インサイドセールスはキツい?「やめとけ」といわれる理由とは?


ライター:LeoOkamoto
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知人からは「インサイドセールスはやめとけ」と言われたが、転職エージェントから「インサイドセールス」をよく勧められる。

エージェントからは耳障りの良いことばかり言われるけれど、実際のところはどうなんだろう。

今回はそうした疑問た不安をお持ちの方に向けて、インサイドセールスが「やめとけ」といわれる理由を解説します。

 

インサイドセールスとは

インサイドセールスが「やめとけ」といわれる理由をご説明するに前に、インサイドセールスという仕事について簡単に整理しておきましょう。

従来の営業職は、営業先の選定から訪問、クロージングまですべてこなしていました。

インサイドセールスは営業職の仕事を「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」に分担して生まれた職種です。

営業対象となるリストの獲得は「マーケティング」部門が、見込み顧客へのアプローチは「インサイドセールス」が、商談からクロージングは「フィールドセールス」が担当します。

ですので、インサイドセールスの主な仕事は、マーケティング部門が獲得したリストに電話などで接触し、顧客が抱える課題などを探りつつ顧客の見込み度を見極める。そしてそこから、受注の可能性が高いと判断した顧客を営業に流す。または、受注の可能性が低い顧客には、メールや電話で定期的にコミュニケーションを取り、自社の製品やサービスへの関心を高めるというものです。

一人の営業担当者が訪問できる件数には限りがあります。しかし、こうして分業することで、フィールドセールスは受注の可能性が高い顧客を中心に対応できるため、営業効率の改善が見込めるのです。

インサイドセールスという仕事について、さらに理解を深めたいという方はこちらの記事をご確認ください。

インサイドセールスが「やめとけ」といわれる理由

分業による営業の効率化のために生まれたインサイドセールスはセールスはそれゆえに、辛い点がいくつかあります。

代表的なものとしては以下の4つがあります。

  • 1. 営業部門とマーケティング部門の板挟みになる
  • 2. 初回接触という営業のきついところを繰り返す
  • 3. 営業に比べて達成感が小さい

1. 営業部門とマーケティング部門の板挟みになる

これはインサイドセールスの立ち位置ゆえのつらさです。

インサイドセールスは、マーケティング部門が集めたリストにアプローチをかけ、見込み度の高い顧客をフィールドセールスに回すのが仕事です。

リストからフィールドセールスに回す数が少なければ、マーケティング部門からは「リストを無駄にするな」と責められます。

一方、フィールドセールスに回した顧客の成約率が低ければ、「見込み度の低い顧客を渡すな」とフィールドセールスから責められます。

見込み度の高い顧客ばかりを大量にフィールドセールスに回し続けられればいいのですが、そう簡単ではなく、あちらを立てればこちらが立たずといった板挟みの状態になってしまう立場の弱さが、「インサイドセールスはやめとけ」といわれる一つの理由です。

2. 初回接触という営業のきついところを繰り返す

営業職経験者につらかった業務について尋ねると、多くの方が「アポ取り」と「新規開拓」など初回接触の業務をあげます。

これらは営業先の企業からすげなく断られることが多い業務です。

企業リストにひたすら架電する場合、アポ取りの成功率は0.3~0.7%程度といわれています。

1日に100件電話して、数日に1件成功するかどうかというレベルです。

また、営業電話を断るときに丁寧に対応する人は多くありません。自分を歓迎していない相手に対して、何度も電話して、明るく話しかけ続けるのは大変なことです。

新規開拓営業で何度も失敗して、客先に出向くのが怖くなったという話も耳にします。

インサイドセールスはこうした初回接触を繰り返す仕事です。

ただし、インサイドセールスの場合は、電話を掛ける対象が、セミナーの参加者やメルマガの登録者など、マーケティング部門が集めた「ある程度は自社や製品に興味がある顧客」ですので、従来の営業が行っていたテレアポよりもはるかに成功率は高いです。

それでも、成功率はメールマガからの電話で約5%、イベントで名刺交換した相手への電話で約10%しかありませんので、断られる前提で電話をかけるのは同じです。

初回接触という営業のきつい部分を詰め込んだ仕事である点が、「インサイドセールスはやめとけ」といわれる一つの理由です。

3. 営業に比べて達成感が小さい

インサイドセールスの担当範囲は、見込み顧客をフィールドセールスに渡すまでです。

そのため、従来の営業が感じていた「契約成立」という大きな達成感を得ることができません。

「契約が決まったときは、これまでの苦労がすべて報われたという気持ちになる」など、営業の楽しさとして「契約成立の達成感」をあげる営業経験者は少なくありません。

(参考:営業職はやっぱりきつい?向いている人と向いていない人の特徴は?

