はじめに
アサヒスーパードライや日産自動車などの広告を制作している博報堂。これまで多くの著名なクリエイターを輩出しており、クリエイティブな仕事ができるため博報堂に転職したいと考えている人は多いのではないでしょうか?この記事では、博報堂に転職したい人向けに、博報堂の企業情報や転職方法をご紹介します。
博報堂への転職についてのまとめ
- 口コミからの総合評価
- 3.74
博報堂の転職レーダーチャート
博報堂の特徴
- 電通に続き、国内第2位の大手広告会社
- 多くの著名なクリエイターを輩出している
- カンヌ国際広告祭でグランプリを2度受賞し、事務局から特別賞を贈られている
- 平均年収は1,064万円(43.4歳)(四季報調べ)で、広告業界の平均年収538万円と比較すると高い
- 広告業界の特性上、残業が多めで有給消化率は低めである
博報堂への転職でおさえておきたいポイント
- 博報堂のキャリア採用は技術職よりも事務職の求人が多い
- キャリア採用は通年行っているが、全体の求人数が少なめ
- 年齢、経験、スキルなどの応募条件が細かく決められており、応募自体の難易度が高い
- 面接では、「好きな広告」や「電通」に関する質問に応えらえるようにしておく
博報堂の企業情報
基本情報
※スマホの方は横にスクロールしてご覧ください
事業内容 |
総合ブランディングサービス、メディアサービス、 コンテンツ事業、プロモーション、eソリューションなど |
---|---|
代表者 | 水島正幸 |
設立 |
1895年(明治28年)10月6日 (設立:1924年2月11日) |
資本金 | 358億48百万円 |
従業員数 | 3,614人(2019年4月1日現在) |
所在地 | 東京都港区赤坂5丁目3番1号 赤坂Bizタワー |
企業理念やビジョン
博報堂のビジョンはこちらです。
2014年、博報堂は、博報堂DYグループの総合メディア事業会社である博報堂DYメディアパートナーズと共に、中長期ビジョンとして「未来を発明する会社へ。Inventing the future with sei-katsu-sha」を発表しました。5年後、10年後に向けて、私たちが「生活者とともに未来をつくる」存在になっていたいという、強い意思表示です。
私たちは、ビジョンの実現に向け、30年以上にわたり培ってきた「生活者発想」を、「より具体的に、未来を描き出す手法」としてさらに進化させていきます。
さらに、「パートナー主義」を“生活者、企業、メディアなどあらゆるプレイヤーとの共創の仕組み”として進化させていきます。生活者とともに、「未来」をつくる。「広告をつくる」を超えて、「未来を発明する」。「未来の発明」は、国境を超えて世界へ。
ビジネスの大きな転換期を迎え、私たちは次の時代へと変革を進めています。
(引用元:博報堂公式企業サイト)
広告代理店として電通に次いで業界2位を誇る博報堂ですが、近年は広告賞の受賞数などの低迷が理由で、広告事業以外にも様々なサービスやメディアを提供する会社になることを目指しています。
(引用元:2020年3月期 株主向け報告書|博報堂)
また、博報堂では「生活者発想」と「パートナー主義」をフィロソフィーとしており、生活者発想は人を消費者としてとらえるのではなく、「生活者」としてとらえ洞察することから価値を創造するという考えです。また、パートナー主義ではクライアント共に語り合い、行動し、想像することを大切にしています。
博報堂の転職基礎知識
平均年収
1,064万円(43.4歳)(四季報調べ)
広告業界の平均年収:538万円と比較すると、高いものとなっています。
(出典元:2019年版 業種別 モデル年収平均ランキング - マイナビ転職)
世代別平均年収
※スマホの方は横にスクロールしてご覧ください
年代 | 平均年収 | 最高年収 | 最低年収 |
---|---|---|---|
20代 | 500万円 | 630万円 | 400万円 |
30代 | 700万円 | 900万円 | 500万円 |
40代 | 1000万円 | 1200万円 | 800万円 |
