日系企業と比べて、年収が高いことで知られる外資系企業。今、日系企業で働いている方も、外資系企業で働いている方も、「次に(も)働くなら外資系企業が良いな」と感じている方がいらっしゃるのでは…?
日系企業への転職と、外資系企業への転職では、選考方法や、用意すべき資料、するべき対策などが異なります。特に英文レジュメ、英語面接対策などの準備、対策が必要です。
そこで今回は、外資系企業への転職でおさえておきたいポイントと、おすすめの転職エージェントを紹介します。
1.外資系転職でおさえておきたいポイント
エージェントをおすすめする前に、はじめて外資系企業への転職を考える方に向けて、日系企業と異なる採用方法や、必要な考え方についてお伝えします。
すでに外資系企業で働いている方にも、新しい発見があるかもしれませんので、是非!
(1)英文レジュメが超重要
外資系への転職を目指す場合、英文レジュメ(職務経歴書)の作りこみが重要です。なぜなら、外資系企業で働くにあたり、英会話力よりも英文ライティング能力(メール、チャット)が重要※ と言われているからです。
外資系企業に勤めてよかったと思う点は、仕事中も英語の勉強ができること。海外支社とのメールのやりとりで正しく綺麗な英文を書くことを心がけてたら、入社時とは比べ物にならないほどライティング力が上がった。英語力に不安があっても、可能なら早い段階で英語を使う仕事に就いたほうが伸びると思う
— 通り雨サオリ@IELTS勉強中 (@keeptryintryin) November 3, 2019
採用側もレジュメの英文をかなり吟味してきます。
※補足:もちろんマネジメントレベルになると、会議でまとめ役になれるような英会話力が必要です。
外資系企業の選考では、日本語の職務経歴書と、英語の職務経歴書の提出の両方が求められるケースがほとんどです。
そして、日系企業向けの「職務経歴書」と、外資系企業向けの「CV」のフォーマットの考え方は異なります。
- 日系企業向け
- 日本語で記載
- 編年体形式/キャリア式でまとめる
- 1~3ページ程度で記載
- 外資系企業向け
- 英語で記載
- 逆編年体を基本に、自由にまとめて良い
- 原則1ページでまとめる
日本語のレジュメをただ翻訳すれば良いわけではなく、構成から練り直す必要があるため、英文レジュメづくりは1日がかりの作業になります。
そのため英文レジュメに不慣れな方、まとめ方に自信がない方は外資に強い転職エージェントへ、これまでに書類選考に通過した方のレジュメのポイントを直接聞きましょう。
(2)大手外資系企業では、人事担当者が直接スカウトすることも
日系企業では、求人に対し応募者を募る「待ち」の姿勢の採用方法が多いことに対し、大手の外資系企業では、企業から直接候補者へアピールするダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)の採用手法を取り入れています。
ダイレクトリクルーティングとは、転職エージェントの仲介を受けずに、必要な人材を自社で発掘し、アプローチすることです。
たとえばAmazon、Microsoft、Salesforceなどの日本法人では、社内に10~30人のリクルーターを配置しています。大手外資系企業への転職の最短距離は彼らリクルーターの目に留まる事です。
外資系企業のリクルーターは、転職エージェントよりも「レジュメバンク」機能を持った転職サービスや、LinkedIn等のビジネスSNSに常駐しています。
ですので英文レジュメをしっかり書いたのち、レジュメバンクにも登録することをおすすめします。
(おすすめサービスは後述)
(3)大手外資ほど、日系出身者が多い
語学力の面からハードルの高いイメージのある外資系企業への転職。
たしかに、中小の外資系企業では、海外本社とのやり取りが非常に密に発生するため、ビジネスレベルの英語が必要となり、結果外資出身者が100%になるケースはあります。
しかし、全てのポジションで最上級の英語力が求められているわけではない大手外資系企業では、日系出身者もかなり多いです。その中で、英語ができる人も、できない人もいます。
外資の方が働く面では無駄な気遣いとかも無くて楽ですよね!クビは怖いですけど…
うちの場合はミドルマネジメントレベルなら日系出身の方もそれなりにいますがエグゼクティブクラスは100%外資出身ですね。日系に行って出戻り社員もたまにいます笑— そー (@sasisuseso2016) November 29, 2017
たとえ日系出身でも、これまでの経歴で何らかの専門スキルを身に着けてきた方で、英文レジュメ、英語面接対策がしっかりできれば、外資系転職がかなえられる確率は高めです。
