美容業界の転職


ライター:奥野 佑樹
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矢野経済研究所の調査によると、2019年の理美容業界の市場規模は2兆1,253億円、そのうち理容市場は6,287億円、美容市場は1兆4,966億円です。

2019年度の理美容市場は、前年度比99.4%の2兆1,253億円
(参照:2019年度の理美容市場は、前年度比99.4%の2兆1,253億円|市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

豆知識:国内で同規模の市場を持つ業界といえば、宅配便市場(2.0兆円)、新聞市場(1.7兆円)です。

美容市場に関わるお仕事は、接客をはじめとし事務、製品開発、マーケッターなども含めると多岐にわたります。
今回は、未経験からでも入りやすい、お客様とダイレクトに接する接客関係の職種についてお伝えします。

 

美容業界ではたらくことに興味がある方へ

職種別の解説をする前に、これから美容業界を目指す方へお伝えしたいことが3つあります。

福利厚生を面接で確認すること

美容業界は長時間労働、低賃金が常態化しています。
業界全体として待遇の向上がさけばれており、法律以上の福利厚生制度が整っている企業もありますが、一方で法律で決まった福利厚生が整えられていない企業、サロンがあることを頭に入れていただきたいのです。

福利厚生のなかで、最初の「壁」になるのは、社会保険制度と休日数です。社会保険制度にしっかり加入している企業ではない場合、お給料から引かれるものが多くなるため、手取り額に大きな影響があります。
そのため面接時に必ず、社会保険の状況について確認するようにしてください。ポイントは3つです。

  • 厚生年金に加入しているか:国の制度として、厚生年金保険の保険料は、毎月の給与から会社と被保険者とが半分ずつ負担することが義務付けられています。会社としてこの制度が整っているかを確認してください。
  • 社会保険(健康保険)に加入しているか:社会保険も厚生年金と同様に、企業と従業員で一定の割合で負担し、会社から納めます。正社員としての募集にも関わらず、「健康保険は自分で納める」ことや「国民健康保険になること」を仄めかされたら注意してください。
  • 休日制度:国の制度として年間休日は「毎週1日」または「4週間を通じて4日間」が最低ラインと定められています。

美容が好きな気持ちを長持ちさせるためにも、
なるべく制度を整っている企業を選びましょう。

営業目標やノルマについて

美容のお仕事は、自分の技術でお客様の良さを引き出すやりがいのあるお仕事である一方、営業・販売ノルマが敷かれていることがあります。

ノルマには2種類あります。

  1. 個人ノルマ…個人の月別の売上ノルマや、接客人数、新規獲得人数に対するノルマです。
  2. 店舗・チームごとのノルマ…店舗、チーム全体に売上ノルマが課される。

ノルマと聞くとプレッシャーに感じる方もいるかもしれませんが、逆にノルマが目標になり、良い刺激となって成長できるという方もいます。

自分に合ったノルマ設定のある職場を選びましょう。

土日休みたい場合の職種選び

美容関係の接客職は、基本的には土日が繁忙期です。
「土日休みの接客・販売職」の仕事は見つかりにくいです。

平日のみの勤務を希望する方は、おのずと「内勤職」を選択することになります。美容系企業の事務職やマーケティング職、受発注や在庫管理業務の裏方としての求人へ応募しましょう。

内勤職は、華やかなイメージとは離れているかもしれません。しかし、美容ブランドを裏方として支えるやりがいはあります。企業側も、美容に興味があれば未経験でもバックオフィス職として採用することもあります。
一方で、バックオフィス職として働く場合は、パソコンスキルが一定必要になります。

美容関係の裏方の仕事は、リクナビNEXTなどで探すと良いでしょう。

専門学校、Wスクールが必要な仕事をまず理解

美容業界のうち、資格取得が必須とされるお仕事は以下になります。

職種 資格
美容師 美容師国家資格
理容師 理容師国家資格

理美容業界を代表する美容師、理容師は国家資格が必要であり、免許がないと就くことができません。

※ちなみに、アイリスト(まつ毛エクステ)も、美容師免許が必要です。

それ以外の仕事は未経験からでも入職することが可能です。

ただし、職種によって資格の重要度はまちまちで、「資格があれば有利になる仕事」や、「資格がなくても就労可能な仕事」「逆に資格はあるけれど未経験時には必要とされない仕事」もあります。
この違いを押さえて、自分がどの道に進むかを考えましょう。

ネイリスト

ネイリストは、お客様の爪のお手入れや装飾、アートを施す仕事です。「爪を手入れする、装飾をする」という考え方は歴史が古く、紀元前の古代エジプト時代の資料でも確認されています。

ネイリストになるために特別な資格は必要ありません。
「NAネイルスペシャリスト技能検定試験」「JNEネイリスト技能検定」など民間の権威ある資格があり、資格保有者は転職でも歓迎されています。

ネイリストを募集している953求人のうち、61%は未経験者OK、39%は有資格者を歓迎していました。

リジョブでの調査結果(2020年9月調べ)

