退職による欠員補充や、組織拡大などの理由により、購買・調達部門でも中途採用の求人が募集されています。中には、未経験者(他職種の経験者)を歓迎する求人もあります。
しかし購買・調達職は、他の文系職種と比べると転職ノウハウ情報の少ないお仕事です。対策が立てにくい職種とも言えるでしょう。
今回は購買・調達部門を目指す方のために、業務内容を解説しながら転職活動のポイントについて紹介します。
この記事の末尾に、購買・調達部門の転職に向けた職務経歴書をご用意しています。ぜひ最後までご覧ください。
メーカー/建設業界の購買・調達部門で未経験者転職を歓迎
どの業界においても、企業活動に必要な資材・材料・サービスを他社から購入する「仕入業務」は必要です。仕入対象がオフィス用品に限られるなど、予算が低い場合は総務部門等で対応します。
メーカー(製造業)、建設業界、医薬品、小売業界など、企業活動に対する仕入費が大きな割合を占める業界では「購買・調達」と呼ばれる専門部署が設けられています。
dodaなどの求人サイトでは、転職市場で最も購買・調達職の需要が高いのはメーカー(製造業)・建設業界です。
未経験から購買・調達担当者へ転職したい場合、メーカー(製造業)・建設業界を目指すと良いでしょう。
業種別購買・調達職の求人件数(2020年2月調べ)
業種 | 求人票 |
---|---|
メーカー | 323 |
建設・プラント | 36 |
商社 | 17 |
医薬品 | 31 |
小売・外食 | 17 |
その他 | 33 |
合計 | 391 |
未経験OKの購買・調達担当の仕事はどこにある?
購買・調達担当の求人は、主に以下3つの経路に掲載されています。
- 求人サイト(リクナビNEXT など)
- 転職エージェント(リクルートエージェント など)
- ハローワーク
未経験から購買・調達担当者を目指す場合は、リクルートエージェントに代表される転職エージェントへ登録するのが一番の近道です。
購買・調達職は、一定の規模を超える中堅~大手企業で募集されます。この属性では、ネームバリューに惹かれた「ミーハー応募」をフィルタリングするために、転職エージェントへ求人を出していることが多いのです。実際、私が現役で調達担当をしていた頃、中途採用者のほとんどが転職エージェント経由で内定を獲得していました。
- リクルートエージェント、パソナキャリアなどの大手で面倒見が良いところ
- 製造業界に強みを持つ特化型エージェント
2種類のエージェントに登録することをおすすめします。
リクルートエージェントは、そのブランド力や知名度から、全国各地から多くの求人があつまります。
それではメーカー・建設業界における調達・購買職の業務内容はどのようなものなのでしょうか?具体的に転職が成功するのはどんな人…?そんな疑問にお答えします。
購買・調達の仕事内容とは?
購買・調達部門では、上流部門からの依頼に基づいて、業務を行います。
調達・購買担当者の業務範囲は、上流部門から、”必要なもの(物・サービス)”の情報を受け取り、その品物を取引先へ発注し、現場へ納品するところまでです。図解すると以下の通り。
購買・調達のミッション
調達・購買部門のミッションとは、「外注先のQCD(品質・コスト・納期)を管理すること」です。
自社の品質基準に合致する外注先を選定します。高い品質が要求される製品であれば製品完成後に、自社の品質検査員が外注先工場に赴いて品質検査を行います。その際、調達・購買担当者が同行することもあります。
プロジェクトごとに割り当てられた予算に基づいて、外注品の価格交渉ならびに予実管理を行います。日本の製造業においては、原価率が6~7割とも言われています。外注費のコストを適切な範囲に収め、管理することは重要なミッションです。
発注前ならびに契約後の納期管理を行います。納期が遅れると自社工程に重大な遅延を与えることにもつながりかねません。調達担当者は日々、納期遅延のキャッチアップに必死です…。
これらのミッションを達成するために、日々行う業務は広範囲にわたります。
購買・調達の日々の業務・仕事内容
購買・調達部門のルーチン業務は、事務作業から調整まで多岐にわたります。企業や購買するものの難易度によって差がありますが、概要はこの通り。
購買/調達仕様書のチェック
依頼元が発行する仕様書に誤りや齟齬がないかをチェックします。
調達品によりチェック項目は異なりますが、主なものは以下です。
・基本情報のチェック
品名、納期、納入場所、発注数量、単位(箱/本) など。
・仕様面のチェック(図面/素材 など)
