この記事ではハローワークの職業訓練について、
- 人気の職業訓練コース
- オススメの職業訓練コース
- 職業訓練後の転職について
- 人気コースへの応募のコツ
それぞれ解説します。
公共職業訓練と求職者支援訓練の違い
職業訓練の記事では、主に訓練の対象者の違いについて解説しました。
ここでは、職業訓練の内容の違いについて解説します。
公共職業訓練は、主に公共職業訓練校や委託された訓練機関が実施している訓練で、内容は機械・電気系などの現場系の技術の基礎を習得するコースや、パソコン・IT関連スキルや医療系などの事務職向けの基礎コースが豊富に用意されています。
一方、求職者支援訓練は主に民間企業や学校、NPOなどが実施している訓練で、内容は社会人として必要とされる基礎的な能力を習得するコースが多く、パソコンスキル基礎やオフィス・ビジネス基礎などがあります。
実践コースも用意されており、基礎から学ぶJavaプログラミング実践科や、オフィスソフト・総務・経理事務科、医療事務科などがあります。
内容はどれも基礎的な内容になりますが、その業界や職種に応募する最低条件を満たすための職業訓練コースが多いです。
職業訓練の応募について
TOKYOはたらくネットによると、令和2年に委託された訓練機関への累計応募数は定員数7560名に対し、応募数9846名にものぼります。
累計に対する応募倍率は1.3倍と非常に高く、人気の訓練コースだと2倍を超えるコースもありました。
その中でも、応募数が多く人気の職業訓練コースをご紹介します。
職業訓練の人気コース
令和2年の委託訓練応募状況において、倍率1以上の応募が殺到している人気職業訓練コースをご紹介します。
1位:Web制作系コース
定員数1549名に対し、応募数3115名(倍率2.0)
Web制作の知識をみにつけるための職業訓練コースが定員数、応募数共に最多の人気コースとなりました。
Web制作系コースには
- Webデザイン
- Webクリエイター
- Webプログラミング(HTML5、Java等)
などのスキルを学んでいくコースがあり、Web制作に携わる職種に就きたい方に人気となっています。
2位:パソコン基礎コース
定員数598名に対し、応募数760名(倍率1.3)
パソコン操作の基礎や、ワードやエクセルなどのオフィスソフトの習得をメインとした職業訓練コースです。
- パソコン操作マスター科
- パソコン事務養成科
- パソコンエキスパート科
- オフィスソフトITマスター科
などのコースが用意されており、事務系職種の基本であるパソコン操作をマスターするために通われる方が多いようです。
3位:総務・経理実務コース
定員数175名に対し、応募数367名(倍率2.1)
主に「総務・経理実務科」になり、社内総務の基本や経理業務の基礎を学べるコースです。
4位:宅建業・不動産業系コース
定員数120名に対し、応募数245名(倍率2.0)
このコースには
- 宅建業・不動産業就職科
- 不動産実務科
- 不動産ビジネス総合科
が含まれており、不動産取引・宅地宅建取引等の基本的な法律や宅建資格などを学びます。
資格取得に繋がる専門的なコースのため、人気コースの1つとなっています。
「人気コース = おすすめコース」ではない
応募数や倍率が高い人気のコースをご紹介しましたが、ここで主張したいのが「人気コース = おすすめコース」ではないということです。
例えば、2位のパソコン基礎コースは事務系のスキルとして必須級のスキルではありますが、選考において評価されるスキルではありません。
使えて当然、あって当然という認識の企業が多いため、就職活動においてアピールできるスキルにはなりません。
また、Webデザイナーやプログラマーも同様で、職業訓練コースを受けることで、応募の最低条件を満たしたことに過ぎません。
選んだ職業訓練コースによって何が学べるか、何に繋げられるかが重要なのです。
職業訓練のおすすめコースと就職先について
ここでは、就職先を見据えた場合のおすすめコースと、職業訓練コースで得られた知識やスキルを元に、どんな就職先を目指すべきかをご紹介します。
倍率が高くてもWeb制作系コースは鉄板
Web制作系は応募倍率が非常に高く2人に1人は落ちてしまいますが、就職先の選択肢を広げるための最適な職業訓練コースの1つです。
先程説明した通り、Webデザイナーコースに通ったからと行ってWebデザイナーに就職できる、Webプログラマーコースに通ったからフロントエンドエンジニアになれるということは滅多にありません。