営業の楽しさの大きな部分が失われてしまっている点も「インサイドセールスはやめとけ」理由でしょう。

インサイドセールスの魅力

ここまでは「営業部門とマーケティング部門の板挟み」「初回接触の繰り返し」「達成感の小ささ」とインサイドセールスのつらさを紹介しましたが、インサイドセールスにも魅力はあります。

インサイドセールスの魅力は大きく分ければ以下の2点です。

  • 1. 成長につながる
  • 2. キャリアの幅がある

1. 成長につながる

営業のきついところが詰まっているということは、短期間で成長できるということでもあります。

インサイドセールスが成績を上げるためには、見込みの高い顧客を多くフィールドセールスに送る必要があります。

そのためには、細かなPDCAサイクル何度も回す必要があります。

「フィールドセールスに回せる顧客が増えない場合は、データを分析し、成功した顧客の特徴を探る。」

「フィールドセールスへ送った顧客が成約に至らず、「見込み度の低い顧客を渡すな」といわれたときでも「どういった情報が事前に欲しかったのか」「成約に至った顧客とはどのような話をしたのか」などフィールドセールスからのフィードバックを求める。」

のように、常に改善のために行動し続けなければなりません。

インサイドセールスは従来の営業よりも、対応する顧客の数が多いため、こうした試行を繰り返す回数も多くなります。

そのため短期間でビジネスマンとして大きく成長できる職種なのです。

2. キャリアの幅がある

転職エージェントが頻繁に勧めてくる理由の一つなのですが、インサイドセールスはキャリアアップしやすい職種です。

インサイドセールスから転職する方がよく就く職種は「フィールドセールス」「マーケティング部門」「カスタマーサクセス担当」があります。

どの職種も未経験から目指す場合、条件の求人を見つけるのは困難ですが、インサイドセールス経験者は非常に歓迎されます。

インサイドセールスとして仕事をするなかで、

「顧客と商談の部分に興味や適性があると感じるならば、フィールドセールス。」

「営業データから、アポイントの成功率を上げるための分析に興味や適性があると感じるならば、マーケティング部門。」

「アポイントにつながらなかった顧客への継続的なサポートに興味や適性があると感じるならば、カスタマーサクセス担当。」

というように、自身の興味や適性に合わせてキャリアを選択できるのもも魅力といえます。

インサイドセールスに向いている人と向いていない

ここまでにお話しした、インサイドセールスのつらさと魅力を踏まえ、インサイドセールスに向いている人と向いていないの特徴をまとめます。

インサイドセールスに向いている人の特徴

  • トライアンドエラーを繰り返すのが苦でない人
  • 細かな目標を立てられる人
  • 抱え込み過ぎない人

インサイドセールスに向いていない人の特徴

  • 受け身な人
  • プライドが高い人、フィードバックを受けるのが苦手な人

一般的なインサイドセールスはアプローチした顧客のうち、多くとも10%ほどしかフィールドセールスへ回すことができません。

インサイドセールスとして成果を上げ続けるには、アプローチをかける対象の選定、アプローチをかける時間帯、伝える内容などを最適化しなていかければなりません。

そのためには、フィールドセールスやマーケティング部門と積極的にコミュニケーションをとり、アポイントや受注につながった顧客の特徴、逆につながらなかった顧客の特徴、フィールドセールスのトーク内容などの情報を集める必要があります。

インサイドセールスに向いている人は、情報を集め、仮説を立てて検証する、というトライアンドエラー自体を楽しめる人であったり、業務の中に小さな目標を立ててその達成を楽しめる人といえます。

逆に、プライドが高くて顧客に断られ続けることに耐えられない人や、フィールドセールスからのフィードバックに耳を傾けられない人、自分から情報収集や業務改善に取り組めない受け身な人はインサイドセールスには向いていません。

また、インサイドセールスはマーケティング部門とフィールドセールスの両方から詰められる立場にあります。

顧客から冷たく断られることも多いですし、クレームを入れられることもあります。

そうした自分へのネガティブな言葉をすべて抱え込んでしまう人はインサイドセールスを続けていくことは難しいです。

他人の意見を聞き流せということではありませんが、ある程度楽観主義であったり、悔しさを業務改善の原動力にできる精神性を持っている方が向いているといえます。

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