外資系企業で働いてみたい。GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に転職したい。
でも実際のところ外資系企業ってどうなの?
転職して後悔しないように、外資系企業の「あるある」と日系企業とはちょっと違う転職活動のコツをまとめました。
外資系企業で働くメリット
年収が高い
外資系企業は総じて高給です。
同じ職種でも日系企業の1.5倍~2.0倍のオファーが得られます。
退職金も日系企業より多いです。
休暇はしっかり取得できる
外資系企業は休みが多いです。有給休暇と傷病休暇が別々になっているので体調を崩しても有給を潰してしまうことがありません。
年末年始の長期休暇が2週間ぐらい設定されていることもあります。
しかし「グローバルで年間休日日数が決まっている」外資の場合は注意。
意外と知られていませんが日本の祝祭日数は世界1位なので、日本法人は盆暮れの長期休暇日数が削られます。
働き方が多様
外資は勤怠に緩いです。フレックス制度やリモートワークは当たり前に導入されています。
弊社のお取引先の担当者さんも外資にお勤めですが、週に2日は午前中スタバでリモートワークをしています。
勤務態度や服装がすごくオープン
外資系企業ならド派手なスーツや胸元開襟シャツでオフィスへ出勤するマネージャーは普通。
商談でも常にジョークを披露するチャンスを伺っています。
外国人からすると日本企業は真面目すぎなんだそうです。
外資系企業の意外な実態
意外とレイオフになることは無い。しかし事業撤退が頻繁にある
外資系企業とはいえ日本に法人がある以上、日本の法律に従わなければなりません。
そして日本の法律は解雇に厳しいです。
ですから外資系企業の日本法人でのレイオフはめったにありません。
一時解雇のこと。アメリカ企業でよく用いられる。名目上は再雇用を前提とした一時的な解雇だが、実際には特別退職金を付与した上での実質的な解雇宣告であることがほとんどです。
一方で覚悟が必要なのは事業の撤退。
日本法人は本社にとって単なる子会社。数字が悪かったりアピール不足(後述)だったりするとすぐ見限られて組織が解散させられます。
以下は経済産業省の調査による、解散・撤退・外資比率低下企業数の推移です。直近では撤退する企業数は減っていますが、卸売業やサービス業を中心に平均して毎年100社前後が解散・撤退・外資比率低下しています。(外資比率が低下とは、外資比率が3分の1以下、又は外国側筆頭出資者の出資比率が10%未満になった場合をいう。)
(引用元:外資系企業動向調査(2019 年調査)|経済産業省)
本社へのアピールがすごく重要
事業撤退されないためには「こんなに成果が出ている」「こんなにポジティブな状況になっている」というアピールが重要です。
本社への報告やレポーティングが下手な事業部やチームはすぐに撤退させられます。
本社への報告は基本的にマネージャーの役割なのですが、考え方は部下レベルでも同じこと。上司や本社に対して「私はこんなにやっている。数字も改善している」とレポートしないとなかなか評価されないのは日本企業と違うところです。
日本特有の事情が本社に理解されにくい
例えば言語の問題や、商習慣の違い(リードタイムが長い、稟議が必要)など、日本ならではの違いを本社に理解してもらうのがものすごく大変です。
しかしこれをきちんと理解してもらわないと「なんでやらないの?なんでできないの?」と詰められるだけなので反論は必須。
というよりも海外の方は提案してくる人が好きで、提案する人はやる気があるとみなすので、自ら改善案を提示する姿勢が大事です。
海外勤務はとても難しい。出世もあまり見込めない
外資系企業だからといって海外勤務できると思ったら大間違い。日本法人はあくまで子会社もしくは販社です。親会社への転勤や他の海外法人への異動はまずありません。
アメリカでの就労ビザ取得はとても難しくなっていることもあり、海外勤務はほぼ不可能と思っておきましょう。海外勤務を希望するのであれば日系グローバル企業の方まだチャンスがあります。
本社付けになることは難しい以上、出世もある程度で打ち止めとなることを覚悟してください。(それでもお給料がいいので生活には困りませんが)
外資系日本法人の上層部はほとんど本社からの出向です。
実力主義、というより役割至上主義
外資、といえばエリート集団で実力主義・成果主義と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。仕事ができない人も普通にいます。
正直、実力主義なのは昨今の日本企業も同じだと思います。
外資の評価制度や文化を正しく表現するのであれば、役割主義。評価されるのは役割を100%まっとうできる人。納期までにミッションを完遂できる人。
隣のデスクの仲間を助けてもまったく評価されません。
上司の評価で全てが決まる。だからみんな上司に媚びる。
外資系企業であなたの評価を決めるのは上司です。
あなたが役割を果たしているかどうかは全てマネージャーがジャッジします。
ですから(これはよく驚かれるのですが)外資系企業の社員はみんな上司に媚びます。
朝一番のコーヒー出しなんて当たり前。ディナーに誘われたら二つ返事で了承しますし、休日にゴルフにいくのも普通です。
日本企業で働いた経験がある人は貴重
外資系企業間の転職はとても盛んで、DELL、Salesforce、Microsoftなどは常に転職者が出入りしていますが、意外と日系企業から転職される方は少ないです。
外資は役割主義の組織ですから、真面目に丁寧に与えられた仕事をこなす日系企業出身者は貴重で、歓迎されます。
会議で発言しない人は不要
日系企業出身者が外資でよく失敗するのが会議で発言しないこと。これをやるとその会議に不要な人材とみなされ、次から呼ばれなくなります。
海外では日本のような勉強のために会議に参加するという風潮が無く、会議でプレゼンス(存在感)を示せない人は価値が無いと評価されてしまいます。
