8月の求人・求職状況
トピックス
全体
6月の有効求人倍率が発表。求人倍率は1.13倍で前月からわずかに増加。先月わずかに減少した求人数は横ばいだが、求職者数が減少。
産業別
先月に続き、前年同月で見た新規求人数が増加(5.4%増)。
なかでも増加傾向が続いている「製造業」では39.3%が今月も大幅に増加しており、転職先の産業として有力な候補になるだろう。
業種別
全ての業種において前月比の求人数が増加。
「IT・通信」は引き続き高い求人倍率を維持しているが、先月に引き続きわずかに減少。
一方で、「金融」は昨年9月ごろから緩やかな減少傾向が続いていたが、今月は大きく求人倍率を回復させた。金融業界への転職、様子見をしつつも動き出す準備をしておきたい。
その他の業種は多くが横ばいだが、「メディア」は昨年9月ごろから緩やかに増加を続けている。
職種別
全ての職種において前月比の求人数が増加。
求人倍率は前月比・前年同月比どちらでも増加する職種が増えてきている。
全比職種の中でも高い求人倍率を保っている「技術系(IT・通信)」「技術系(建築・土木)」「専門職」が先月に引き続きわずかに減少。次点の「技術系(電気/機械)」は今年3月からの増加傾向をキープ。
データ詳細
一般職業紹介状況(厚生労働省)
6月の新規求人数は前年同月と比較すると5.4%増となった。
(引用元:一般職業紹介状況(令和3年6月分)について - 厚生労働省)
- 有効求人倍率は1.13倍、前年同月の0.04p増
- 求人数は前月と同水準、前年同月の9.8%増
- 求職者数は前月の3.6%減、前年同月の8.8%増
求人数は前月と同水準、求職者数は前月と比較してわずかに減少。
有効求人倍率はわずかに増加しました。
また新規求人を産業別に見ると、
製造業(39.3%増)、サービス業(他に分類されないもの)(15.6%増)、教育・学習支援業(13.1%増)で増加、宿泊業・飲食サービス業(10.6%減)は減少しました。
転職求人倍率レポート(doda)
- 求人倍率は1.85倍、前月比-0.03pt、前年同月比-0.18pt、2019年同月比-0.68pt
- 求人数は前月の2.1%増、前年同月の16.2%増、2019年同月比16.0%減
- 転職希望者数は前月3.6%増、前年同月の27.2%増、2019年同月比14.6%増
【業種別】「メディア」のみで求人倍率が増加
求人倍率は、前月比では「メディア」「金融」「メディカル」「商社・流通」「小売・外食」の5業種で増加、前年同月比では「IT・通信」「メディア」「メーカー」「商社・流通」「小売・外食」「サービス」の6業種で増加。
求人数はすべての業種で増加した。
前月比の求人増加率は「「金融」の13.8%が最大で「小売・外食」の12.2%が続く。
業種 | 求人倍率 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|
全体 | 1.86 | 0.01 | 0.20 |
IT・通信 | 5.53 | -0.10 | 0.70 |
メディア | 1.22 | 0.03 | 0.32 |
金融 | 1.35 | 0.09 | -0.40 |
メディカル | 1.40 | 0.03 | -0.30 |
メーカー | 1.56 | -0.01 | 0.35 |
商社・流通 | 0.84 | 0.04 | 0.08 |
小売・外食 | 0.74 | 0.04 | 0.16 |
サービス | 1.91 | -0.02 | 0.15 |
【職種別】「営業系」「企画・管理系」「クリエイティブ系」が前年比の求人倍率を増加
求人倍率は、「企画・管理系」「技術系(電気・機械)」「技術系(メディカル)」「販売・サービス系」「事務・アシスタント系」の5職種が前月比で増加し、前年同月比では「営業系」「企画・管理系」「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」「技術系(メディカル)」「技術系(建築・土木)」「クリエイティブ系」「事務・アシスタント系」の8職種が増加しました。
求人数は、すべての職種が前月比で増加した。
求人増加率は「事務・アシスタント系」の19.5%が最大で「技術系(化学・食品)」の10.9%が続く。
業種 | 求人倍率 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|
全体 | 1.86 | 0.01 | 0.20 |
営業系 | 1.61 | 0.00 | 0.22 |
