離職率が圧倒的に高い飲食業
数ある業界の中でも入職者と離職者の数が圧倒的に多い飲食業界。
お客さんと直接接することで感謝されることにやりがいを感じて飲食業に就いた方や、学生時代にやっていた飲食店のアルバイトからそのまま正社員になった方など、飲食業に就く理由は人それぞれです。
しかし、飲食業の正社員は想像以上にきつく、環境的にも劣悪な場合も多く、辞めたいと思う方が多いのが、飲食業界の実情でもあります。
厚生労働省が発表する令和2年(2020年)産業別入職率・離職率によると、宿泊・飲食サービス業界は入職者数・離職者数共に約130万人と最多になっています。
(引用元:産業別の入職と離職(令和2年雇用動向調査結果の概要より)|厚生労働省)
入職率よりも離職率が高いため、常に人材不足に悩まされている業界です。
離職率が高い理由
飲食業界から離れてしまう理由は人それぞれですが、辞めていく方の声を見ると、次のような理由が大半です。
- 長時間労働
- 休日が少ない(不定期)
- ハードワーク
- 低賃金
外食産業は、圧倒的に労働時間が長いのが特徴です。
正社員は店長や店長候補として勤務するため、お店が営業している時間帯は出勤していることが多いようです。
アルバイトの急な休みの穴埋めをしなければならないこともあり、否が応でも長時間労働になってしまうことがあります。
また、1日の労働時間が長い割に、休日が少ない傾向にあるのも外食産業の特徴です。
これは、シフト制ということもあり、規定日数以上の勤務を求められることが多く、人手不足の補填に追われることが多いためです。
また、年末年始やお盆、GWは飲食店にとって最も忙しい時期であり、休むことは許されません。
そのため、辞める人の多くは「家族との時間が確保できない」などを理由に辞めることが多いようです。
繁忙期は休みも少なく激務になりがちな飲食業ですが、正社員でも賃金が安いことも辞める理由の一つとなっています。
飲食業・外食産業に勤めながら転職活動を始めるには
注意!転職活動を始める前に気をつけること
転職初年度は給与が低下する可能性大
飲食業界から他業界に行く場合は、自分のスキルを生かせる可能性は低いので、未経験者採用の求人に応募することになります。
未経験の業界に挑戦するということは、第二新卒並みの給与にダウンする可能性があるということです。
そのため、飲食業界以外の他業種に転職する場合は、少なくとも転職後1年間は給与が下がってしまうことを考慮して転職に臨む必要があります。
仕事は大変だけど給料には満足している方は、今一度転職を考え直した方が良いかもしれません。
転職先が決まるまでは絶対に退職してはダメ
現状が厳しいからといって、転職先が決まらないうちに退職してしまうと、失業期間が生まれたり経済的な苦境に陥ってしまったりすることで、転職活動に余裕がなくなってしまいます。
余裕のない転職活動をしていると、焦って企業に応募してしまい、企業研究不足でブラック企業に入社してしまうリスクも高まります。
そのため、長時間労働で休日が少ない状態での転職活動は難しいとは思いますが、中途半端な離職は絶対に避けましょう。
忙しくてスケジュール調整ができない!という方のために、ちょっとしたコツをご紹介します。
飲食業界で働きながら転職活動するコツ
転職活動で最も手間がかかるのが、応募先企業とのスケジュール調整です。
飲食店で働く場合、休みが不規則になることもあり、企業とのスケジュール調整が非常に煩雑になります。
そのため、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントとは、人材を必要としている企業に対し、転職したい求職者を紹介するサービスです。誰でも簡単な登録作業をするだけで、基本的に無料で利用できます。
↓↓↓転職エージェントの一例↓↓↓
地方企業を狙いたい人は「リクルートエージェント」
リクルートエージェント最大の強みは、圧倒的な求人掲載数。
常時30万件以上の求人を掲載しているので、他のエージェントにありがちな地方の求人掲載が無いということはほとんどありません。
地方で転職活動を始める方は、まずはこちらに登録してみてはいかがでしょうか。
都市部の企業を狙いたい人は「マイナビエージェント」
サポートが手厚く、都市部での求人数が多いマイナビエージェント。
専属のキャリアアドバイザーが厳選した求人情報のみを紹介してくれます。
関東や都市部での転職活動を始める方は、こちらに登録することをおすすめします。
早めに申し込んでおこう!
転職エージェントサービスの利用をはじめるためには、ホームページから申し込みが必要です。
また、申し込んだ後、実際に面談できるまでには、最短で3営業日後くらい、通常は約1週間後くらい、繁忙期では2週間後になることもあります。
なるべく早く転職活動を始めるためにも、先に申し込み手続きだけでもしておくことをおすすめします。
キャリアップのコツは食品業界・外食産業がお客様になる会社を狙うこと!
