社会人として豊富な経験を積んできたハイクラス、エグゼクティブの方にとって、最も良い転職サービス(転職エージェント、サイト)とはどのようなものでしょうか?
日本のハイクラス、エグゼクティブ転職の動向(2010年以降)
おすすめのエージェントを解説する前の予備知識として、市場動向を簡単にお伝えします。
2010年以降よく聞こえてくるようになった、「ハイクラス、エグゼクティブの転職」とは、主に年収800万円以上の上級管理職の転職のことを言います。
実は日本のハイクラス、エグゼクティブ転職のオファーは外資系企業が7割:日系企業が3割程度です。
終身雇用が崩壊したとはいえ、プロパー(生え抜き社員)を重視する文化が強い日系企業では、中途社員に即責任あるポジションを任せるケースは少ないです。御存知の通り日系企業では管理職ポストは飽和状態です。
一方外資系企業では、「管理職」はあくまで職能のひとつとして捉えられており、必ずしも新卒・生え抜きである必要性は無いという考え方です。環境も頻繁に変化しますので、管理職クラスの社員を中途採用者から登用することに抵抗がありません。
※ ハイクラス、エグゼクティブ転職の動向について
この現状を踏まえて、あなたにおすすめの転職エージェントを提案いたします。
ハイクラス、エグゼクティブ転職の4つの方向性
まずはこちらの表をご覧ください。
グローバルの実績・人脈に自信がある | グローバルの実績・人脈に自信がない | |
---|---|---|
日系企業に転職したい | a)リクルートダイレクトスカウト(旧:CAREER CARVER) | c)リクルートエージェント |
外資系企業に転職したい | b)ビズリーチ | d)JACリクルートメント |
これは転職Doオリジナルの考え方で、ハイクラス、エグゼクティブの転職について4つの方向性を示したものです。
縦軸は、「グローバル市場での実績、人脈に自信がある or ない」
横軸は、「日系企業 or 外資系企業に転職したい」
この2つの掛け合わせで、あなたが使うべきエージェントが見えてきます。
a)グローバルの実績、人脈に自信がある × 日系企業へ転職
これまでグローバル市場で実績を上げてきた方は日系企業でも管理職として登用される可能性が十分あります。そこでおすすめなのは、リクルートが運営するヘッドハンティング型転職サイト「リクルートダイレクトスカウト(旧:CAREER CARVER)」です。
リクルートダイレクトスカウトで取り扱っている求人のうち、年収800万円以上の求人は、94%以上にものぼります(2020年4月時点の情報です)
また運営母体のリクルートグループの強みを活かしたネットワークで、ハイクラス求人のなかでは希少と言われる日系の求人も扱っています。
リクルートダイレクトスカウトのヘッドハンターのインタビューによると、これまで中小企業の管理部長職として働いていて、具体的な強みが見えにくくなってしまっている方に対しても、ヘッドハンターのヒアリングのキャリアの棚卸しにより、無事日系企業へ内定が決まったとのこと。
b)グローバルの実績、人脈に自信がある × 外資系企業へ転職
これまでグローバルに活躍してきた方で、その強みを発揮したい方は、ビズリーチへの登録をおすすめします。
ビズリーチは、年収1,000万円以上の求人が1/3以上を占めるレジュメバンク型の転職サービスで、ヘッドハンターや大手外資系企業のリクルーターが多数常駐しています。
日本型の採用の場合、企業が転職志望者からの応募を待つ受け身型が主流です。
一方で、日本IBM、Amazon、Oracle、Microsoftに代表される大手外資系企業は社内にリクルーティングチームを抱え、企業から直接応募者をスカウトするダイレクトソーシングと言われる手法を取り入れています。
ですのでレジュメの完成度を最大限高めてから、ビズリーチに登録し、スカウトを待つ方法が効率が良いというわけです。
c)グローバルの実績、人脈に自信がない × 日系企業へ転職したい
これまで国内企業で管理職としてキャリアを積んできたあなたは、リクルートエージェントへの登録が転職への近道です。
「日本のエグゼクティブ転職、ハイクラス求人事情」でもお伝えしました通り、日系企業の管理職ポジションは飽和状態かつ保守的ですので、中途採用者を管理職につけません。
しかし一旦、管理職一歩手前のポジション(課長代理)として採用し、経験を積んだ後管理職へ昇格するケースはあります。
※ 実際に筆者が勤めていた大手メーカーでは、外部から来た方を課長代理として採用しました。(それでも社内は結構ザワついていました)
そのような求人に出会うためには、国内で最も多くの案件を保有するリクルートエージェントに登録し、管理職一歩手前のポジションを狙うのがベストの選択肢です。
b)グローバルの実績、人脈に自信がない×外資系企業へ転職したい
グローバルでの実績、人脈に自信はないけれど、外資系企業として転職したい方は、JACリクルートメントへ登録して、まずは外資系企業の転職について情報収集をすることをおすすめします。
JACリクルートメントはこれまでに43万人以上の転職者を支援した実績を持つ外資系の転職エージェントです。
もともと30代~のミドルキャリア以上を対象とした転職サービスとしてスタートしており、管理職の転職に強みがあります。まずはハイクラス、エグゼクティブの転職について情報収集をしましょう。
