6月の求人・求職状況
トピックス:多くの産業で新規求人数が大幅増加
全体
4月の有効求人倍率が発表。前月はわずかに減少したものの、昨年12月から約1.10倍の水準を維持。また求人数も緩やかな増加傾向を続けている。
産業別
この1年間減少を続けていた、前年同月で見た新規求人数は今月は15.2%増となった。
なかでも「教育・学習支援業」では43.6%、「製造業」も32.8%と大幅に増加しており、そのほか「生活関連サービス業・娯楽業」「学術研究・専門・技術サービス業」でも約25%の増加となった。
最初の緊急事態宣言から一年が経過して、転職市場も落ち着きを見せ始めているようだ。
業種別
「メディア」「IT・通信」は引き続き好調で、継続的に求人倍率を増加させている。
一方で、昨年9月ごろから求人倍率が回復傾向にあった「サービス」と「商社・流通」が先月大きく減少したもの、今月は横ばいとなった。
再度の緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の影響も考慮して、これらの職種への転職は様子見の時期か。
職種別
昨年12月から求人倍率を緩やかに減少させていた「技術系(建築・土木)」が先月より増加傾向に、同様に減少していた「営業系」も今月は増加させた。
「企画・管理系」は昨年11月以降、わずかな揺れを伴いながらも増加を続けており、今月は昨年の4月以降で最高の水準となった。
比較的高い求人倍率を保っている「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」は求人数・求人倍率ともに増加させた。
異業種からの転職を比較的検討しやすい「企画・管理系」「営業系」が回復傾向にあり、コロナで転職控えてた方も転職活動を始めるチャンスといえる。
データ詳細
一般職業紹介状況(厚生労働省)
4月の新規求人数は前年同月と比較すると15.2%増となった。
(引用元:一般職業紹介状況(令和3年4月分)について - 厚生労働省)
- 有効求人倍率は1.09倍、前年同月の0.11p減
- 求人数は前月の1.4%増、前年同月の1.4%減
- 求職者数は前月の2.6%増、前年同月の17.5%増
求人数・求職者数ともに先月に引き続き増加。
有効求人倍率は先月と比較してわずかに減少しました。昨年12月から1.10倍前後の水準を保っている。
また新規求人を産業別に見ると、
教育・学習支援業(43.6%増)のほか、製造業(32.8%増)、生活関連サービス業・娯楽業(25.2%増)、学術研究・専門・技術サービス業(24.2%増)で増加した。
転職求人倍率レポート(doda)
- 求人倍率は1.88倍、前月比+0.02pt、前年同月比-0.70pt
- 求人数は前月の2.6%増、前年同月の9.1%減
- 転職希望者数は前月1.6%増、前年同月の24.5%増
【業種別】「IT・通信」「サービス」はじめ複数業種で求人倍率が増加
求人倍率は、前月比では「メディア」「メディカル」「小売・外食」を除くの5業種で増加、前年同月比はすべてで低下。
求人数は「メディア」「商社・流通」を除くの6業種が前月比で増加した。
前月比の求人増加率は「サービス」の4.8%が最大で「メディカル」の3.7%が続く。
業種 | 求人倍率 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|
全体 | 1.88 | -0.02 | -0.70 |
IT・通信 | 5.72 | 0.14 | -2.13 |
メディア | 1.16 | 0.00 | -0.42 |
金融 | 1.43 | 0.04 | -0.67 |
メディカル | 1.42 | -0.03 | -0.96 |
メーカー | 1.60 | 0.01 | -0.32 |
商社・流通 | 0.81 | 0.01 | -0.34 |
小売・外食 | 0.70 | -0.04 | -0.52 |
サービス | 1.94 | 0.06 | -0.80 |
【職種別】「営業系」「企画・管理系」「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」「技術系(建築・土木)」が求人数・求人倍率ともに増加
求人倍率は、「営業系」「企画・管理系」「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」「技術系(建築・土木)」の5職種が前月比で増加し、前年同月比ではすべてで低下。
求人数は、「事務・アシスタント系」「専門職」「技術系(化学・食品)」を除く8職種業種が前月比で増加した。