カタログ掲載品をそのまま購入するような場合は、基本情報だけで購入が可能です。
一方特注品の場合は、仕様面のチェックも必要です。
外注先選定
仕様書の条件を満たせると考えられる企業に対し、見積依頼を行います。
見積依頼の方法は2つあります。
(1)相見積…発注先候補が複数ある場合に行います。既存の仕入先から、複数の発注先候補を選定し、相見積もりを依頼します。相見積もりをする場合は、その旨はっきりと「相見積もりです」と明示するのがマナーと言われています。
(2)一社指定見積…発注先候補が一社のみの場合に行います。技術的優位性がある、納期的に優位性がある、前納品の再納入が求められるなど、「そこにしか発注できない」と決まっているような場合に行われます。
※従来の取引先で対応が困難な場合は、発注先の新規開拓も行います。
条件交渉(価格、納期、品質)、契約
見積書の内容に対して条件の比較・交渉を行います。
(1)相見積もりの場合...複数社から集めた見積書の内容から、「価格」「品質」「納期」を総合的に評価し、発注先を決定します。
(2)一社指定見積の場合…一社と「価格」「品質」「納期」を交渉して、発注内容を決めていきます。
契約書の発行業務は、システム経由で行います。実際の事務処理は派遣社員へ依頼することもあります。入社後一定期間は、業務の流れを覚えるために行うことを覚悟しておいてください。
技術関係図書の回収
オーダーメイド品であれば発注後に技術書をやりとりして仕様を決めていきます。
納期管理
調達品に対する、状況確認を行います。
・電話/メールでの確認…納入まで1か月以内の短納期品に対する納期確認。
・工場訪問で確認…納入まで1か月を超える長納期品・多ロット品に対する納期確認。
予実管理
予算に対する実績管理を行います。
検収対応
当月内に納入された品物に対し、検収処理ができているかの確認をします。
一般的には月末締めの企業が多いと思いますので、月末~月初は検収対応で忙しいです。
トラブル対応
・品質トラブル
調達品が要求品質を満たしていない場合の対策、関係者と対策を立てる。
・納期トラブル
外注先が契約納期を守れない場合の対策を立てる。
・取引先のトラブル
倒産、災害、不祥事等への対応。
監査対応
・ISO9001監査対応
製造業では、国際品質マネジメント企画であるISO9001認証を取得している企業が多い傾向です。
部署ごとに置かれた監査担当が取りまとめをします。取りまとめ作業は、主に若手~中堅社員の仕事です。
ただし、監査書類を整えるための外注先の評価など全員で対応する必要があります。
・会計監査
メインは財務部門で対応し、購買・調達部門は発注書類の提出に協力します。
購買・調達で扱う製品の範囲
材料・サービスの発注以外業務もあります。
たとえば、
- 物流の手配
- レンタル
- 自社設備関連の購入
など。この境界線は曖昧で、物流管理の重要度が高い企業では調達部門に物流調達のスペシャリストが置かれている場合もありますし、そうではない場合は「物流の手配は物流部門」とされています。
「購買」と「調達」の違い
「購買」「調達」と企業によって呼び方が異なるのが気になる方もいるのではないでしょうか?結論から言うと、これまで実際に働いたり、転職活動をしたりした経験からすると、仕事内容に大きな差はありません。大手企業では「調達」と呼んでいる傾向はあったかもしれません。
調達・購買職の給与相場
(引用元:購買・仕入・物流・商品管理の平均年収・給料(給与)を紹介|マイナビエージェント)
マイナビエージェントによると、調達・購買職の平均年収は458万円です。平均年収と比べると、比較的高い収入となっています。
調達・購買専門部署を置ける企業は大手企業、もしくは成長中の中小企業が中心であることが、安定した収入を得られる理由のひとつです。
年代・性別ごとの平均給与は、20代男性 451万円、30代男性 539万円、20代女性 404万円、30代女性 434万円です。
男女での年収の格差が小さく、女性が活躍しやすい仕事とも言えそうですね。
ただし未経験の場合は、平均よりも低い相場からのスタートになるのを念頭に置いておきましょう。
未経験からの転職対策
未経験から調達・購買職への転職を募集している求人は多くはありません。
大手求人サイト「リクナビNEXT」で調べたところ、調達・購買職の求人1,061件のうち、未経験を歓迎している求人は37件でした(2020年8月の情報より)
(出典元:リクナビNEXT)
(出典元:リクナビNEXT)
それでは限られたチャンスのなかで未経験から調達・購買職に転職するためにはどのような対策が必要なのでしょうか?