企画・管理系 | 1.68 | 0.05 | 0.41 |
技術系(IT・通信) | 7.84 | -0.41 | 0.79 |
技術系(電気・機械) | 3.04 | 0.07 | 0.15 |
技術系(メディカル) | 1.51 | 0.03 | 0.17 |
技術系(化学・食品) | 0.83 | 0.00 | -0.06 |
技術系(建築・土木) | 4.41 | -0.17 | 0.17 |
専門職 | 5.12 | -0.04 | -0.54 |
クリエイティブ系 | 1.31 | -0.01 | 0.35 |
販売・サービス系 | 0.52 | 0.03 | -0.01 |
事務・アシスタント系 | 0.19 | 0.03 | 0.04 |
7月の転職ニュース
賃金 転職時の賃金変動状況に回復の兆し
2021年4-6月期 転職時の賃金変動状況 「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は29.1% IT系エンジニアは、過去最高値(PRTIMES)
(引用元:2021年4-6月期 転職時の賃金変動状況 「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は29.1% IT系エンジニアは、過去最高値(PRTIMES))
株式会社リクルートの調査によると、2021年4-6月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は29.1%でした。
新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年1-3月期以降、大きく水準が下がっていましたが、2021年1-3月期に回復し、感染拡大前の水準に近づきました。2021年4-6月期も概ね同水準を維持しておりこのまま回復の傾向が続くと予想されます。
採用 企業の4割がリファラル採用の活用検討
【コロナ禍のリファラル採用調査】コロナ禍での採用課題を背景に、企業の4割がリファラル採用の活用検討(PRTIMES)
(引用元:【コロナ禍のリファラル採用調査】コロナ禍での採用課題を背景に、企業の4割がリファラル採用の活用検討(PRTIMES))
株式会社MyReferが実施したリファラル採用に関する調査によると、企業の4割がリファラル採用の活用・検討しています。
同調査における「コロナ禍における採用の課題」として「オンライン選考での見極め」という回答が28.2%で最多でした。
対面での面接と比べ、自然なコミュニケーションが難しいため自社にマッチした人材かの判断に苦労しているようです。
そんななか、「リファラル採用を活用する上で期待すること」という質問には、「社員がリアルな情報を伝えるため、安心して入社を決めてくれる」「社員が自社の風土や仕事内容にマッチした人を紹介してくれる」がそれぞれ約50%の回答を集めました。
コロナ禍において、ミスマッチを防ぐ採用手段としてリファラル採用が期待を集めているようです。
リファラル採用 推薦・紹介での転職の満足度
【転職でコネを使うメリット・デメリットランキング】経験者249人アンケート調査(PRTIMES)
(引用元:【転職でコネを使うメリット・デメリットランキング】経験者249人アンケート調査(PRTIMES))
株式会社ビズヒッツは、コネを使って転職したことがある男女249人を対象に「コネ転職に関する意識調査」を行いました。
「コネを使って転職」というと、いいイメージを持たない人が多いかもしれません。
しかし今でもコネ転職は多く、「リファラル(推薦・紹介)採用」という言葉で取り入れている企業もあります。
そんな推薦・紹介での転職ですが、「転職時にコネを使ってよかったと思いますか」という質問には、「よかった」「まあよかった」という人が77.9%と、満足度が高いようです。
「採用までがスムーズ」「事前に職場の雰囲気がわかる」といったメリットが高い満足度の要因と考えられます。
一方で、推薦・紹介での転職経験者の多くが「辞めにくい」という点をデメリットとして挙げており、「よほど大きなライフイベントが起こらない限り、辞めない覚悟が必要」というアドバイスもありました。
コネを使うなら「本当に入りたい会社か」「自分に合っているか」や「辞めたときに紹介者との関係は気まずくならないか」など、きちんと考えて疑問を解消しておく必要がありそうです。
「ラクに入社できるから」と安易に転職を決めてしまうと、後悔するかもしれません。