無事転職先が決まったら退職の手続きを行います。
その際に提出される書類、退職届と退職願は役割が異なるものですので注意が必要です。
結論として私は「退職届け」の方を利用することをおすすめします。
退職願とは
退職願とは、「◯年◯月◯日をもって会社を退職させてください。と、文字通り願いでる書類です。人事を管轄する部署がこれを受理するまでは「やはり退職するのを辞めます」と言い出すことができる点が退職届と大きく異なります。また、会社としてもこれを受理しないことを選択することも可能です。
退職届とは
退職届とは、「◯年◯月◯日をもって会社を退職します。と、明確な意思を表明する書類です。この場合企業側はこれを断ることはできません。通常、退職届が提出される前にはすでに退職日について合意がとれているはずです。
円満退社のためにもなんの前触れもなくいきなり退職届を提出するようなことはせず、事前に退職の件を上司に相談するようにしましょう。
サンプルは横書きですが、実際には縦書の書類を用いて以下のように記述します。
退職届
私事
一身上の都合により来る平成◯年◯月◯日をもて退職したく、お願い申し上げます。
平成✕年✕月✕日
◯◯◯◯◯◯部
山田太郎 (印)
株式会社◯◯◯◯
代表取締役社長 ◯◯◯◯ 様
退職を翻すようなことはあってはならないこと
退職願も退職届も法的拘束力を持つ書類で、何か問題があった時には労働基準監督署が判断するときの拠り所になるものですので取り扱いは慎重にしましょう。
事前に説明した定義を見ると退職願の方が安全に思われるかもしれませんが、一旦退職の意思を表明した後に会社に残るというのはよほどのことが無い限りあってはならないことです。だいたいの場合そのニュースは瞬く間に社内に広まりますし、その後翻意したということについて白い目で見る社員は必ず一定数出てきます。
ですので、退職の意思が明確な退職”届”の方を使うべきです。
そもそも、そのようなことにならないよう、転職活動初期の段階であなた自身の目的と目標をきちんと明確にし、気持ちにブレが生じないように準備をすべきなのです。
【番外編】「辞表」とは
辞表とは、経営者・役員や外部委託のプロジェクトリーダーなど、企業と雇用契約の無い方が辞意を表明するために用いるものです。
よくTVのドラマなどで「辞表を叩きつける」シーンがありますね。そのイメージが強いせいか稀に転職活動でもこの辞表を提出しようとする方がいますが、辞表は一般的な会社員が利用するものではありません。
常に心がけるべき「円満退社」
たとえ遺恨があったとしてもお世話になった会社です。
これからどんな関係が芽生えるかもわかりませんので、トラブルにならないようきちんと手続きして円満退社をしましょう。