まずはこちらの表をご覧ください。未経験から購買・調達職へ転職を成功した人を見ていると大体3パターンに大別できます。
技術系・現場系にルーツあり | 「オーダーメイド」系の調達 |
---|---|
営業系にルーツあり | 「ロットで購入」あるいは「カスタムメイド」系の調達 |
事務系にルーツあり | 成長中の中小企業で総務業務も兼務 |
A)技術系職種出身の方
機械・電気(制御)など技術的に得意分野がある方はそのまま調達の仕事に活かせます。実際、プロパー(新卒入社組)でも、技術部門から購買・調達部門の社内異動は多く、新卒で設計→調達→設計部署の課長代理のように昇進していく方も多いです。また、調達で才能が開花し、そのまま調達部門のマネジメント層に上がっていく方もいました。
私はプラントメーカーで工業用監視カメラの調達を担当しています。設置場所の環境が厳しく技術的な要件も多いため設計部門との品質のすり合わせも重要な役割です。前職の制御設計で培った技術知識を活かせるところにやりがいを感じています。
技術系にルーツがある方が目指すべきは、設計・研究部門と一丸となって外注品を作り上げていくオーダーメイド品の調達マンで、そのためには「技術者に寄り添える調達でありたい」と面接でアピールしましょう。
<技術系から調達へのキャリアチェンジを目指す場合の志望動機例>
「技術に寄り添える調達マンになりたい」と考え志望致しました。前職では約5年間、搬送装置の機械設計エンジニアとして経験を積んできました。品質と安全性を両立し予算を守るためには、単にコストダウンの交渉だけではなく技術視点から現場のリクエストと調達側のノウハウを理解して調整することが大切ですが、私は関係者と必ず顔を突き合わせてお話しすることで落とし所を見出してきました。そういった働き方をする中で調達部門がいかに大事かを痛感しております。御社は大手自動車工場へのオーダーメイド設備の調達に携わる人材を募集しているということですが、これまでに培った機械設計の技術や製造工程の知識、利害関係の調整力などをフルに活かせる役割であると感じ、応募いたしました。
技術系職種出身の方がエージェントを利用するなら、マイナビエージェントがおすすめです。
マイナビエージェントには、ものづくりメーカー専任キャリアコンサルタントがおり、高い評価を得ていますので、機械・電気など技術的に得意分野があり、オーダーメイド設備の調達を目指す方にも適しています。
マイナビエージェント
業界・職種ごとに専任のキャリアコンサルタントがいるため、的確なサポートをしてもらえることがマイナビエージェントの魅力です。
B)営業系職種出身
未経験からの転職で最も多いのは営業職のご経験がある方です。
求人票で、「調達・購買業務経験者か法人営業の担当者」を要件に挙げる企業もあります。特に、法人営業において、営業担当者が外注先対応を兼ねていた方は経験を高く評価されます。
この場合、オーダーエイド系の製品を最初から担当することは少ないです。素材購入系の製品を任されたり、英会話スキルがあれば海外調達を任されている傾向もありました。
僕は外資系ファッションブランドの生産管理部門で、クリエイティブ会社の選定や契約を管理しています。購買といっても、モノを仕入れるばかりとは限りません。もともと営業だったのでその時の経験が価格交渉に役立ってますね。
調達と親和性が高い経験があれば、まずそれを前面に押し出した志望動機、自己PRを練りましょう。また製造業では英語のできる人材は歓迎されていますので、求人票に「海外調達」「海外拠点の支援」のキーワードがあればTOEICの点数や英会話スキルをかならずアピールしてください。
<営業系から調達へのキャリアチェンジを目指す場合の志望動機例>
新卒で入社した現在の会社で約3年間、工業用ねじ製品の営業として経験を積み、●●エリアの中小規模の町工場から大企業の生産ラインとの取引までさまざまなクライアントとの取引を経験致しました。ねじ製品のオーダーメイド、カスタムメイドの受注にあたっては外注先の選定から価格、品質、納期の交渉も含め営業部門にて対応する環境でした。その中でも私が自分の強みを活かせると感じたのは調達系の交渉業務です。そういった中で営業の仕事にやりがいは感じているのですが、本来は学生時代の留学で培った英語力を活かしたいという思いが新卒時代からずっとくすぶっています。現職は国内のクライアント中心で配置転換も無く、希望が叶いません。御社は海外拠点の生産と調達を日本本社がバックアップしている体制と伺っておりますので、私の強みである英語力と営業での交渉経験の両方を活かせる環境だと魅力を感じております。
営業系職種出身の方がエージェントを利用するなら、リクルートエージェントがおすすめです。
