警察官からの転職事情
総務省が実施した「令和2年地方公務員給与実態調査結果」によると、警察関係職員は289,917人。
このうち普通退職者は3,893人なので、離職率は約1.3%となり、全公務員の離職率約5.1%と比べるとかなり低くなっています。
しかし、30歳未満に絞ると、職員数62,399人に対して普通退職者は2,099人で離職率は約3.4%となります。
離職率はまだ民間企業より低いものの、警察官試験合格後の警察学校での勉強が厳しすぎることや、交番勤務は呼び出しや深夜勤務があり、全く休みが取れないなどの理由から、若くして警察を辞めて民間企業で働く人が多いようです。
難しい?勿体ない?警察官を辞めることについて
警察官候補生試験に合格し、念願の警察官になったものの、転職するのはもったいないと思う方や、警察官を辞めて後悔している同僚・先輩を見ると転職には踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
しかし、警察官という職業は、激務で不満が多いのも事実です。
実際、警察官を辞めたいと思う理由には、次のようなものがあります。
- 勤務時間が不規則で、家庭やプライベートとの両立が難しい
- 最初は単調な仕事を任されることが多く、つまらない
- 体育会系のような古風な体質
- 人間関係がうまく築けない
- 月給、給料、年収が低い
警察官から転職した場合、「後悔しそうかな」と思うかもしれませんが、結論から言うと「人それぞれ」です。
転職に時間をかけ、自分の希望する職種に就けるように自分と向き合えば、公務員からの転職で後悔することはないでしょう。
また、一般的に警察官の転職は難しいと言われていますが、そんなことはありません。
企業が警察官のキャリアを求めている職種はたくさんあります。
警察官のキャリアが求められるおすすめの転職先
警備会社
警備員は、セキュリティチェックや見回りなど、警察官と仕事内容が共通する点が多いことから、即戦力になり得るためおすすめの職種です。
警察官で得た経験を活かしながら警備会社でキャリアを積むことができるため、キャリアアップにつながりやすい職種と言えます。
また、元警察官という経歴は警備会社にとって貴重な人材であるため、歓迎する企業が多く、転職しやすい傾向にあります。
警察官から警備会社への自己PR例
私は、○○警察署の○○交番に配属され、約3年間交番業務に従事いたしました。
配属後は、110番通報への対応や交番のパトロールなど、市民の皆様の問題解決に真摯に取り組みました。日々の業務に加え、いざという時に備えてトレーニングも欠かさず行っています。
また、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の方と接することで、一定のコミュニケーション能力が身についたと思っております。
貴社の警備員業務では、様々な業種のお客様と接するため、このコミュニケーション能力と体力が生かせると感じました。
私の経験やスキルを活かして、お客様のさまざまなニーズに応えていきたいと思い、志望いたしました。
自動車学校の教官
交通課で勤務していた警察官は、自動車教習所の教習指導員など、交通に関わる仕事に就くことでその経験やスキルを活かすことができます。
ただし、教習指導員になるには、指導員候補として入社し、働きながら学び、指導員としての資格を取得する必要があります。
一時的に収入は大幅にダウンしてしまいますが、働きながら資格取得のサポートを受けられるため、これまでの経験や知識を活かしてスムーズにキャリアアップ出来る職種といえます。
教習指導員になるための試験は「指導員審査」と呼ばれ、年に2回行われます。
教習所に入校した後は「予備教育」という講習を受け、指導員審査に備えます。
指導員試験に合格し、「事後教養」の講習を受けると、初めて運転指導員として認可されます。
ドライバー職
警察官のパトロール経験を活かして、タクシーやトラックなどのドライバー職もおすすめの職種です。
これらの職種は、事故を起こしてはいけない安全性と、所属する地域の知識が必要です。
そのため、どちらも持ち合わせている元警察官のキャリアを歓迎する企業が多いようです。
警察官の縦社会に嫌気がさし、一人で仕事をしたいと考える人には最適の職種です。
警察官からドライバー職への自己PR例
私は、○○警察署○○交番に配属され、約3年間交番業務に従事しています。
日々のパトロール業務の中で、ルートや渋滞情報などを確認し、常に安全運転を心がけ行動できるようにしています。
また、当たり前のことですが、警察官として、制限速度を超えない安全運転を徹底し、他のドライバーへの配慮も怠らず、警察官・ドライバーとしての職務を全うするように心がけています。
貴社は、時間を守ること、親切・丁寧をモットーにしている会社だとお伺いしております。これまでの経験から、無事故・無違反で正確に荷物を届けることで、貴社に貢献できると考え、志望いたしました。
警察官からの転職は必ず転職エージェントを利用すること
基本的に警察官から転職する際は、転職エージェントを利用することをおすすめします。
警察官で働きながら転職活動を自分一人で行うには、圧倒的に時間が足りません。シフトによっては企業との調整が難しかったりするため、プロの転職エージェントのサポートが欠かせません。
また、応募先企業とのコミュニケーションを円滑にすることも、転職エージェントをおすすめする理由の一つです。
転職エージェントは、以下のようなサポートを無償で行っています。
- 転職の可否について、キャリアプランに関するアドバイス
- あなたの経験や強みを活かせる仕事の紹介
- 履歴書の書き方・添削、面接の練習・アドバイス
- 企業とのやりとりの代行
- 労働条件の交渉
転職エージェントでは、これらのサービスをすべて無料で利用することができます。
転職エージェントを利用して転職活動を円滑に
転職活動に利用する転職エージェントは、求人数が豊富でサポートが手厚い「リクルートエージェント」と「マイナビエージェント」をおすすめします。
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