(4)英語面接対策
人事担当者が、そのポジションで求められている英語力に対し、どれくらいのスキルがあるかを判断するのは、英文レジュメと英語面接です。
大手外資の英語面接
HR担当者が
・外国人
・日本人
かで大体決まります外国人はほぼ英語
日本人ならどこかでチェック
序盤:通過させて良いレベルか確認
中盤〜最終:TOEICや職歴はOKだが、英語で業務遂行できるか確認書類とTOEICで足切り突破
英語面接は事前準備で対応
超大手でも対策可能ですよ— おいぬ好き@外資×英語×デジタルマーケ (@inu_love_global) March 29, 2020
「英語で話すなんて緊張する、どうしよう」と思うかもしれませんが、ネイティブレベルの英語力が求められることはありません。英語面接の質問内容や答え方、好感を持たれやすい話し方には一定の法則がありますので、対策、練習を重ねれば十分対応できます。
外資系企業に強いエージェントは、英語面接対策に長けていて、企業別の対策もできますので、特に日系出身者の方はぜひ登録しましょう。
※外資系企業の転職事情についてもっと知りたい方は、「外資系企業への転職」も併せてお読みください
2.外資系企業への転職で使うべき転職エージェント
まずはこちらの表をご覧ください。
英語力に自信あり | 日本でのビジネス経験に自信あり | |
---|---|---|
サポートをして欲しい | a)ロバート・ウォルターズ | c)JACリクルートメント |
スカウトを待ちたい | b)ビズリーチ | d)doda |
これは転職Doオリジナルの考え方で、外資系企業の転職エージェント選びについて4つの方向性を示したものです。
縦軸は、「英語力に自信あり or 英語力に自信なし」
横軸は、「サポートをしてほしい or スカウトを待ちたい」
この2つの掛け合わせで、あなたが使うべきエージェントが見えてきます。
a)英語力に自信あり×サポートをして欲しい
【外資系企業へ転職】
これは非常に簡単、外資系企業を専門に扱っている人材紹介会社に登録するだけ
本日、ロバート・ウォルターズで面談したが、TOEICのスコアは聞かれず、米人スタッフと15分程度、英語🇬🇧で面談!
なんと仏人スタッフもおり、僕は仏語🇫🇷でも面談しました。
優良求人案件あり! pic.twitter.com/HnaQsE9M15
— 🇨🇭スイス人🇨🇭との国際夫婦漫才コンビ #フランポネ (@Manu035459786) June 17, 2019
これまで業務で英語を使ってきたあなたは、ロバート・ウォルターズへの登録が合っています。
ロバート・ウォルターズは、1985年にロンドンにて設立した外資系の転職エージェントです。
取扱求人は多岐にわたり、金融、経理・財務、IT、法務・コンプライアンス、営業・マーケティング、人事、秘書・サポート業務、物流・購買・サプライチェーン、リテール、サービス業、医療・医薬、製造、エネルギー・インフラ、化学など幅広く取り扱っています。
ロバート・ウォルターズ社も外資系であり、バイリンガルのキャリアアドバイザーが多数在籍。公式サイトから見られる公開求人では、年収のボリュームが1000万円から1200万円の求人が半分以上を占めています。質の高い求人の紹介を受け、これまで培った語学力を生かして転職したい方に最もおすすめできるエージェントです。
b)英語力に自信あり×スカウトを待ちたい
ビズリーチでスカウトを貰うたびに承認欲求が満たされる
— こたこ た (@mmmmmniiiiiii) April 2, 2020
英語力をお持ちの方で、スカウトを待ちたい方におすすめなのは、ビズリーチです。
ビズリーチは、ハイクラス人材向けの、レジュメバンク機能のある転職サービスです。あなたの経歴、スキルに魅力を感じたリクルーターや、ヘッドハンターからのスカウトを受け取れます。
無料プラン(スタンダードステージ)、有料プラン(プレミアムステージ)の2種類があり、全ての求人に応募できるなどフル機能を使いこなすためには有料プランへの登録が必要ですが、無料プラン(スタンダード)でも求人の検索、閲覧、プレミアムスカウトへの返信ができます。
スカウト機能付きのサービスをご利用したことがない方にもおすすめです。
c)日本でのビジネス経験に自信あり×サポートをして欲しい
なかなか自分のスキルって客観的に見れないけど、エージェントさんとの面談の中で見つめ直すことができて良かった。
登録したところはリクルートエージェントとJACです。担当者が当たりだった。