リクルートエージェントは、持っている求人の中で製造業の求人数が最も多く、電気・機械・自動車・化学分野などには専任のエージェントもいます。素材購入系や、海外調達を行う企業の求人も多数保持しており、専任のエージェントのいるメリットを十分に活かせます。
リクルートエージェント
2022年4月現在、リクルートエージェントには公開求人だけで約1万件もの製造業の求人掲載があります。非公開求人も豊富な転職エージェントなので、一度登録して求人検索するだけでもオススメです。
C)事務系職種出身
正確性とタイムリーさ、「調和」が求められる事務職/営業事務職として経験を積んできた方も、購買・調達職へのキャリアチェンジが可能です。
事務系職種の出身の方が、購買・調達担当者として転職をしたい場合、「成長中の中小企業」を狙いに定めましょう。購買調達を技術系部門が担っている環境では、技術部門をエキスパート化するために、購買・調達の専任担当を募集していることがあります。
中小企業の購買・調達部門では、エクセルが使える、ファイリングが得意…など、あなたが当たり前のように発揮している事務スキルは重宝されるでしょう。
私は化粧品メーカーの購買部員として、コスメのボトルや梱包資材の発注を担当しています。閑散期には総務系の事務系業務を兼務することもありますよ。
技術系の知識は学ぶ姿勢を謙虚に示しながら、事務系のエキスパートとしてのスキルをアピールしましょう。
<事務系職種から調達へのキャリアチェンジを目指す場合の志望動機例>
事務職のエキスパートとして御社に貢献しながら調達マンとしても成長したいと考え志望致しました。現職では約4年間、パッキンの営業事務として自動車業界を中心に●●社のクライアントならびに外注先対応を担当致しました。地域職ではありますが仕事にはとてもやりがいを感じており、クライアント別の資料作成、紙の帳票から自社システムへの切り替えなどにも積極的に関わってきました。今後は内勤文系職種のエキスパートとしてキャリアアップしたいと考えているのですが、現職では一度地域職として採用されてしまうとその後のキャリアが固定されてしまう仕組みです。そこで今回、御社の求人にて総務業務と調達業務の両方を見られる人材を募集していると拝見し応募致しました。御社の主幹事業である工業用ゴム製品については理解がありますので、調達業務もなるべく早期に引き継いでお役に立てると考えております。
事務系職種出身の方は、dodaへの登録がおすすめです。
dodaでは優良中小企業の求人開拓と紹介に力を注ぐことを企業方針としていますので、成長中の中小企業を探すには最も適しています。
doda
その他の転職エージェントや転職サイトについての情報は、1106人に聞いた、口コミで評判のおすすめ転職サイト・転職エージェントが参考になります。
自己PR例
自己PR例~技術に寄り添う調達活動~
前職では約5年間、搬送装置の機械設計エンジニアとして経験を積んできました。品質と安全性を両立し予算を守るためには、単にコストダウンの交渉だけではなく技術視点から現場のリクエストと調達側のノウハウを理解して調整することが大切ですが、私は関係者と必ず顔を突き合わせてお話しすることで落とし所を見出してきました。
技術面からのアプローチと、調達部門への取り組みをすることで、担当製品における不適合率がほぼゼロになり、クリティカルな納期遅延もなくなりました。そういった働き方をする中で調達部門がいかに大事かを痛感しております。
御社は大手自動車工場へのオーダーメイド設備の調達に携わる人材を募集しているということですが、これまでに培った機械設計の技術や製造工程の知識、利害関係の調整力などをフルに活かせる役割であると感じ、応募いたしました。
調達職を目指す方が、職務経歴書の自己PRで伝えるべきことは3つあります。
① 現職で、調達系業務の関わり、手掛けたプロセス
② その結果、実績
③ ①と②を今後、応募先の調達専門職としてどうやって活かすつもりなのか
この3つを押さえることで、調達業務への志望意欲と、これまでの経験がつながっていることをアピールできる内容になります。例文を参考に自分なりにカスタマイズしてみましょう。
自己PR例~コスト最適化のための調達力~
新卒で入社した現在の会社で約3年間、工業用ねじ製品の営業として経験を積み、●●エリアの中小規模の町工場から大企業の生産ラインとの取引までさまざまなクライアントとの取引を経験致しました。ねじ製品のオーダーメイド、カスタムメイドの受注にあたっては外注先の選定から価格、品質、納期の交渉も含め営業部門にて対応する環境でした。自分の強みを活かせると感じたのは調達系の交渉業務です。