50代 | 1050万円 | 1200万円 | 1000万円 |
(引用元:転職会議)
労働環境
- 職種公募やベンチャー公募制度があり、やる気がある人も働きやすい環境。
- セクハラやパワハラを相談できる窓口があり安心して働くことができる。
- 20時以降は電気が消え、残業を減らそうという取り組みがなされている。
- 月に1回部署ごとに有給奨励日を設定し、社員が休みやすい環境を整えている。
- 年に2回、5連続営業日休暇取得の徹底化が行われている。
福利厚生
- マッサージルームがあり、診療所や歯科は無料で利用できる。
- 国内の避暑地や温泉地に保養所を所有しており、抽選で利用することが可能。
- 住宅補助がないため、都内での一人暮らしは満足度が低くなる。
- プレミアムフライデー限定で、釣りや競馬などの半日社員ツアーがある。
- 著名人による公演が充実しており、先着応募で参加できる。
残業時間
口コミサイトでは、53時間から69.7時間とばらつきがありました。
広告業界は残業が多くなる傾向にあり、博報堂も残業は多めです。ただ、残業が多くなるかどうかは部署や担当するクライアント次第になるため、社員全員が残業をしなければいけないという環境ではないようです。
有給消化率
口コミサイトでは、35.3%から40%とばらつきがありました。
業務調整を行えば自由に有給を取得できる雰囲気ではあるようですが、有給消化率は低めなので有給を取れない社員が多い印象です。近年は、「年2回の5連続営業日休暇取得」や「月に1回、部署ごとの有給奨励日の設定」など休みを積極的に摂る方針に変わってきています。
博報堂の中途採用求人情報
博報堂にはどのような職種があるのか
博報堂には、大きく分けて事務職と技術職の2職種があります。
事務職 |
マーケティングシステムプロデュース 経理財務 事業開発 ベンチャー企業投資 ストラテジックプラニング 法務 |
---|---|
技術職 |
マーケティングテクノロジー開発 Webサービス・スマートフォンアプリ企画開発プロデュース 情報システム |
(引用元:博報堂 キャリア採用ホームページ)
技術職よりも、マーケティングや事業開発などの事務職の採用に力を入れています。事務職も技術職も、高い専門性と実務経験が求められます。
求人の傾向・採用している職種
博報堂のキャリア採用ホームページと転職サイトのdodaの求人を確認したところ、圧倒的に技術職よりも事務職の求人の方が多くなっています。勤務地は東京本社と国内外の事業所となっており、必ずしも東京本社で働くということではないようです。
実際の求人情報
転職サイトのdodaで博報堂の求人を確認したところ3件の求人があり、すべて事務職でした(2020年1月時点)。博報堂のキャリア採用ホームページをみると、事務職が6件、技術職が3件となっています(2020年1月時点)。全体的に求人数が少ないですが、通年募集を行っています。
博報堂の採用方針
博報堂は「粒ぞろいより粒違い」という言葉が使われ、「こういった人材を採用する」ということを決めずに、幅広い人材を採用しています。面接では学歴よりも人柄を見ており、「やりたいことが明確な人」、「人の意見にしっかり耳を傾ける人」を採用する傾向があるようです。
キャリア採用は通年募集していますが、キャリア採用の人数は若干名としています。また、それぞれの求人には対象年齢や必要な専門性、経験が細かく記載されており、高い専門性を持ち実務経験が豊富な人材を求めているようです。
博報堂の選考に関する情報
博報堂への転職難易度
博報堂は有名な大手広告会社というだけあって、キャリア採用への応募者もとても多く転職難易度は高めです。キャリア採用は通年募集してはいますが、求人への募集要件を満たすためには、年齢、専門性、経験を満たす必要があり募集できる人材は限られます。
選考の流れ
博報堂のキャリア採用ホームページでは、選考の流れについて詳細は説明されていません。「求人へのエントリー後、選考を通過した人にのみ次回選考の連絡をする」ということのみ記載されています。
(出典元:マーケティングシステムプロデュース要員の募集について|博報堂 HAKUHODO Inc.)