未経験OK 586件
有資格者限定 385件

(参考:リジョブ

美容系専門学校であれば学費は2年間で200万円程度、ネイルを専門に学ぶネイルスクールであれば40万円程度で学ぶことができます。また、検定対策だけであれば10万円代から受講できるコースも。

資格

NAネイルスペシャリスト技能検定試験
JNEネイリスト技能検定
JNAジェルネイル技能検定試験
ネイルサロン衛生管理士

ネイリストの有名な方

・林由美さん(ネイルサロンミューラ)

・金子渚さん(DISCO)

・HIDEKAZUさん(CoolCute)

エステティシャン

エステティシャンとは、エステサロンでお客様を接客し、悩みにあわせた痩身、美白、リラクゼーションなどの施術を行う技術者を言います。集客力のある大手・人気サロン以外では集客に苦戦するケースもあります。
そのため、美容関係職種のなかでも、集客/販売ノルマなどが敷かれる傾向にあるお仕事でもあります。

エステティシャン求人のうち、1169件のうち887件が未経験者を歓迎しており、未経験者からでも入れる確率は高めです。

リジョブでの調査結果(2020年9月調べ)

未経験OK 887件
有資格者限定 282件

(参考:リジョブ

資格

CIDESCOインターナショナルエステティシャン
AEA上級認定エステティシャン
認定エステティシャン
認定フェイシャルエステティシャン
認定ボディエステティシャン

エステティシャンのトッププレイヤー

・たかの友梨さん(たかの友梨ビューティークリニック)

・平賀さやかさん(Odette)

脱毛エステティシャン

脱毛サロンには、美容脱毛と医療脱毛があります。
医療脱毛では国家資格が必要ですが、美容脱毛では特に資格は必要がありません。

脱毛といえば大手サロンの「ミュゼプラチナム」があります。
ミュゼプラチナムのスタッフは入社後、無料で同社の脱毛を無料で行うことができます。

また、未経験としては比較的給料が高めに設定されています。

脱毛エステティシャンには民間資格の「CPE(認定電気脱毛士:Certified Professional Electrologist)」があります。受験資格として実務経験や、予備試験に合格するなどの要件があります。未経験かの方は特に意識しなくて良い資格です。

アロマセラピスト

アロマセラピストとは、精油の正しい知識に基づき、エッセンシャルオイルを使って、お客様にアロマテラピーを施術するお仕事です。

アロマセラピーは通常、エステサロンのサービスの一部として提供されています。
アロマに関する検定は日本アロマ協会が主催する「アロマテラピー検定(日本アロマ環境協会)」があります。

しかし、求人情報を確認した結果、アロマセラピスト求人の殆どが未経験OKとなっています。

リジョブでの調査結果(2020年9月調べ)

未経験OK 32件
有資格者限定 3件

(参考:リジョブ

資格

アロマセラピスト関連資格
アロマテラピー検定(日本アロマ環境協会)

美容部員

美容部員とは、百貨店や専門店、大手スーパーのコスメカウンターなどで、お客様の悩みや疑問に寄り添ってカウンセリングをしたり、化粧品の販売をしたりするお仕事です。

未経験からでも美容部員への転職は可能です。なぜなら、美容部員は、女性率がほぼ100%であり、結婚や出産による離職者が多いためです。熱意のある方の未経験者も幅広く募集し、入社してから研修で育てることを前提に、未経験者を採用しています。

美容部員になるために、特に必要な資格はありません。
※ブランドによっては、美容系専門学校を卒業している方を優遇しています。

スタイリスト

スタイリストとは、芸能人やモデルがメディアに出演する際にファッションアイテムをコーディネートするお仕事です。
一般的に、服飾系の専門学校を卒業した後、スタイリスト事務所に就職するパターンと、有名スタイリストのアシスタントとして下積みを数年した後、スタイリストとして独立するパターンがあります。
未経験から目指そうとする方は、ご年齢にもよりますがまずはスタイリスト事務所などの求人を探してみてはいかがでしょうか。

スタイリストの有名人

・大久保篤志さん

・野口強さん

・佐藤かなさん

・辻直子さん

一方で、近年「パーソナルスタイリスト」というお仕事も人気を集めています。
これは芸能人やタレント、モデルなど特別なお仕事ではなくても、一般の人ひとりひとりがスタイリストの指導を受けて、より自信を持って生活をしようとしたときに、コーディネートやファッションアイテム選びをするお手伝いをするお仕事です。
パーソナルスタイリストになるためには特に資格は必要ないため、元接客、販売員の方がパーソナルスタイリストとして起業したり、パーソナルスタイリスト事務所に登録して働くこともあります。

美容業界のお仕事の選び方

ここまでお伝えしたように、美容業界のお仕事を選ぶ場合は

  • 福利厚生を確認、ノルマの有無を確認
  • 土日休たい場合は、バックオフィス職への転職も視野に
  • 資格の要否を確認した上で、自分に合った職場を選ぶことをおすすめします。

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