特に一部のステンレス系のねじ製品においては、従来オーダー毎の制作体制としていたところ、外注先と交渉の上量産品扱いに切り替え、在庫を確保する体制に整えました。結果として仕入原価率を10%低減。また、短納期依頼にも対応できるようになり、お客様からも喜んでいただけました。
御社は海外拠点の生産と調達を日本本社がバックアップしている体制と伺っておりますので、私の強みである英語力と営業での交渉経験の両方を活かせる環境だと魅力を感じており、応募致しました。
自己PR例~迅速な事務処理による調達効率アップ~
現職では約4年間、パッキンの営業事務として、自動車業界を中心に●●社のクライアントおよび外注先対応を担当致しました。地域職ではありますが仕事にはとてもやりがいを感じており、クライアント別の資料作成、紙の帳票から自社システムへの切り替えなどにも積極的に関わってきました。
20xx年に社内で事務業務のシステム化プロジェクトに参加した際は、外注帳票移行担当として、約30帳票のオンライン化を担当。関係先であるクライアント/外注先にもスムーズかつ快適に帳票移行ができるよう工夫・対応を重ね、「説明がわかりやすい」とお褒めの言葉を頂いてまいりました。
今後は事務スキルに加え、内勤文系職種のエキスパートとしてキャリアアップしたいと考えておりますが、現職では一度地域職として採用されてしまうとその後のキャリアが固定されてしまう仕組みです。そこで今回、御社の求人にて総務業務と調達業務の両方を見られる人材を募集していると拝見し応募致しました。御社の主幹事業である工業用ゴム製品については理解がありますので、最初は総務系の業務を担当しながら、調達業務もなるべく早期に引き継いでお役に立てると考えております。
未経験から、購買・調達への転職に成功した人の特徴
購買・調達未経験からキャリアチェンジに成功した人には、以下の特徴がありました。(私の見た範囲です)
- 現職のスキルをアピールしている:上記の通り。
- 語学力がある:海外調達ができる人材は貴重。製造業界は比較的レガシーな文化で、グローバル企業を除いて英語に抵抗がある人材もまだまだ多いため、中途採用で英語ができるとかなり有利。
- メーカー出身者:特に転職先の企業と親和性が高い(たとえば大型機械のメーカーにネジメーカーから転職するとか)は受け入れられやすいようです。
- 人当たりが良い:「元気で朗らか」な人材はどこでも重宝されますよね。
未経験から購買・調達を目指す方へのヒント
ヒント1:調達・購買職への転職に資格は必要なし
未経験から調達職に転職するために必要な資格は特にありません。関連する資格として日本能率協会による「CPP」や「シックスシグマ」が挙げられていますがこれまで100名以上の調達マンと接してきたなかで資格取得者は、ほぼいませんでした。
それよりも現職で培ったスキルをアピールしましょう。
ヒント2:購買、調達職の関連法規
購買・調達職として働く場合必要な法律知識は、公正取引委員会が定める「下請法」です。
購買担当者であれば入社後必ず触れることになります。
「下請法」とは取引の公正化を目的とし、親事業者(発注者)の4つの義務、11の禁止事項などを定める法律です。面接時点での知識は必要ありませんが、これまでのキャリアで経験があれば有利になります。面接でさりげなくアピールしても良いでしょう。
法律上の対応だけではなく、「取引先とは対等な立場」というマインドは重要です。人間性の部分は面接でも見られると思いますので、入社試験を受ける際も、入社後も常にフェアな対応を心掛けることが重要です。
一方、交渉やトラブル対応の際に毅然とした対応が求められるのは言わずもがなで、言ってよいこと、言ってはいけないことの区別をしっかりつけましょう。
ヒント3:調整力のある人材が歓迎
購買・調達職の転職では、「調整力がある人材」が重宝されます。
取引先との折衝・交渉はもちろんのこと、社内での調整力も必要です。
日々の業務では、上流部門である設計・技術部門、次工程である受入・検収部門との連携が必要です。他にも、品質管理部門、品質保証部門、財務部、資金部など、関わる部署は多岐にわたります。
取引先と、社内の専門部署との間に立ち、外注をスムーズに行うための調整はほぼ調達の仕事、と言っても差し支えないでしょう…。年次が上がり、扱う金額が大きくなるほど、人間関係を調整する業務も増えていきます…。
まとめ
今回は、未経験の方向けに、購買・調達職についての基礎知識や、未経験からの転職に成功した方の特徴をお伝えしました。
もし「こんな情報を載せてほしい!」などのリクエストがありましたら、コメントがあれば対応させていただきます。
それではまた。