7月の求人・求職状況
トピックス
全体
5月の有効求人倍率が発表。求人倍率は1.09倍で前月と同水準を維持。増加傾向が続いていた求人数はわずかに減少。
産業別
先月に続き、前年同月で見た新規求人数が増加(7.7%増)。
なかでも先月も増加率の大きかった「製造業」では30.3%、「生活関連サービス業・娯楽業」も21.7%と大幅に増加しており、転職先の産業として有力な候補になるだろう。
業種別
「IT・通信」は引き続き高い求人倍率を維持しているが、今月はわずかに減少。
一方で、「金融」は昨年9月ごろから緩やかな減少傾向が続いており、今月は大きく求人倍率を落とした。金融業界への転職を検討している場合は、もうしばらく様子見をしたい。
その他の業種は多くが横ばいだが、「メディア」は昨年9月ごろから緩やかに増加を続けている。
職種別
全比職種の中でも高い求人倍率を保っている「技術系(IT・通信)」「技術系(建築・土木)」「専門職」がわずかに減少した。次点の「技術系(電気/機械)」は先月からの増加傾向をキープ。
多くの職種が前年同月の字水準を下回るなか、前月比で増加傾向にある「企画・管理系」「営業系」「クリエイティブ系」が前年同月比でも増加を見せた。
とくに「企画・管理系」「営業系」は、異業種からの転職を比較的検討しやすいため、コロナで転職控えてた方も転職活動を始めるチャンスといえる。
データ詳細
一般職業紹介状況(厚生労働省)
5月の新規求人数は前年同月と比較すると7.7%増となった。
(引用元:一般職業紹介状況(令和3年5月分)について - 厚生労働省)
- 有効求人倍率は1.09倍、前年同月の0.9p減
- 求人数は前月の0.3%減、前年同月の7.5%増
- 求職者数は前月の0.4%減、前年同月の14.2%増
求人数・求職者数どちらも先月と比較してわずかに減少。
有効求人倍率は先月と同じ水準でした。
また新規求人を産業別に見ると、
製造業(30.3%増)、生活関連サービス業・娯楽業(21.7%増)、サービス業(他に分類されないもの)(15.8%増)で増加、卸売業・小売業(5.3%減)は減少しました。
転職求人倍率レポート(doda)
- 求人倍率は1.85倍、前月比-0.03pt、前年同月比-0.18pt、2019年同月比-0.68pt
- 求人数は前月の2.1%増、前年同月の16.2%増、2019年同月比16.0%減
- 転職希望者数は前月3.6%増、前年同月の27.2%増、2019年同月比14.6%増
【業種別】「メディア」のみで求人倍率が増加
求人倍率は、前月比、前年同月比どちらも「メディア」のみ増加。
求人数は「IT・通信」「メディア」「メーカー」「商社・流通」「小売・外食」「サービス」の6業種で増加した。
前月比の求人増加率は「メディア」の7.6%が最大で「商社・流通」の5.5%が続く。
業種 | 求人倍率 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|
全体 | 1.85 | -0.03 | -0.18 |
IT・通信 | 5.63 | -0.09 | -0.21 |
メディア | 1.19 | 0.03 | 0.04 |
金融 | 1.26 | -0.17 | -0.51 |
メディカル | 1.37 | -0.05 | -0.68 |
メーカー | 1.57 | -0.03 | -0.01 |
商社・流通 | 0.80 | -0.01 | -0.11 |
小売・外食 | 0.70 | 0.00 | -0.04 |
サービス | 1.93 | -0.01 | -0.27 |
【職種別】「営業系」「企画・管理系」「クリエイティブ系」が前年比の求人倍率を増加
求人倍率は、「技術系(電気・機械)」「クリエイティブ系」「事務・アシスタント系」の3職種が前月比で増加し、前年同月比では「営業系」「企画・管理系」「クリエイティブ系」の3職種が増加しました。
求人数は、「営業系」「企画・管理系」「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」「専門職」「クリエイティブ系」「事務・アシスタント系」の8職種が前月比で増加した。
求人増加率は「営業系」の6.5%が最大で「事務・アシスタント系」の6.4%が続く。
業種 | 求人倍率 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|
全体 | 1.85 | -0.03 | -0.18 |
営業系 | 1.61 | -0.01 | 0.04 |