— 転職したい!と思ったら。 (@jobchange2014) April 5, 2020
日本でのビジネス経験に自信があり、プロの視点から外資系転職の概要や市場動向を知りたい方は、JACリクルートメントへの登録がおすすめです。
JACリクルートメントは、1975年にロンドンにて創設された転職エージェントです。外資系の求人が多いことで知られること、30代以降のハイクラス求人に強みがあることが特徴です。
d)日本でのビジネス経験に自信あり×スカウトを待ちたい
【年収850万SEの転職活動】
私の転職先がどの転職エージェント経由だったか。
→パーソルキャリア(doda)です。
企業から直接プラチナスカウトがきました。企業が私の職務経歴書を見て、追加でお金を払ってオファーしているので、かなり内定確度が高く高年収が出やすいと思います🙂
— おとかん (@otokan_net) March 22, 2020
日本でのビジネス経験に自信があり、スカウトを待ちたいとお考えのあなたは、dodaに登録して企業からのプレミアムスカウトを待つのが方向性として合っています。
転職サイト、転職エージェントのイメージが強いdodaですが、実はレジュメバンクとしても機能しており、一部外資系企業のリクルーターが常駐して、経歴・スキルと自社の求める人材が合う方にプレミアムオファーを送っています。
またdodaにはエージェント機能もありますから、スカウト機能、エージェント機能を両方を利用することもできます。
3.併せて使いたい転職サービス
外資系の転職にあたり、併せて使いたい転職サービスを紹介します。
LinkedIn(ビジネスSNS)
LinkedInはシリコンバレー発祥のビジネスSNSです。転職エージェント、転職サイトと異なる点としては、「企業対応募者」という縦のつながりではなく、ビジネスマン同士の横のつながりを得られることです。
そして、その大きな利用目的のひとつには「採用」があります。採用領域におけるLinkedInは、「ダイレクトリクルーティング(ソーシング)」の場として使われており、有名外資企業のリクルーターも人材発掘のためのプラットフォームとして利用しています。
コンコード(コンサルティング業界)
コンコードは、コンサルティング業界、ポストコンサル業界に特化した転職エージェントです。ジュニア、新卒クラスから女性コンサル歓迎求人、パートナー、経営幹部クラスの求人まで多数保有しています。
業界特化の強みを活かし、アクセンチュア、PwCなどの有名外資コンサルの採用セミナーを開催するなどの取り組みも。
コンサル業界でキャリアアップしたい方にはおすすめの特化型エージェントです。
アズール&カンパニー(消費財業界)
アズール&カンパニーは、消費財業界、外資系企業に強みのある業界特化型の転職エージェントです。保有している求人の80%以上が消費財関係とのこと。
ラグジュアリーファッション、スポーツ & アウトドア、日系ファッション(アパレル・雑貨・ジュエリー)、ビューティ、FMCG(日用消費財・ヘルスケア)、エンターテイメント、フード & サービス、流通・通販・ECなどの分野から提案を受けられるためおすすめです。
レバテックキャリア(IT業界)
エンジニアとしてキャリアアップしていきたいあなたにおすすめなのはレバテックキャリアです。
レバテックキャリアは、元々エンジニアに特化した転職サイトで、日系、外資系の両方の求人を保有しています。またエンジニアのキャリア形成に理解が深いエージェントが、スキルに合う求人をピックアップしてくれるのでおすすめですよ。
RGF PR Japan(アジア圏向けビジネスの転職に強み)
外資系企業といえばアメリカなど欧米に本社を置く企業をイメージする方も多いかもしれませんが、実はアジア圏向けビジネスに関わる転職人材は需要があります。
アジアに本社を置く企業への転職に興味がある方におすすめなのは、RGF PR Japanです。
RGF PR Japanは、リクルートグループのグローバル人材部門の日本拠点で、アジア全域に45の拠点があり、外資系のなかでもアジア関連企業に強みがあります。
レジュメの作りこみ&自分に合ったサービスを利用するのがポイント
外資系企業への転職を目指す際に重要なのは、
- 英文レジュメの作りこみ
- ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)について理解する
- 求められるレベルに応じて、英語面接対策をする
この3つのポイントが重要です。
そしてこのポイントを抑えるために、自分に合った転職エージェントを使いましょう。