筆記試験の有無、種類
博報堂のキャリア採用ホームページでは筆記試験の有無については記載がありませんでした。転職エージェントに登録し、筆記試験の有無や種類についての情報を得ることをおすすめします。
転職エージェントは非公開求人の紹介はもちろん、数多くの転職事例から企業ごと採用過程や面接の特徴なども情報を持っています。
それらをもとに、履歴書の添削や面接対策も含めしっかりとサポートしてくれますので、転職エージェントを活用し万全を期して転職活動に臨みましょう。
博報堂への転職の際には、大手企業やメガベンチャーとも強いパイプをもっているリクルートエージェントやマイナビエージェントがおすすめです。
どちらも中途採用業界においては最大手のエージェントで、特に大手企業からの信頼は絶大なものがあります。さらに、人事部だけでなく事業部から非公開求人の依頼を受けているケースもあり、目当ての求人が得られる可能性が高いです。
その他の転職エージェントの詳しい情報は1106人に聞いた、口コミで評判のおすすめ転職サイト・転職エージェントが参考になります。
またエージェントを利用する際、担当者には希望する企業と職種をはっきり伝えましょう。仮にそのタイミングで取り扱いがなくても今後の見込みをアナウンスしてもらえたり、関連企業の求人などを案内してもらえたりする可能性もあります。
必須・推奨される資格
博報堂のキャリア採用ホームページを確認すると、応募に必須とされる資格は「4年生大学卒業以上」となっています。それ以外は募集求人ごとに対象年齢や実務経験、スキルなどの要件が明記されているので、求人ごとにしっかりと確認をしましょう。
面接で聞かれること
博報堂では志望動機や退職理由などの一般的な質問の他に、博報堂らしさを感じられる質問も行われるので、いくつかご紹介します。
- 好きな広告は?
- 嫌いな広告は?
- あなた自身にキャッチコピーをつけ、自分という商品を売り出すプレゼント行って下さい
- 電通との違いは何だと思うか?
- こどもを歯医者に行かせるためには?(コピーライティングの力を見られる)
博報堂は広告会社なので、広告に関する質問、広告業界で1位である電通に関する質問などが多くなります。広告業界について自分の考えを伝えられるように事前に準備をしておきましょう。
博報堂への転職に関する口コミや評判
・部署にもよるが、明るい人が多く社会人としてのつながりだけでなく、一人間として上司と会話ができる雰囲気がある。(営業・20代)
・社員はポジティブな人が多く、打ち合わせが面白いことが特徴。(営業・30代)
・実力主義だが、完全なる縦社会ではない。(事業開発・30代)
・業績は安定しており、既存の取引先とどれ開け関係性を築けるかを大切にしている。(営業・20代)
・上層部クラスとも風通しはよく、社内の環境はとてもいい。(営業・20代)
・会社の業績にもよるがボーナスが占める割合が大きく、年収は業界内外と比較しても高水準。(営業・30代)
・年次に応じて裁量労働制となるので残業代がつかなくなるが、年に1回の賞与と月給で高給と感じることができる。(ルートセールス・20代)
・若い時はほかの業種よりも年収が高いが、30歳を超えるとほかの業種に抜かれてしまう。(マーケティング・30代)
・働き方改革で残業が減ったので、残業代で給与が増えることはなくなったが特に不満はない。(広告・30代)
・査定をクリアすればボーナスは立派な額をもらえるので満足している。(営業・20代)
・上長との対話で活動の振り返り、翌年の成長設定を行い誠実に評価される仕組みである。(営業・30代)
・評価は担当しているクライアントの財務状況に左右されるが、基本的に正当に評価される傾向にある。(営業・20代)
・評価は上司によって変わる印象だが、おおむね満足している。(広告・30代)
・年に数回、部署内で評価面談制度があるが部署によっては形骸化していてあまり意味をなしていない。(代理店営業・20代)
・年功序列で給与が上がっていく側面があるが、国内企業の中では平均以上の給料なので不満はない。(広告・30代)
・華やかな世界で、目に見えて自分がやった仕事の成果が分かるのでやりがいを感じる。(企画・20代)
・業界大手のため、新しい事業をやるにも資金も人材も整っているので高いクオリティの仕事をすることができる。(新規事業・30代)
・イベントが多数あるので土日は立ち合いはその準備に追われるが、やりがいはある。(営業・20代)
・自分たちが準備してきたものが全国規模で展開され多くの人の目につくので達成感を感じやすい。(営業・20代)
・先輩後輩の垣根は少なく、自分でやりたいことがあれば主張でき、達成感を感じながら仕事ができる。(営業・30代)
(引用元:キャリコネ、openwork、転職会議、カイシャの評判)
おわりに
国内大手企業の広告制作を手掛ける博報堂は、人気が高く、求められる経験やスキルも高いので転職難易度は高めです。ただ、通年キャリア採用を行っているため、募集要件を満たしており、「コミュニケーション能力が高い人」や「やりたいことがはっきりしている人」は採用されやすい傾向にあります。人気企業への転職は準備が重要となるので、転職エージェントに登録するのがおすすめです。担当アドバイザーに博報堂向けの書類作成の方法や面接方法などを相談すると、転職を有利に進めましょう。