企画・管理系 | 1.63 | -0.07 | 0.12 |
技術系(IT・通信) | 8.25 | -0.09 | -0.39 |
技術系(電気・機械) | 2.97 | 0.04 | -0.60 |
技術系(メディカル) | 1.48 | -0.06 | -0.23 |
技術系(化学・食品) | 0.83 | -0.07 | -0.37 |
技術系(建築・土木) | 4.58 | -0.10 | -0.73 |
専門職 | 5.16 | -0.22 | -1.28 |
クリエイティブ系 | 1.32 | 0.06 | 0.09 |
販売・サービス系 | 0.49 | -0.03 | -0.25 |
事務・アシスタント系 | 0.19 | 0.01 | -0.01 |
7月の転職ニュース
人気業界 「IT・通信・インターネット」業界への転職希望が前年の3倍に
【20代意識調査】「IT・通信・インターネット」業界への転職を希望する20代が、コロナ前から3倍に。「成長している業界でスキルを身につけたい」の声。(PRTIMES)
(引用元:【20代意識調査】「IT・通信・インターネット」業界への転職を希望する20代が、コロナ前から3倍に。「成長している業界でスキルを身につけたい」の声。(PRTIMES))
株式会社学情が20代を対象に実施したアンケート調査によると、転職の際に魅力を感じる業界は、「IT・通信・インターネット」が34.0%で最多でした。
2020年の調査における、「IT・通信・インターネット」の回答率は10.1%であったため、約3倍の回答率となっています。
回答理由には、「今後より伸びていく業界だと思う」「成長している業界でスキルを身につけたい」「ITの知識やスキルがあれば、どこに行っても通用すると思う」といったもので、コロナ禍による先行きへの不安から、業界の成長性やスキルなど長期的なキャリア形成に重点をおいた判断に代わってきているといえる。
テレワーク 約7割の企業がコロナ前の働き方に
2021年6月のテレワーク普及率を調査!コロナで働き方はどう変わったのか。(PRTIMES)
(引用元:2021年6月のテレワーク普及率を調査!コロナで働き方はどう変わったのか。(PRTIMES))
株式会社ネクストレベルは、緊急事態宣言から1年が経過した現在の、企業におけるテレワーク導入状況を調査しました。
コロナ禍においても、全体の約半分の企業ではテレワークが導入されず、以前と同じ働き方をしていたようです。
緊急事態宣言中などにテレワークをどいうした企業でも、「引き続き週に3回以上テレワークを行っている企業」は14.0%にとどまり、「週に1~2回ほどテレワークを行っている企業」が8.2%、「一時的に導入したが、以前の働き方に戻っている企業」が13.6%という結果で、テレワークの定着率は高いとは言えない状況です。
一方で、求職者に対する「今後の働き方」についての質問では、「今よりもテレワークを増やしたい」「テレワークを続けたい」という回答が合計で約70%にのぼり、被雇用者側からのテレワーク人気の高さがうかがえます。
テレワークの定着率の低さを考慮すると、今後はテレワーク可の求人の人気はさらに高まっていくと予想されます。
採用 約7割の企業は採用意欲は以前と変わらず
【採用担当者のホンネ調査】「新型コロナの中途採用への影響」について調査を実施 コロナ禍においても約7割が採用意欲は変わらず、選考基準も変化なし(PRTIMES)
(引用元:【採用担当者のホンネ調査】「新型コロナの中途採用への影響」について調査を実施 コロナ禍においても約7割が採用意欲は変わらず、選考基準も変化なし(PRTIMES))
総合転職エージェントの株式会社ワークポートが、企業の採用担当者を対象に行ったアンケート調査によると、約7割の企業がコロナ禍でも「採用意欲に変化はなかった」と回答しています。
コロナ禍においても「採用意欲に変化はなかった」と回答した理由は、「事業に新型コロナの影響がなかったため」「長期計画通り採用を進めている」「営業実績に新型コロナの影響はあるが、人員補充が必要なため」というものでした。
採用基準に関しても、75%の企業が例年通りの基準での採用を行っています。
しかし、「良い方の応募が増え、自然と面接官の採用基準が上がったため」などの理由から、23.4%の企業が基準を高く修正しています。
コロナ禍による採用基準への直接の影響は少ないものの、求職者の働き方に関する考え方の変化により、テレワークを積極的に取り入れている企業などは、人気が集中し選考の基準が上がったようです。