
中で働いている方の評判はどうか
openworkカイシャの評判、など

転職エージェントは企業分析の強い味方

現職を続けながらの転職活動は時間との戦いになります。
忙しい仕事の合間を縫って企業分析をするのは苦痛に感じることもあると思います。

そのような時に転職エージェントは頼れる存在です。
転職エージェントは応募先企業の内情に精通しているため、職務経歴書を募集内容に合わせて書き換えてくれたり、面接の前に職場の内情を耳打ちしてアピールのポイントを教えてくれたりするからです。

特に今回の募集はなぜ必要になったか(募集の背景)を面接前に仕入れるなら転職エージェントに相談するか既存の社員に内通するぐらいしか方法がありません。

30代の転職で未経験職種へチャレンジすることは稀でしょうから、未経験系に特化したエージェントよりも管理する非公開求人が多いリクルートエージェント現職からの年収アップ転職に強いマイナビエージェントがおすすめです。

3. 30代は職務経歴書が通りにくい。

30代の転職は20代と比較して職務経歴書が通りにくいです。

理由は非公式に年齢をフィルターにしている採用側が存在するから。
このような会社を転職サイトの求人から見分けるのは難しいと思います。

そこで転職エージェントが頼りになります。

POINT

  • 職務経歴書などの応募書類を企業に合わせて添削、カスタマイズしてくれる
  • 書類選考時点であなたの魅力を口頭で補足してくれる
  • そもそも年齢でフィルターをかける会社の内情を把握しているので応募を勧めない

このため転職エージェントを通せば書類選考の通過率がグッと高まります。

書類選考に強い転職エージェント「マイナビエージェント」


マイナビエージェント

「マイナビエージェント」公式サイトで登録する

4.30代転職についての細かな注意点

30代女性の転職活動は不利なの?

そんなことはありません。むしろいつ結婚するかわからない上に情緒不安定な傾向のある20代女性よりも仕事観も家庭環境も落ち着きつつある30代女性の方が転職市場でモテるぐらいです
自信を持って転職活動に挑んでください。

また、30代の女性の中には「仕事とプライベート(既婚者の場合は子育てや家庭)を両立させたい」という方も多いと思います。

こういったリクエストは採用側への遠慮からなかなか言い出しにくいものですが、正直な気持ちを押し殺してしまうとミスマッチを生みやすいので、思い切って自己開示することが成功のポイントです。

最近はワークライフバランスに対して真摯に取り組んでいる企業が増えています。
転職活動ではそのような会社を見つけることを目標にすればいいのです。

どうしても自分で見分けられない場合や、面接でワークライフバランスについて切り出すのがはばかられる場合は転職エージェントを活用しましょう。女性の転職に理解が深いパソナキャリアがおすすめです。

家族から反対される、嫁ブロックに合うことも多い

嫁ブロック」とは、夫が妻の反対により転職や独立を断念し、転職活動を辞退せざるを得なくなることを言います。

最近になって聞かれるようになった言葉ですが、女性の社会進出が進んだことにより女性の発言力が増している事が影響しているのかもしれません。

類義語として「夫ブロック」や「親ブロック」という言葉も見られます。

嫁ブロックに代表される通り、30代での転職について家族から反対されることも少なくありません。

ポイントの1つ目は早めに相談して反対する原因を知り、すり合わせることです。
内定が出てから話をするのは絶対にNG。

例えば嫁ブロックの原因のほとんどが給与勤務地だと言われています。
もし奥さんが勤務地にこだわっていることがわかれば、事前に転職エージェントに相談して勤務地が変わらない応募先に絞り込んで転職活動を続けることができます

内定が出てからではこうはいきませんよね。

夫ブロックの原因として多いのは勤務(残業)時間なんだそうです。一緒にいられる時間を重視しているからなんでしょうか。女性の求職者の場合は事前に夫の了解をとってから転職活動をはじめるのでトラブルになることが少ないようですね。

内定通知にホッとしている場合では無い

30代の転職活動はハードになりがちなので、ひとつめの内定が出るとつい気が緩みがちです。
しかし転職活動はまだまだこれから。気を緩めてはいけません。

なぜなら、理想は内定を3~4つ同時に取得して条件の比較や給与交渉をすることだからです。

転職は人生の中で何度も経験すべきものではありません。あなたにとって本当にいい会社を選ぶために、複数の会社を比較できる状況を作りましょう。

また、複数の会社から内定を得ることで年収交渉の余地が生まれます。「企業文化としてはA社にいきたいけどB社の方が給与提示額が高い」というようなケースではA社が条件を上げてくれる可能性も高まります。

特に転職エージェントを介しているとこういった交渉がとてもスムーズになります。
30代の転職で未経験職種へチャレンジすることは稀でしょうから、未経験系に特化したエージェントよりも管理する非公開求人が多いリクルートエージェント現職からの年収アップ転職に強いマイナビエージェントがおすすめです。

遺留や引き止め工作に合うことも

30代ともなると社内で中堅以上のポジションについている方もいらっしゃるでしょうから、内定後に退職の意志を告げると遺留されることも多いです。

このときの注意点は「現状不満を口にしないこと」です。
不満を口にすれば改善を申し出るのが人情というもの。ここでグダグダ長引かせるとスケジュールも狂ってしまいます。

また、引き継ぎに十分な余裕をもって退職を告げることも大切です。
確かに法律では2週間前に言えば退職可能なのですが、そのような不遜な態度では円満退社は望めません。

情報の取り扱いは慎重に

特に同業他社への転職の場合に注意したいのが情報の取り扱いです。
前職で使用したPCやデータ、名刺などはきちんと整理して引き継ぎ、絶対に持ち出さないように注意してください。万が一持ち出してしまえば重大なコンプライアンス違反となります。
また、転職後に前の取引先へご挨拶する場合なども本来は前職の会社に許可を取るべきです。

あなたが思っている以上に業界は狭いですから悪評はすぐに広まります。
立つ鳥跡を濁さず、情報の取り扱いにはくれぐれも注意してください。

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