ジョブ・カードは、求職者のほか、在職者、職業生活の入り口にある学生、一度退職した方、再就職を考えている方など、幅広い方のキャリアアップや、円滑な就職を支援するために、厚生労働省が作成した「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールです。
個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進するため、労働市場インフラとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用するものです。
（参考：ジョブ・カードとは｜ジョブ・カード制度総合サイト｜厚生労働省）
この記事では、ジョブ・カード制度を利用することで得られるメリットや利用方法などを解説します。
ジョブ・カード制度を利用できる場面
仕事を探す場合
全国の公共職業安定所（ハローワーク）では、ジョブ・カードを活用した就職支援も行っています。
また、事前にジョブ・カードを作成しておくことで、ハローワークから求人情報をスムーズに受け取ることが可能となります。
ジョブ・カードを活用した求職活動を行うことで、あなた自信のキャリアプランに基づいて、どのように求職活動・転職活動をすべきか、ジョブ・カードを用いた応募書類の作成を行うことによって、企業が的確な採用選考を行うことが可能となります。
ジョブ・カードを用いた選考は、ミスマッチの防止にも役立つため、企業側も利用するメリットがあります。
職業訓練を受ける場合
ジョブ・カードは、職歴やスキルの棚卸し、キャリアプランの情報を蓄積することができるため、キャリア選択等の生涯のキャリア形成の場面において活用する「キャリア・プランニング」のツールとしての機能を持っています。
これを活用し、訓練受講の場面でキャリアコンサルティングを受けることにより、明確なキャリアプランニングの形成や、職業訓練受講の必要性をより明確にすることができ、訓練受講者の職業意識の向上、訓練効果の向上、円滑な就職を促進することの効果が期待できます。
ジョブ・カードは、訓練受講時だけでなく、訓練受講後においても生涯にわたって活用することができます。
その他に活用できる場面
- キャリア・プランの作成
- 職業紹介事業者を利用する際の情報登録
など、利用できる場面は多岐にわたります。
ジョブ・カードを活用するメリット
在職中の方が利用する場合
キャリア・プランニングでの活用
生涯を通じたキャリア・プランニングのためのツールとして、個人の履歴や、キャリアコンサルティング等の支援を通じた職業経験の棚卸し、キャリア・プラン（職業生活設計）等の情報を、ジョブ・カードに蓄積することができます。
その後キャリアコンサルティングを行う場合、蓄積した過去の情報を抽出し活用することができます。
在職労働者の実務能力の証明
職業訓練の受講者のみならず、在職労働者の実務経験を通じ発揮される職業能力を、企業がジョブ・カードを活用して評価することによって、労働者自身のキャリア形成の促進、職業能力の見える化の促進が行えます。
専門実践教育訓練における活用
中長期的なキャリア形成支援を目的に拡充された教育訓練給付の対象となる専門実践教育訓練において、受講前にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受けることで、その訓練の受講をその後の職務に活かすことができます。
教育訓練における活用
教育訓練受講前、受講中、受講後にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを実施することで、訓練受講の必要性の明確化、職業意識の向上、訓練効果の向上、円滑な就職の促進が行えます。
また、教育訓練実施機関が訓練の成果を評価し、その成果を記載したジョブ・カードを作成することで、受講者は職業能力の証明をすることができます。
求職者が利用する場合
職業能力証明の関連情報が盛り込まれたジョブ・カードは、履歴書だけでは理解されにくい職業能力を証明するものとして、応募書類に追加し活用することができます。
また、これらジョブ・カードに蓄積した情報から自らが選択して必要な情報を抽出・編集し、履歴書・職務経歴書として活用することができます。
実際にジョブ・カードを作ってみよう
ジョブ・カード制度のHPにアクセスします。
右上の「ジョブ・カード作成支援WEBはこちら」または「ジョブ・カード作成支援ソフトウェアはこちら」から作成を開始します。
ここでは、「ジョブ・カード作成支援WEBはこちら」をクリックします。
上記メニューが表示されるので、「ジョブ・カードを作成する」をクリックします。
自分に該当する箇所にチェックを入れ、次へ進みます。
ここからは自分の情報を入力します。
右下に記入例もあるので、わからない場合は記入例を参考にしましょう。
記入が終わったら「ダウンロード」をクリックします。
Excel形式、XML形式、PDF形式が選択可能です。自分の環境に応じて選択しましょう。
※特にない場合は、どの環境でも編集しやすいExcel形式をオススメします。
まとめ
ジョブ・カードは作っておくことでハローワークや一般の職業紹介事業者への登録や情報のやり取りがスムーズになる他、自分自身の振り返りやスキルの棚卸しにも利用できるツールになっています。
自分のキャリアプランニングの形成や、キャリアコンサルティングを受ける場合に一から情報を伝える手間が省けるため、転職活動を行わない場合も作っておくことをおすすめします。
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