外資系企業というと英語力が必須のイメージを持たれるかもしれませんが、いざ働いてみると意外とそうでもないことに気付きます。
外資とはいえいわば日本法人ですので周りは日本人ばかり。
上司や本社とのやりとりはほとんどメールですので、むしろ英語ライティングの方が重要です。
英会話を求められる場合でも直近1年以内に受けたTOEIC600~700点以上であれば十分です。
JACリクルートメントの特徴は、外資ならではの面接テクニックや、外資系転職マーケットの情報に関するレクチャーです。
まずは登録して、個別面談会に参加することをおすすめいたします。
合わせて利用したい、ハイクラス、エグゼクティブ向け転職サービス
転職エージェント、転職サイトを利用する際の鉄則は「2つ以上のサービスを掛け持ちすること」です。
理由は3つあります。
- 転職エージェントによって独占求人があるため。
- 複数のパイプラインを持っていた方が効率よく転職を進められるため。
- リスクを分散するため。
以下ではいくつかのハイクラス向け転職サービスをご紹介します。
転職Doオススメ) iX転職
iX転職はPERSOLグループが運営するハイクラス転職サービスです。PERSOLグループはiX転職の他に、dodaやミイダスなどの転職サービスを展開しています。
iX転職の特徴は、厳選されたヘッドハンターからハイクラス求人のスカウトが届くヘッドハンティングサービスという点です。
自身の情報を登録しておくだけでスカウトが届くため、自分で求人情報を検索したり、情報収集する時間を短縮することが出来ます。ハイクラス転職を目指す方にとって限られた時間の中で転職を成功させるにはこのようなサービスを利用することが必要不可欠だと思います。iX転職はヘッドハンターによる転職支援サービスも行ってもらうことが出来るので、転職活動の時間を大幅に減らすことが出来ます。
また、iX転職には「非公開求人」も豊富に揃っています。
iX転職のHP上に、ハイクラス人材の転職の秘訣は「非公開求人」にあります。との言葉がある通り、非公開求人の量と質に自信があります。
ハイクラスの非公開求人の実績も掲載されているので、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
iX転職 紹介ムービー
1)ランスタッド(外資系に強み)
ランスタッドは、世界最大級の転職エージェントです。日本では知名度がそこまで高くありませんが、1960年にオランダで創立して以来、半世紀以上にもわたる老舗の人材紹介カンパニーです。
外資系企業への若手ハイキャリア~管理職の転職に強みがあります。年収800万円以上の方がさらに上を目指す場合に適しています。
今回でいうと、タイプ(b)(d)の方は併用したいサービスです。
2)パソナキャリア(サポート力に定評あり)
パソナキャリアの強みは、キャリアコンサルタントのサポートの質です。
筆者も以前パソナキャリアで転職サポートを受けたことがありますが、さまざまな事情を勘案してくれた上で、面接指導、転職への考え方などについて手厚いサポートを受けられました。
もともと人材派遣サービスからはじまった転職エージェントサービスのため国内市場に強みがあります。タイプ(a)、(c)の方はぜひ合わせて利用することをおすすめします。
しっかり教育を受けたエージェントから転職ノウハウを吸収できますので、はじめての転職に挑戦する方にもおすすめです。
3)LinkedIn(ビジネスSNS)
ご存じの方も多いかもしれませんが、LinkedInはシリコンバレー発祥のビジネスSNSです。
LinkedInは、外資系企業の「ダイレクトリクルーティング(ソーシング)」の場として使われており、有名外資企業のリクルーターも人材発掘に利用しています。
タイプ(b)の方は合わせてお使いください。
4)RGF PR Japan(アジア圏向けビジネスの転職に強み)
外資系企業といえばアメリカなど欧米に本社を置く企業をイメージする方も多いかもしれませんが、実はアジア圏向けビジネスに関わる転職人材は需要があります。
アジア向けビジネスや、アジアに本社を置く企業への転職に興味がある方におすすめなのは、RGF PR Japanです。
RGF PR Japanは、リクルートグループのグローバル人材部門の日本拠点で、アジア全域に45の拠点があり、外資系のなかでもアジア関連企業に強みがあります。
まとめ「ハイクラス、エグゼクティブ転職で最も重要なこと」
ハイクラス、エグゼクティブの転職でもっとも重要なのは、「相談すること」です。
特に、転職エージェントの利用を避けるべきではありません。
管理職の転職で「失敗した」と感じている方のうち約半数にもおよび、そのうちの2割弱が「社風のミスマッチ」と回答しています。
管理職向けのヘッドハンター、転職エージェントはそのことを良く知っていて、ミスマッチを防ぐためのマッチングに細心の注意を払っています。(紹介で転職した方がすぐに辞めると彼らの営業成績にも影響があるのでそういった意味でも)
一度エグゼクティブ転職を覚悟すればそれはもう片道切符です。前職へ戻ることは現実的ではありません。
年収や役職だけに惑わされず、自分が成し遂げたいテーマの実現ができるかどうか、ご自身が定年まで活躍できる職場かどうか、第三者にご相談の上で慎重にご判断ください。