飲食業界出身者の転職は難しいと思い込んでいませんか?
いえいえ、そんなことはありません!
確かに、一般的には飲食業界から他業種への転職は困難とされていますし、そのようなアドバイスをする転職エージェントの方もいらっしゃるかもしれません。
やみくもに職務経歴書を送っているだけでは、1次選考にすらたどり着けない事がほとんどでしょう。
そこで大事になるのが「飲食業界での経験が評価される応募先を選ぶ」ことです。
具体的には「飲食店がお客様になる企業」がこれに該当します。
例えば、次のような企業です。
- 飲食店向けの食品卸
- 什器・厨房卸問屋・内装
- POSレジ関連、決済代理店
- 飲食店向け広告代理店
- 求人広告、勤怠・給与管理システム
こうした中には昨今大きな成長を見せている企業もあります。
PayPay等のキャッシュレス決済もすっかり一般的になりましたが、キャッシュレス決済サービスのメインクライアントは飲食店です。
古くはぐるなびから昨今ではRetyまで、飲食店向けの広告メディアは急速に規模を拡大しています。
また、新型ウイルスの影響もあり、出前館やWoltなどの食品配送関連サービスも大きく成長しました。
こうした企業を転職のターゲットとすることで、お客様側(飲食業界)の事業を経験し、理解しているというあなたの経歴を活かすことができます。
特に未経験での募集が多い「営業」と「営業事務」は狙い目です。
営業職
営業職は、飲食業界で培った対人スキルが存分に発揮できる職種です。
営業職は、未経験者の募集が多いことも特徴です。
特に飲食店がターゲットとなる企業では、飲食店での経験を存分に活かすことができます。
例えば、アポを取り付ける場合でも、何時ぐらいがお店が暇になりやすいかといった視点を持つことができるのは飲食店経験者ならではですし、
仕込みやスタッフ管理の大変さなど飲食店ならではの苦労を肌で感じているあなたは、人一倍お客様の懐に入りやすいはずです。
飲食チェーンの社員からスタッフ管理ツール営業の志望動機例
現職では、飲食チェーンの店長候補として、店内業務全般を任されています。
特に注力してきたのがスタッフマネジメントで、担当店舗ではシフト管理を徹底したり、グループLINEを活用してコミュニケーションを円滑化したりといった工夫により、アルバイトスタッフの定着率を昨年比で20%改善し、求人広告費を削減することに成功しました。
このような経験からスタッフ管理の重要性を強く認識するようになりました。そこで、飲食店向けスタッフ管理ツール事業者を中心に転職を検討しています。
中でも御社は、スタッフ同士のコミュニケーション機能を備えたシフト管理ツールを提供されているということで、現場での経験を活かして飲食店様に運用レベルでのアドバイスしながら営業活動できるのではないかと思い、応募いたしました。
営業事務
飲食業の激務から解放されたい! そんな方におすすめなのが、飲食店を対象とした営業を行っている企業での「営業事務」です。
営業事務は一般事務と違い、営業担当者のアシスタントとして営業活動に携わる仕事です。
営業事務には、コミュニケーション能力やPCスキルだけでなく、クライアントや営業担当者からの依頼をスムーズに処理し、クライアントに直接アプローチする能力も求められます。
依頼内容によっては、どのような業務が必要かを判断するために、クライアントの状況や営業先の業務について熟知しておく必要があります。
例えば、飲食店向けの広告代理店の営業事務は、営業担当者から掲載する飲食店の情報収集や、原稿の作成・編集を依頼されることがあります。このような場合、クライアントの飲食店に合わせた集客アップの設定提案など、実際に飲食店で働いたことがなければ気付けないようなものもあります。
飲食店での勤務経験がある営業事務は、営業からの依頼に対応するだけでなく、クライアントの事情を考慮したワンランク上の仕事ができる強みがあります。
飲食店ホールスタッフから飲食店向け広告代理店営業アシスタントへの志望動機例
現職では、飲食店のホールスタッフリーダーとして、店内業務全般を任されています。
特に注力してきたのが店舗集客のためのマーケティングです。チェーン店ではありますが、店舗独自の企画を行うことで、ピークタイム以外の集客アップに尽力いたしました。実際に行った企画では、当該期間の売上を昨年比で50%増加させることに成功し、過去最高の月間入客数を達成いたしました。
このような経験から、飲食店を盛り上げるための企画に興味を持ち始めました。
そこで、貴社の飲食店向け広告による飲食業界の活性化という理念にたいへん共感いたしまして、営業アシスタントとしてクライアントである飲食店様をさらに支援できるのではないかと思い、応募いたしました。