求人増加率は「企画・管理系」の7.7%が最大で「販売・サービス系」の7.4%が続く。
業種 | 求人倍率 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|
全体 | 1.88 | 0.02 | -0.70 |
営業系 | 1.62 | 0.11 | -0.61 |
企画・管理系 | 1.70 | 0.19 | -0.35 |
技術系(IT・通信) | 8.34 | 0.32 | -2.37 |
技術系(電気・機械) | 2.93 | 0.07 | -1.49 |
技術系(メディカル) | 1.54 | 0.07 | -0.17 |
技術系(化学・食品) | 0.90 | -0.06 | -0.36 |
技術系(建築・土木) | 4.68 | 0.03 | -1.16 |
専門職 | 5.38 | 0.69 | -2.52 |
クリエイティブ系 | 1.26 | -0.03 | -0.30 |
販売・サービス系 | 0.52 | -0.01 | -0.66 |
事務・アシスタント系 | 0.18 | -0.01 | -0.11 |
6月の転職ニュース
転職者が感じた「転職が決まらない理由」
【転職者が感じた”転職が決まらない理由”ランキング】299人アンケート調査
求人情報サイトを運営する株式会社ビズヒッツの調査によると、転職が「転職が決まらない理由」の上位7つは以下の通りであった。
(引用元:【転職者が感じた”転職が決まらない理由”ランキング】299人アンケート調査)
1位は「経験・スキルの不足」で、コロナ禍で即戦力を求める傾向が高まっていることもあり、回答者数が2位の約3倍のとなった。
2位は「年齢の高さ」であったが、3位以下には「面接で失敗した」「志望動機が弱かった」と事前に対策しておくこともできるものが続いた。
自分のスキルや経験にあった求人を選ぶことに加えて、転職サイトや転職エージェントを利用して事前対策を万全にすることの重要性がうかがえる。
オンライン面接で応募者を評価するポイントは?
全国の20代~50代の男女300名に聞いた『転職活動におけるオンライン面接に関する調査』30代の84.0%がオンラインでの転職活動を不安視。選考が進むにつれ、オフライン面接を希望する転職活動者が増加
通信インフラサービスを取り扱う株式会社ALL CONNECTが2021年5月に行った調査にでは、面接担当者の「オンライン面接で応募者を評価するポイント」という質問に対しての回答は以下のようになった。
(引用元:全国の20代~50代の男女300名に聞いた『転職活動におけるオンライン面接に関する調査』30代の84.0%がオンラインでの転職活動を不安視。選考が進むにつれ、オフライン面接を希望する転職活動者が増加)
全体で最も多い回答は「声の大きさやトーン」で52.0%という結果。その他「身だしなみ」46.0%、「目線」35.3%も多くの回答を集めた。
「目線」の回答に注目すると、回答者の年代が上がるにつれて、回答割合が高くなっていることがわかる。
面接担当者として経験が長いほど、目線から情報を読み取る能力が高くなるためと予想される。
オンライン面接当日に、面接担当者の年齢が高い場合は、普段よりも自分の目線の動きにも気を使い、誠意や熱意を伝えることを意識すると良い結果が出るかもしれない。
新サービス 転職先診断サービス『難関企業診断くん for Career』がリリース
社会人向け転職先診断サービス『難関企業診断くん for Career』をリリース!リファラル採用プラットフォームやキャリアセミナーを運営するAniwoが提供。(PRTIMES)
イスラエルと日本を拠点にイノベーションプラットフォーム・アドバイザリーサービスを提供するAniwo Ltd.は、2月に提供開始した就職先診断サービス『難関企業診断くん』に続き、社会人向けの『難関企業診断くん for Career』をリリースした。
「手軽に最適な転職先業界・企業を知ることができる」サービスを目指す『難関企業診断くん for Career』では、15分間のオンライン面談のみで、自身の適正業界・お勧め企業を把握することができる。
診断では、同社が運営する採用プラットフォーム『Axelnode』でのキャリアアドバイザーとしての知見及び豊富な求人情報のネットワークに基づき最適な転職先が提示される。
現在の勤め先に不満はあるものの、自分に適した業界や企業が何かを調べる時間はとれていない場合や、転職を考えている業界が自分に合っているのか悩んでいる場合には便利なサービスといえる。