はっきりしたコミュニケーションが求められる
外国人ビジネスパーソンとのやりとりでは、「確認しておいてください」といったら本当に目を通すだけで返信をもらえません。
日本のように空気を読む文化ではありませんから、こちらが求めることをはっきり伝えないといけません。
相談に乗って欲しいなら「相談したい」、フィードバックが欲しいなら「◯日までにフィードバックをください」と明確に意思表示する必要があります。
外資系企業の社員は即戦力前提で採用されますので、先輩や上司も日本企業のように丁寧にレクチャーしてくれません。疑問は自ら積極的に働きかけて解消しなければなりません。
もじもじしていると「使えない」と判断されてしまいますので、遠慮っぽい性格の方には不向きな環境です。
英会話能力は意外と必要ない
外資と聞くと英会話必須と思われがちですが、意外とそうでもありません。
ポジションや会社によってはほとんど日本語でやりとりされている職場もあるそうです。私の顧問先でもZoho JapanさんやINAP Japanさんなどはそうです。
Job Descriptionはほぼ100%英語で書かれていると思いますが、「Buisiness English Required」表記がなければビジネス英会話が不要である可能性があります。実際に、外資系企業の求人の1/3は英語能力が不要のものです。
むしろ大事なのは英会話よりも英語のライティング能力、特にメールやチャットの読み書きです。
「2行目まで読んで自分への要求がないと読むのを止める」と言われる外資系社員に対してスパッと自分のリクエストを通せる文章力が求められます。
外資系企業への転職のポイント
初めて外資に転職するなら「エントリーレベルポジション」を狙う
社会人経験3~5年程度で初めて外資系企業に転職するならエントリーレベルポジションを狙いましょう。
エントリーレベルポジションとは、若手の世代でも技術的に応募しやすい職種に対する募集のことです。
エントリーレベルポジションなら、実技テスト(コーディングテストなど)さえパスできれば内定は近いです。
英文レジュメは超重要
前述の通り英会話よりも英文ライティングの方が重要な職場環境ですから、採用側もレジュメの英文をかなり吟味してきます。
エントリーシートは手抜きせずにしっかりとしたビジネス英語で準備しましょう。
面接ではハキハキと
ここまでお伝えした通り、「提案」や「積極性」が価値とされる外資ですから面接で遠慮しているようではすぐに不採用になります。
英語面接の場合もありますが、英会話に自信がなくてもとにかく躊躇しないように。聞かれた事には結論からノータイムで返答し、逆にわからないことはどんどん質問しましょう。
英語面接の場合、以下を意識すると自然な印象をもたれやすいです。
- 「In fact, ~」「Frankly speaking, ~」などの接頭詞をから会話を始める
- 「I ~」で英文を作らない。「My expertise is ~」「The situation is ~」など「~ is」で話す
- 「ポリコレ」に注意する。(それが「正しい/正しくない」ではなく、グローバル企業においてはポリコレの基準が日本のそれとは全く異なります)
外資系企業に転職するには
外資系企業への転職ルートは特殊です。
なぜなら大手の外資系企業はダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)を重視しているからです。
ダイレクトリクルーティングとは転職エージェントの仲介を受けずに、必要な人材を自社で発掘し、アプローチすることです。
そのため例えばリクルートエージェントのような大手エージェントに登録しても、有力な外資系企業の求人票を受けることは困難です。
外資転職のポイントはリクルーターを味方につけること
外資系企業ではダイレクトリクルーティングのためにリクルーターと呼ばれる専門部隊を組織しています。
リクルーターの役割は現場サイドからの要望に合う人材(転職予備軍)を発掘し、採用プロセスへ導くことです。
Amazon、Microsoft、Salesforceなどの日本法人では、社内に10~30人のリクルーターを配置しています。
大手外資系企業への転職の最短距離は彼らリクルーターの目に留まる事です。
リクルーターに接触することができれば、「どんな求人票(Job Description)があるのか」「合格するにはどんなアプローチが有効なのか」を知ることができます。
(リクルーターの評価は「内定に足る人材を何人紹介したか」で決定されるため、彼らもあなたの良さを引き出すために全力でアドバイスをしてくれます)
リクルーターとの接点を多く確保するためのルートとしては以下のようなものがあります。
レジュメバンク
外資のリクルーターが人材の発掘に利用しているのが、レジュメバンクと呼ばれる転職サービスです。
これは一般的な転職エージェントと異なり、あなたが登録した履歴書が人事やリクルーターに匿名で閲覧されるサービスです。
中でもビズリーチはGAFAのリクルーターも利用しているといわれています。
外資への転職をお考えなら登録しておく価値は十分あります。
ビズリーチ
外資系リクルーター・ヘッドハンター多数
登録ヘッドハンター約3,800人。中にはGAFAなど大手外資のリクルーターも。
利用者の口コミ
- 36歳 男性
外資のリクルーターがとにかく多い。レジュメはしっかり書くことをおすすめする。
- 30歳 男性
自分のタイミングで転職活動を進められるのは良い。転職が決まるとお祝いが貰える。
- 28歳 女性
大手企業の人事もかなり見ているようなので一定以上の経験がある方には向いていると思う。私には不向きだったかな。
もうひとつ、外資への転職で必須になるのがLinkedInです。やはり外資のリクルーターが多数利用して、人材を探しています。
もしまだアカウントをお持ちで無いようでしたら、すぐにプロフィールを登録すべきです。