その裏付けとして、職業訓練コースを受講した方の口コミサイトでも、Web制作系コースに通った20名中2名しか正社員としてWeb制作系の道へ進むことができなかったという口コミもありました。
よって、職業訓練コースで得られた知識を元に、それを活かせる就職先が無いか見てみましょう。
Web制作系の場合
WebデザイナーなどのWeb制作系のスキルを学んだ場合、「Web担当者アシスタント」や「Web系法人営業」などが候補に挙がります。
これらの職種はWeb制作系の実務こそ少ないものの、知識やスキルは一通り持っている必要があり、今後実務に入るための予備知識が働きながら得られることが出来ます。
Webプログラミングの場合
また、Webプログラミングを学んだ場合は「IT系法人営業」も同じことが言えます。
倍率の高いコースですが、「Web担当者アシスタント」や「Web・IT法人営業」は人手が足りていない職種でもあるため、就職に有利になるコースであることは間違いありません。
宅建業・不動産業系コースは「営業職」が規定路線
宅建業・不動産業系コースは、不動産取引・宅地宅建取引等の基本的な法律や宅建資格などを学ぶコースです。
Web制作系と同じですが、いきなりその資格を活かせる職種への就職は非常に難しいです。
なぜなら、中途採用で就職する場合、ほとんどが実務経験を要求されるからです。
未経験からいきなり就職を目指すのではなく、その窓口である「不動産・住宅営業」を経験することで今後のキャリアに繋がります。
しかし、不動産業界は激務高給であることも多いため、人を選ぶ職種になります。就職先の内情はよく調べることをオススメします。
オンラインコースは狙い目
令和2年8月に始まったオンラインスキルアップ訓練は、「Webサイト制作科」や「Webマーケッター科」などの人気科目がオンライン上で開催される職業訓練コースとなっています。
8月以降3ヶ月間開催されていますが、応募状況は
月 | 定員 | 応募数 |
---|---|---|
8月 | 100名 | 67名 |
9月 | 100名 | 63名 |
11月 | 100名 | 85名 |
と3ヶ月とも定員割れが起こっています。
すべてWeb制作系の人気コースのため、他の職業訓練コースへの応募と並行して応募しておくことをオススメします。
転職活動のコツは動画でも解説中!
職業訓練コースへの応募のコツ
職業訓練を受けるためには、職業訓練コースに応募して選考に通過する必要があります。
ただでさえ倍率の高いコースは選考に受かりにくいため、受講したいコースがすぐに受け始められない場合がほとんどです。
特に現職を辞めてから職業訓練を受け始められないと、失業手当がすぐに受け取れないこともあり、金銭面での苦労が重なってしまいます。
(失業手当についてはこちらの記事で解説しています。)
そこで、転職Doオススメの職業訓練コースへの応募のコツをお教えします。
2回応募する
職業訓練へ初めて応募する場合、倍率が高いコースではほとんど落とされてしまいます。
それは、他の希望者が再度応募していた場合、何度も応募している方が優遇されるからです。
なので、一度目の選考で落ちてしまっても、滅気ずに二度応募することをオススメします。
特にWeb系の場合は毎月募集があるので、次月に再度応募してみましょう。
在職中の応募は落ちやすい
職業訓練は平日の昼間に行われていることが多いため、在職中の方は選考の時点で通過しにくいことがあるようです。
これを踏まえて、転職Doでは次の応募方法を推奨します。
辞める前に1度応募、辞めてから2度目の応募
在職中に受けることができなくても、辞めるひと月前に一度職業訓練コースへの応募を行ってみましょう。
そして離職後、二度目の応募を行います。
これで選考に通りにくい初回応募を先に済ませておくことで、離職後スムーズに職業訓練への参加と失業手当の受け取りが可能になります。
応募のコツは動画でも解説中!
まとめ
職業訓練の人気コースは、ハローワークの相談員からもオススメされている、企業から求められているスキルが無料で学ぶことのできるコースばかりです。
その分選考倍率も高くなってしまいますが、早めに動き始めることで選考に通過しやすくすることも可能です。
離職してから慌てずに学べる環境を用意するためにも、早めに一度応募しておくことをオススメします。